第11話「死の森!一輪の花を目指して」
――薄暗い森の中
私は歩き続けた
「…、そういえば…、蘇生さんから食料もらってないや…」
このままじゃ確実に飢死してしまう。
どうしよう…、何かを狩って食べなきゃダメ?
すると、都合よくバーを発見した
もちろん、私は怪しく思う
バーの扉が開き、立っている猫が出てきた
「おや、お客さんかな?」
「え、私はただ!」
「遠慮しなくていいです。どうぞどうぞ」
押されたのでついつい入ってしまった
そこには、カウンターに立った犬まで居る。
現実ではありえない事に、私は頭が混乱
「…お入りください」
犬がそう言うと、私は席に付く
「…何にいたしましょう」
「違うんです、私はただ…あの。…すみません、失礼します」
私は慌てて逃げようとした…けど
「逃がさないニャ」
「逃がしませんよ?お客様。ワンッ」
「…!」
二人が武器を用意し始める
私は戸惑った
「お客様は我が胃袋に入る運命なのニャ〜!」
「自分の死を認めなさいワンッ!」
「きゃぁぁぁっ!」
その瞬間、何かが発動した
「かっ、体が…動かない…ワン」
「目だ、奴の目を見たらいけないニャァ!」
…もしかして、魅了…?
「…ごめんなさい。私は行きますね」
そう言って何もせず帰ろうとすると
「ニャァァ!机がこっち向かってくるニャ!」
「…!店内の柱が折れたぞ!非難、非難―…」
私は犬達の声に気付き、見せの方向を振り向く
しかし、バーはグチャグチャに潰れていた
…これが、崩壊の力…なんだ
「いやぁ、危なかったね封印さん」
「…!?蘇生!」
「ちゃお〜」
「ちゃお、じゃないよ。何でここに?」
「これは君を見守るためだ。実際には居ないけど、バーチャルとでも言うかな」
「…今の、お店は」
「うん、あそこに入る旅人は全部奴等の餌食になるんだ」
「じゃあ、私はやっぱり…あの人達を殺したの?」
「それが現実。やらなきゃ、彼等に食い殺されてたよ」
「…そうだよね」
「立ち止まってる暇はないよ。彼等を救いたいんだろ?」
「うん…」
こうして私はまた一歩一歩、歩き出した
「…そういえば蘇生」
「ん?」
「私、さっきから変な物見えるんだけど」
「変な物って?」
「…、なんだろう。幽霊…的な」
「それは霊魂の能力だよ。気にしなくておっけー、僕も見えるし」
「そんな事言われても…」
「それはそうと。お魚とか取って食べないと死んじゃうぞー」
「え、でも私魚取った事ないし」
「この尖った木で取ればいいじゃない」
「そんな物で取れるわけないでしょ!」
「いいから、いいから。物は試し!」
「…無駄だと思うけど」
私は川へ辿り着いた。言われるがままに魚を木で刺す…が
「あっ、おしい…かすった」
「ふふ、封印した能力をちゃんとわかってあげなきゃダメでしょー、封印さん」
「えっ」
鱗だけ剥げた、魚。
だが浮かんできた…、死んだ状態で
「もしかして…殺傷」
「うん。少しでも傷つけれる物があれば、殺傷は発動する。だから押しピンもありだよー」
「…そうなんだ」
私は改めて、殺傷の怖さをしる
「とりあえずその魚取って、焼こうよ。火は自分で起こしてね」
「…マッチがあるから大丈夫」
「おぉ、準備いいな封印さん!」
「犬さんには悪いけど、取ってきたの…、生き残るためよ」
「うん、その考えは間違いじゃない」
するとまたも、効果が発動した
魚が2匹に増えたのだ
「増減、ね。火が消えないように石、集めなきゃ」
もう大分慣れてきた
石集めは石化を使えばいいのよね
でも…何だか心の底では悲しい
何故、だろう
こうして、私は寝た
次の日
私は橋を渡り、歩き続ける
すると、向こう側から変な生物が私を狙って現れる
「近づかないで。近づいたら…あなた達死ぬよ」
昔の私じゃあ、まったく出るはずの無い言葉
今ではこんな一人前の言葉が出るようになったんだ
私はどうしても、そんな自分が許せなかった
こんな軽がる…殺す事が出来るなんて
私も徐々に殺人鬼化としているのかもしれない
そう思うと怖かった
蘇生は、それを軽々口に出す
「ひゅー、封印さん。慣れてきたって感じだねぇ」
「…うん」
途中、崖があった。向こう岸に渡るには、木を倒して橋を掛けるしかない
私は崩壊の力で木を三本倒し、足を滑らせて落ちないよう二本の木は石化させ手すりを立てた
これが、本当に私の力なのだろうか
うぅん、みんなの力を吸収してここまで強くなったんだ
「封印さん、やっぱり神にしてはこれくらい楽勝じゃない?」
「…蘇生。…私、自分で自分が怖い」
「…そうだね。封印のオルフェリトとして生まれてくる人は、何人もそんな事言ってた」
「…でも、今は悩んでられないのよね」
「うん…」
そしていろんな罠をくぐり辿り着いた。
頂上、一輪の…花
「よくやったね、封印さん」
「…」
そして一輪の花を摘み取り、ワープの魔方陣が起動した
――元の場所へ帰ってきた
すると蘇生
「おめでとう、封印さん!これで貴方も立派な…神様だよ」
「…」
「さ、約束通り彼等を蘇生させてあげるけど」
「まだ、何か用?」
「魔術師君の本当の名、知りたい?」
あの時のルインと同じ事言ってる…
知りたいよ、でも…
――寮の全てを見るのが怖い
ルインも言ってた。…名を知ると、嫌いになるかもよ…と
「どうなの、封印さん。彼を蘇生させたら二度と見れないよ?…だって、彼とどんな関係になろうと…教えたくない秘密は秘密だもんね」
「…私」
――知りたい
「教えて、ください」
「うん、わかった。彼の名前はねぇ」
私は思わず息を呑んだ
「無いんだ」
その一言に…私は驚いた
「彼の名前はね、無いんだよ」
「…、え…?」
「…春伊寮なんて名前ももちろん偽名だけど、本当の名前すら無いんだよ」
どういう、事…?
寮に名前が無い…なんて
そんな事って…
続く




