第7話「家出?魔術師とオルフェリト」
少し気持ち悪い表現があったりなかったり。
まぁこれくらいなら大丈夫だとは思いますけどねぇ
あ、最初のほんの少し。部分に気持ち悪い表現?があります。多分普通に読んでたら気付かないだろうけど…
石化を封印した後の出来事
誰にも聞かれたくなかったのか、トイレでずっと泣いてた
魔術師とオルフェリト…
それは一生掛けても釣りあわないものなのか
寮の気持ち…今ならわかる気がする
助けられてばかりだと、申し訳立たないし…
自分が無力だって思うととても辛い
石化事件があった翌日から、寮は食事も取らなくなった
深夜12時を超えると、いつも泣いてる。時々トイレの中で戻してる
…助けたい。寮を助けたい。
けれど、今の私じゃ何も出来ない
それほどに、魔術師にとってオルフェリトというのは最悪な奴なのだろうか
寮の声を聞いてると、胸が苦しい
ある日の事だった
寮が久々に外へ出ようとしているのを見た
あの日以来、ずっと学校も休んでいたし
私は思わず聞いてみた
「…寮、どこ…行くの?」
「…ちょっと、用事あって」
「そうなんだ、いってらっしゃい」
そう言って無言にドアを閉めた。
さすがに母さんも心配して、私に聞く
「寮君、何だか元気ないけど…ここ最近ご飯も食べないし。大丈夫?」
「う、うん!も…もう元気なんじゃないかな」
「そう?…なら、いいんだけど。美里も、気を遣ってあげてね」
「え、あ…うん」
そういえば、あの日からルインも寮に話かけてないっけ
ルインも…気を遣っているのかな
ルインは私に声をかけてきた
「美里。寮の事なんだけど」
「…?」
「オルフェリトと過ごした魔術師は、大抵あんなにまで元気がなくなる。もう、一緒に暮らし続けるのは無理だよ」
「…」
「もしかすると、オルフェリトに刃向かって殺されるかもしれない」
「えっ」
「よくある話だよ。…魔術師がオルフェリトに刃向かう。一人でね…。そしてほとんどは、殺傷のオルフェリトに殺されているんだ」
「殺傷…あの一撃死を得意とする?」
「うん。…奴がこの町にいなきゃいいけど、もしいたら…寮は」
「…だ、大丈夫。寮の事…だよ、私を守るって言い張ったんだし…最後まで、約束守ってもらわなきゃ」
「…ごめんね美里、暗い話を持ちかけて。でも、殺傷がこの町に滞在していたら寮は死ぬ。それだけ」
「…うぅん、ありがと。…」
そんな会話をし、寮が帰ってくると信じたのが最後。
――寮は家へ帰ってこなかった。
私は寮を探しに行く決意をした
だがルインは当然反対。
殺傷のオルフェリトが出現したら、今度こそ全滅くらうかもしれない…と
それでも私は…寮を探しに行くんだ
その一言。ルインも仕方なく付いてきてくれる事になった
――崩壊は全オルフェリトの中でも、トップに立つ能力者
ただ、霊魂だけには勝つ自信がないだとか
殺傷と霊魂と増減がグルになる可能性は非常に高いらしい
…もし、グルになったら…私達の力じゃ確実に
「美里、寮が居そうな場所把握できる?…俺わかんない」
「んー…寮が行く場所…」
思い当たらない
寮と出かけた事ないんだもん
私は落ち着いて考えてみた
「…そうだ…屋上だよ」
「へ?」
「学校の屋上!あそこ、前二人で休憩時間に行ったんだ。オルフェリトが襲ってこなかったから、ゆっくりできたよ。そしたら寮、ここは落ち着くよって」
「よし、行ってみよう」
「でも…学校休みだよ、どうやって?」
「美里。俺は魔術師だよ?」
「…?」
「…ワープ魔法なら使えるよ。あまり遠くへは無理だけど、学校の屋上くらいならなんとか」
「お願いっ!」
「…目を閉じて。俺から離れるなよ」
「…うん」
心地よい風が吹く
そして目を開けた時にはもう学校の屋上だった
「…寮」
「ビンゴ。あとは美里、まかせたよ。俺がうかつに言うと大変な事になるからね」
「うん…がんばる」
「美里…、ルイン。来てたのか」
「え、あ…あの」
「追いかけて、来たんだな」
「ごめん…」
「…いいよな、オルフェリトの身分ってのは」
「…」
「あの時、正直びびったよ。…崩壊が魔術も使わず石化を軽々殺す所」
「違う。そんな風に言わないで…」
「たかが魔術師…か。いや、まったくその通りだよ。平凡な能力」
「寮…っ!何で…」
「さすがオルフェリト。人を躊躇いなく殺す事が出来る」
「やめて…」
「オルフェリトは死を認めず、自分の犯した過ちを否定する」
「やめてよ…」
「だからオルフェリトってのは大ッ嫌いなんだよ!俺等が何かしたってのか…俺等魔術師がオルフェリトに何か問題でも起こしたってのかよ!」
「嫌…っ!」
私はつい…聞きたくない事を聞かされたから、寮の頬を思いっきり叩いた
だって、ルインはそういう人じゃないもん…
「…俺等だって…普通の人間として。一人の人として生き続けてるんだ。それを軽々殺すなんて…俺等だって死はこえぇんだよ!」
「…ごめんね、寮」
私は優しく、寮を包むように抱く
「…魔術師だって、化け物じゃないよね。一人の人間なんだよね…。私、寮と出会ってからずっと今まで…寮を化け物としか見ていなかったのかもしれない」
「…」
「…寮がうちに来てから。寮はかけがえの無い私の家族として受け入れたんだよ。ルインも、今は立派な私の家族…。私はあなた達が来てくれて嬉しい」
「美里…俺」
「だから安心してよ。寮だって、私を守るって約束したじゃない!…破ったら、私泣くかもよ?」
「あぁ、忘れもしないよ…あの日」
「…ずっと苦しむ寮を見て…私も胸が痛いほど苦しかった。心ではずっと泣いてたんだよ」
「ごめんな…。俺は…っ、俺は…、オルフェリトに救われる事を第一に嫌いとしてきたんだ。それが…今こういう形で…苦しませて」
「私は、寮とルイン…それに、お母さんや雪。…皆が居てくれるだけで嬉しいんだから」
「…っ、自分で…、自分が凄く情けねぇっ…うっ、うぅっ…くそ…野朗っ」
「…寮」
寮は、ずっと苦しかったんだよ。
だから、あんな形で別れを告げようとしたんだよね?
…でも、私達がこれからは一緒だから
―― 一緒、だから
その後ずっと泣いていた寮
余程辛い事がないと、これ程にまで泣けないものなんだと私は思った
今まで辛かったね、寮…
続く




