表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師戦争  作者: 悪天
3/15

第3話「崩壊のオルフェリト」

「…崩壊のオルフェリト、ルイン。封印のオルフェリトを排除しに来た」


「崩壊の、オルフェリト…こいつがっ」


戸惑う私は一歩一歩後ずさりする


だが、相手も当然見逃してはくれない


「封印のオルフェリト、この場から逃げようなんてとんだ腰抜けだ」


ルインと名乗る男は、挑発をしてきた。

そして私はその場に座り込み、ただ二人を見ているだけだった


「美里!奴の事を聞くな!今は命優先…」


「余所見厳禁」


「…!」


「寮…!」


寮はルインに突き飛ばされ、壁に強く叩き付けられた

しかも、その壁は今にも別の部屋へ突き抜けそう。凄くへこんでいた


「へへ。そこらの魔術師も大した事ねぇな」


「…っ、くっ…」


「寮、寮っ!わっ、私…ごめん、私のせいで」


「…お前を守るのが俺の…。…だから何も気にする事はない」


「そんな事!…何で、何で私のせいで寮が死ななきゃならないのよ!自分の命くらい大事に…」


…待ってくれない。敵は


「もう、お別れは済んだ〜?」


いつのまに私の後ろへ立っていた


そして私の肩を掴む


「…ルイン君、だっけ。…寮をこれ以上」


「うん、だから死ね。封印」


ミシミシッと床が割れそうなくらい、力が入っている。


私はただ、苦しみながら声あげる事なくその痛みを受け入れようとした

だけど


「っ、あつっ!」


急に手を離すルイン


「ちっ、まだ動けたか貴様!」


「…お前なんかに、美里はもったいなすぎる。…へへっ」


袖で血を拭いながら苦し紛れに言う寮。

この一言に奴もとうとう本気を見せた


「…どこまで侮辱すれば気が済むんだよ!」


「おうおう、ガキだな。お前はその程度も我慢出来ないオコチャマですか」


「五月蝿い、五月蝿い五月蝿い!」


「いいご身分様で。オルフェリトの存在、俺は大ッ嫌いなんだよ」


「バカに…するのも、いい加減にしろ。一瞬で蹴りつけてやる!」


「…技解放すれば…お前の命は」


「封印が消せればそれでいいさ」


そう言うと、心臓辺りに手をやった


「…解放」


その言葉と同時に、物凄い殺気が広がった

私にも、すぐにわかった


「美里、逃げるぞ」


「…」


「突っ立つな。こんな解放した相手、勝てん。この家には悪いが諸共崩れ去って…」


「そんな事出来ないよ。お母さんがまだ、この家に」


「…だよな。…あいつをどうにかして外へ…」


「死ね、封印…今度こそ貴様を」


床が破壊した。

そして床の破片は私の服に刺さり、壁際へ押さえつけられる。

一歩も動けなくなった


「…これで、終わりだ封印!」


家の天井が落ちてくる!?


これが、崩壊の力?

うぅん、これ以上に凄い事が出来るんだ。…世界を滅ぼせる力…


「美里っ!…どうにかして…」


「きゃぁぁぁぁっ!」


もうだめ、そう思った瞬間


…何も落ちてこない

ふと上を見ると、茶色い岩が天井となり支えていた


「寮、テメー。どこまで封印を庇う気だ。このままだと何れペシャンコだぞ」


「…っ、俺の魔力が尽きようと、命が尽きようと。彼女は最後まで守って、みせ…るっ」


「…オルフェリトが嫌いなんだろ?じゃあさっさと殺させろよ」


「…封印、以外はな。…封印は神になる。…お前等の運命を変え…、てくれる」


「あまいな。自分の愚かさを知れ!」


床が変形し、棘のような形になった。

その棘は岩の壁を突き破る


「っ、しまっ…」


だが、相変わらず天井は下りて来ない


見ると、奴は伏せている


「…ルイン。俺等を殺すんじゃなかったのか?」


「…うる、せぇ。…殺そうと思えばいつでも、いつ…でも」


「少し俺等如き相手に、力使いすぎたな。今度はお前が逝く番だぞ」


「…嫌だ…俺は、俺はまだ死にたくない…嫌、嫌だっ!」


「散々俺等を殺そうとしといて、何だ今更」


「来るな、来ないでくれっ!うっ、ぁっ」


涙ぐみながら、後ろへ後ずさりするルイン。

形勢逆転…これであの子も、私がどれだけ怖かったかわかってくれるといいんだけど


「ルイン。あの世で後悔するんだな」


「…、嫌…、ゲホッ…っく…」


吐血をしながら訴えるルイン。その姿は…こう言うとあれなんだけども

…無様で、可哀想だった


「寮、やめてあげて」


「美里…?」


「ルイン、あなたは私を殺そうとしたのよね。でも私はまだ死にたくないの。…それは、今のあなたと気持ちが同じよ」


「…、封印の言う事なんかっ」


「殺されそうになった時、怖かったの。凄く。…それもあなたと同じ」


「…」


「命を張ってまで、そんな技を解放しちゃダメだよ。…自分の命は大切にしなきゃ、ね?」


優しく肩を叩く私。…その時、白い光が噴射された


「…!?」


「美里、これは一体!」


「私にもわからない!」


「…、封印の効果発動」


ルインがボソッと呟く


「…美里、寮」


「なんだよ?」


「ん、どうしたの?」


「俺の術が封印されたからには、普通の魔術師として生きていくしかない。…その、あの」


顔を赤らめながら言う


「俺、ずっと一人だった。…だから…その」


「うん、いいよ」


「…?え…」


「言いたい事は大体わかるから。これからもずっと友達!」


「…ありがとう」


「美里が言うなら…ま、いいか」





こうして崩壊の術を封印。

今は、崩壊のオルフェリト・ルインではなく、一人の人として生まれ変わった。



――食卓


「何で寮とルインがいるのよーっ!もう10時、帰りなさいよー!」


「いやぁ、お世話になりますね母君。これからもよろしくお願いします!いやぁ、母君料理お上手ですねー」


「お母様、これとてもおいしいです!こんな美味しい物初めて!」


「やだわぁ、お二人ともお世辞うまいわねぇ!」


「母さんも何で否定しないの!?二人を留めるとか…ただの居候じゃん!」


「やぁね、美里ちゃん。こんなイケメンが困ってるのよ?放る方が無礼!」


「はぁ〜!?」


「お母様、おかわり!」


「母君、おかわりください!」


「はいはい、今持ってきますね〜」


「二人も、母君とかお母様とかやめてよ!」



こうしてうちの食卓もにぎやかになったとさ…


なんか嫌だ






続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ