第13話「神君臨。封印のオルフェリト」
「それが、生きてるんだよ。俺は封印だ…、美里も封印だ」
封印が…二人
「だからこい。我等と神になろうではないか…」
「ちょっと待ってください。僕等無視でやめていただけます?神と言うなら…僕を倒してください」
「ちょっ、蘇生!それはマズイって…、全能力集めた美里でも敵わない相手!」
「…これで僕が負けたら…美里さんは渡します。それが一番…、彼女にとっても世界にとってもよい物だと、僕は考える」
「う…、うん。そう、だよね」
「面白い。神の力、どれほどの物かを味わえ」
「行きなさい、僕の子分達!」
地面から這い上がるゾンビ達
それに対抗
「あはは、そんな小細工俺には効かんよ!」
ゾンビの足元が崩れ落ちる
「ふふ、地獄を知れ」
ルカさんは、軽く舌打ちした後、ゾンビを増やし続ける
「蘇生は所詮。動く死体を使って攻撃させるだけ!蘇生は攻撃面で、まったく役に立たない!」
次々とゾンビ達を石化させるルヴィ
間違いない。いろんなオルフェリトの術を使えるという事は…
彼も封印だ
「ほら、どうしたよ蘇生!」
「っ!くそっ…、魅了か…っ」
「蘇生だって人間さ。死ぬんだよ、刺されたら!」
「…読みが、あまいです」
後ろのゾンビが必死にルヴィを取り押さえる
「邪魔だ!くそっ…蘇生、なめた真似」
「…攻撃面では確かに役立ちません。ですが…、数で取り押さえるのも悪くないでしょ?」
「ふふ、数で勝負…か。力があれば、数万匹いようが物の数ではない」
纏わり付くゾンビ達を崩壊の術で薙ぎ払うと
「蘇生よ、跪け…神の名の下に」
「…!」
ルカさんの肩を掴み、気を集中し始める
「蘇生…っ!くそ…俺は、無力っ」
ルインも手出しする…が
「神の前では…何をやっても無力な物だよ」
「うわぁっ!」
風魔法は見事に跳ね返された
「あっ…、くっ、ぅ…。僕の、魂など吸って…どうする気、ですか」
「蘇生。魂は一部となりて、結合するのだ」
「…そう、ですか…」
その諦めた一言
奴は急に手を離す
「…っ、何をする…封印」
私の手は奴を掴んで、石化の術を唱えていた
「美里、さん…」
「やめろ…神を殺す気か!くそっ…」
「私、人を殺したりする神様なんていらない!」
「考えがあまいぞ封印」
奴から電流が流れ、つい手を離す
「俺はオルフェリトでありながら魔術師なのだぞ。魔力の持たないオルフェリトなど、怖くないわ」
「…私が、あなたに付いていけば…ルインとルカさんに手出ししません?」
「あぁもちろんだよ。雑魚共を相手にしている暇は無いんだ…俺はずっと、君を待っていた」
「わかりました」
「おっおい、美里…っ!」
「美里さん…それが貴方の決めた事…なのですね」
「はい。ルカさん、ルイン…ごめんね、がんばってくれたのに…こんな形でしか」
「いえ。僕は貴方の決めた事に口出しする権利などないですからね」
「…納得、出来ないよ…。やっぱり納得できねぇよ!こんな形で別れるなんて…。俺は、俺は無力だ…美里、一人守れず…っ」
「…崩壊君。泣かないで下さい、美里さんが心配しますよ」
泣きながらルカさんに抱かれるルイン
声をあげず、静かに涙を流していた
「ごめんね、ルイン。…ルカさんも、ありがとう」
「えぇ、さようならは辛いですけど。短い間、楽しかったです」
「…さ、行きましょうか」
「ふふ、俺はこの日をどれだけ待ったか。二人で新世界を…創ろう」
だが、私と奴の間に、名の無き…、うぅん。寮が割り込んできた
「…邪魔をする気か?このデブ猫が!」
「寮…大丈夫だよ。私は、私のままだから…心配、しないで」
「…、ミャーッ」
「…寮も心配してくれて、ありがとう」
「ふふ、あはははは。神降臨。この世界は生まれ変わる!皆神を称え、美しい世の中となる」
「…、どこに行くの?」
「神の座さ。そこに座れるのは神のみ。神の宮殿」
「…。ワープしてください」
「あぁ、神の宮殿まで道は遠い。魔方陣を用意してあるさ」
その魔方陣の上へ私は立つ
「…そこ、二人のオルフェリト。世界の行く末、しかと見ておくがいい」
「美里さん。神様になっても、美里さんは美里さんですよね。さようなら」
「うん、ルカさんも…、お元気で。きっといい世の中にするわ」
「…、美里…早くどっか行けよ…。俺はもう、お前なんか…お前…なんか」
「…ごめんね、ルイン。今まで楽しかったよ…、さようなら」
「…」
私は神の宮殿へ足を運んだ
魔方陣でワープした先は、すでに宮殿の中
神の座へ一歩、また一歩と近づく
そして…そこへ座った
「うむ、見事だ…新しい神、美里…貴殿は我々の神となり、世界を変えてくれる」
複雑な、気分だった
そう、とても複雑な――
続く




