第11話 幕間1
低く重々しい爆発音が、響く。音が止むのを待って、男達は、慎重に扉へ耳を当てる。
しばしの後、1人が、耳を離して頷く。
「大丈夫だ。問題無い。」
とでも、言ったつもりだろう。そうすると、2人が扉から離れる。唯一、板金鎧を着用する男が、腕力に物を言わせて、鉄製扉を開く。素早く、慎重に1人ずつ室内に入る。
そして、室内に転がっている『黒焦げの死体』を発見した時だった。
「いぃぃぃしゃぁっ! やったぜぇっ! くたばりやがったぜぇっ!」
「スゲぇな。黒コゲじゃねぇか。マジで『魔術師殺し』だったな。ったくセイセイしたな。」
「オレ、あいつキライ。ジブンじゃブキつかえねぇクセに、おれっちのブキのつかいかたにケチつけた。コゲコゲ……マモノも、シんでるな。まきこまれたノカ。」
「だろうぜ。オッサンは、隠密何てできねぇ。だから、『魔物』に見つかったんだろ。」
「よし、丁度いいぜ。あの横柄なオッサンから、さっさと、お宝貰って行こうぜ。」
「ウォォォォーーッ!」
喜びを露にするトミー、スチュアート、ノーマン達だった。
* * *
「え……その……キキマチガイじゃないのかなぁ。もうイチド、いってよ。」
「アビイ、オッサンは、死んだんだ。」
「え……ウソ……ジョーダンじゃないのよね。トミー。」
「ああ。置手紙を残してな。最近見つかった迷宮に、単独で挑んだ挙句、オッサンは、死んだ。」
トミーから渡された置手紙を読み終えた後、うなだれるアビイ。しばし……
「ええーーっ! うっそぉーーっ! サイテー! こんなに、アッサリしんじゃうのよぉ! あーあ、ばからし。オッサンのために、つかったジカンかえせっていうの。ムカつくぅ。」
「……で……よぉ……これからは、俺達4人で冒険に行こうって、事なんだけどな。アビイ。」
「しょーがナイじゃん。ま、タヨリにしてるわよ。ゆーしゃトミー。」
「お……おう! 任せとけ。じゃ、新生パーティーの誕生を祝して、乾杯と行こうか。みんな。」
この後、エールで、乾杯した。彼らはまだ知らない。己の運命を……
* * *
次回予告
第12話 ただいま
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