04
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トシから了承も貰ったことで、俺と愛璃、そしてトシは情報交換の席についていた。
トシと一緒にいた連中ははっきり言って邪魔なため、トシに説得してもらい席を外してもらっている。もちろん、こちらもその等価交換として弓弦やヒロに情報交換をすると伝えたものの、相席は出来ないと伝えてある。
「じゃぁ、情報交換と行こうか――」
その言葉と共に、あたりが静まり返った。
「……相変わらず威圧感がすげぇなおい…」
一筋の冷や汗を額に垂らしながら、トシが戦慄の言葉を漏らす。
「……これが…ふぅ…」
愛璃は少し肩を震わせた。
「こちらのカードは1枚しかない。が、相当でかいカードだ。それなりの情報は貰うよ」
俺はトシの瞳を瞬きをせず凝める。
トシは覚悟を決めたというふうに、一度大きく深呼吸をする。
「俺のカードは複数だが…それほどでかいカードじゃない…ふぅ坊のそのカードとこちらの全カードでどうだ?」
「オーケー、妥当な線だ」
さぁ、ここからが本番だ――
「まず、お前の情報を一つ教えろ。こちらは一枚しかない、当然だと思うが、異論はないな?」
「ああ、それじゃ一枚目だ。これは戦闘についての情報で、結構需要はあると思う。まず、Mobだが見た目はかなりグロテスクかつ、怖い。その辺のネトゲヲタク何かじゃ、Mobを目の当たりにした瞬間、逃げ出すだろうさ。次にMobの攻撃について。これはLSのゲーム内同様のスキルを使ってくるか、肉弾戦だけで新たな技を使えたりするわけじゃあないんだが……相手は生きたMobだ。当然こちらの攻撃を避けやがる。一応言っとくが、気をつけろ。次にこちらが攻撃をくらった場合だが、これは最悪なことに血は出るし痛みもある。はっきり言ってこの条件だけで街に出るユーザーがかなり少なくなるだろう。また、戦闘中にはHPとMPが目視できる。大体左斜め上辺りを見れば、視認できるはずだ。Mobにこちらの攻撃が当たった場合だが、もちろんのことMobも血を流したり痛みを感じたりするらしい。MobのHPとMPはMobの頭上に表示される。最後に、こちらの攻撃に関してだ。これは俺達の体感だが、攻撃力、スピード、全てに関してステータス依存性だと思う。まあこれはお前らも気づいてるだろう。次だ。スキルはそのスキルの名称を唱えると行使できた。例えば盗賊系援助スキル【加速】を使う場合「ヘイスト」と言葉にすればそれでスキルが発動される。攻撃スキルも例外じゃなかった。唯、通常攻撃にはステータス以外の補助はなかったから、これは個人の運動神経、また反射神経が頼りになる。……っとまあざっとこんな感じだ」
長い説明をしたからか、トシが脱力し大きな溜息を付く。
この情報から得られたものは、今後の攻略、また生活にかなり必要なものだ。ステータス依存性が高いことは代々予想がついていたが、スキルの件については嬉しい誤算だ。
俺の予想では、スキルは初動モーションをそのスキルと一致させないと発動しないものと思っていた。だが、実際は言葉でそのスキル名称を唱えるだけでいいらしい。
自分が攻撃をくらった場合、痛みを感じたり腕を切断されたり潰されたりするらしいが、それはヒールなどの回復スキルで瞬時に回復するらしいし、死んだ場合も復活呪文で生き返らせることが出来るらしいので、死ぬ危険性はないみたいだ。
いや、誰にも気づかれない場所で死んだら、そのまま死ぬだろうし、パーティー行動が推薦されてるってことか。
さて、次は俺の番だな。
「俺からの情報はウィンドウについてだ。初めに聞くが、ウィンドウの事は知っているか?」
「いんや、知らねぇな」
「それじゃ、等価交換は正式に成立された。このウィンドウについての説明は、簡単だからすぐ終わる。取り敢えず俺を見とけ」
腕を振り下ろす。
甲高い効果音とともに、俺の前にウィンドウが現れた。
「これがウィンドウ。アイテム、ステータス、装備、スキル、エトセトラ。簡単に言うと、ゲーム内でできた事がほぼこれで出来るようになる。左下の方には時刻が表示されるし、右下には自分が所持している通貨も表示される。まあメインメニューウィンドウっていったところか?因みに掲示板、ってあるがそこではスレを立てたり出来るらしい。まあ気になることがあったら、オプションをクリックしてその中にあるヘルプで調べてみれば大抵のことはわかると思う。攻撃スキルの使用方法とかそんなのはなかったがな……日常に必要な情報はあるって感じかな」
これで、俺の説明は終わりだ。
トシは始終真剣な表情で俺の説明を聞いていた。それもそのはず、俺達は昨日この世界、つまりはLSの中に来たわけで、圧倒的にこの世界の情報量が少ない。もちろんスキルやその他もろもろ、LSのゲームをやっていた時に覚えた情報などはあるが、この世界はゲームじゃない。痛みも感じれば、運が悪ければ死に至る。その為、ゲーム内で覚えた情報などではまだまだ足りないのだ。
「……そうか、これがメインメニューウィンドウ……確かに、馬鹿でかいカードだなこりゃあ」
「だろ。まあこれの出し方を知ったのは唯の偶然だったんだがな」
「ははっ、まあ偶然にしてもすげぇと思うよ。で、だ。悪いんだが俺が出せる後複数の情報は日常系関連なんだわ。つまりヘルプで調べさえすれば手に入る情報…って事なんだが…どうしようか…」
しまったな、初めに俺が日常系は無しだと言っていればこうはならなかっただろうが……まあ、ない事には仕方がない。
「っま、それはしょうがないさ。今度何かしらの情報がわかったら教えてくれればいい」
「わりぃな」
――これにて、情報交換は一時終了する。
「……ふぁ」
愛璃が息を吐く。
「どうした?」
「ふぅ、威圧感が凄すぎ。これじゃあ相手は偽情報なんて出せないね」
「その為の威圧だからな」
「まあ、そうなんだけど」と愛璃は呟きながら先を促した。
「んでトシ。お前はこれからどうするつもりだ?」
「……決まってんだろ。この世界に閉じ込められた、全ユーザーを救う」
「簡単に言うが、簡単なことじゃねぇぞ」
「簡単だって?んなわきゃねぇだろ。覚悟の元、俺はそう決めたんだ。仲間達も納得してくれてる。それに、これは俺の使命でもあるんだ、救わない、なんて選択肢はない」
トシの真面目な目線に、俺は無の目線を向ける。
「使命、だって?」
「俺はさ、俺がこの世界に閉じ込められたのは、他のユーザー達を救うためだと思ってる。理由なんて、聞かなくてもわかってるだろ?俺は困ってる人は助けないと気がすまないし、”悪”を見逃すなんてことも出来ない正確なんだよ。だから、全ユーザーを救うことがそんな俺の使命なんだ」
「へぇ、ま、好きにすればいいさ。言っとくが俺は自分の好きなように行動するぜ」
「それもまた、お前の使命なんじゃねぇか?」
俺の目線は、さらに冷たいものへと変わっていく。
「使命、ねぇ。まあそういうことでいいさ。それじゃ、今回の情報交換の席はこれにて解散だ。一応フレンド同士だからメールや通話も出来るらしいし、頼りたい時には頼ってこいよ」
「おう、そんじゃまた今度な」
そう言って、トシは去っていく。
その後ろ姿を見ながら、愛璃が呟く。
「なんだ、唯の偽善者か」
「へぇ、愛璃も俺と同じくちか」
「そうみたいだね」
愛璃は嗤い、俺は冷めた目線をトシの後ろ姿に向ける。
あいつは本当に偽善者だ。
唯、自分が自己満足しているだけだと気付かない、馬鹿だ。
俺が冷めた目線を向けていたことにも気づかない、鈍感野郎だ。
「でも、嫌いになれない?」
「まぁな。偽善者って言うのは、基本良い奴なんだよ。それに比べて俺は、偽善者でもない唯の現実を見ている小童なんだよ」
「小童……ねぇ。なら私は若造になるのかな?」
「ははっ、上手いな」
トシ、お前のその偽善は、確かに人を救うかもしれない。
でもそれは、お前の唯の自己満足なんだ。
時に人は、自分の力で自分を救わなければならないんだ。
まあ、お前にはわからないだろうけどな。
「でさ、ふぅ。何であの人のパーティーは全員女性だったの?」
「見ててわかったろ……唯のあいつのハーレムだ」
「……所謂勇者ステータスって事ですか」
「まあ、それが今の彼奴をつくったんだろうな……彼奴は、あの勇者ステータスで何でも自分にとって得になるように事を運べる。本当、羨ましいよ」
「そうは見えないけどね。ふぅは………如何にも闇勇者ステータスもってそうだよね」
「…言えてんな」
俺と愛璃は、笑う。
そして、
「「これが愛璃の本質か」」
ようやく愛璃の事をしれたような気がした。
時刻は正午。情報交換を終え、暇つぶしにと辺りをぶらぶら歩き回っていた俺と愛璃だが、特になんの情報も掴めず時間を浪費していた。
そこで、思いついたのは一度フィールドに出てMobと戦闘してみようということだった。Mobとの戦闘は一度経験しておかないと、行き成り襲われたりした場合、対処しきれないからだ。それに、この世界でMobに攻撃されると痛みを感じるらしいが、それがどの程度感じるのか、そして自分たちの通常攻撃がどの程度通用するのかを試しておくのも悪くないと思った。
取り敢えずメインメニューウィンドウ(以後ウィンドウ)を開き、フレンド欄にあった弓弦とヒロにメールを一斉送信し、出口ポータル付近で待ち合わせることにした。
「生身での戦闘……ちょっとワクワクしてきたかも」
「…私も」
俺のつぶやきに愛璃が反応する。
生身での戦闘。
今まで喧嘩をしたことは何度かあるが、Mobとの戦闘なんてしたがあるはずもなく、当然初めてだ。人間、初めてのことには大抵心が動く。それが今回、ワクワクと言った心の動きになったわけだが……自分でもちょっと危機感が薄いと思った。
「適度に緊張は保っとかないとな」
「それもそうだね」
一言確認し、出口ポータル付近で待つ翡翠たちの元へと歩みを勧めた。
出口ポータルの真正面に、既に翡翠たちは居た。
お互いに手を触り合い、距離を縮める。
「うっす、何か情報は得られたか?」
「ん、まぁ一応ってとこか」
弓弦が肯定する。
「まあそれは夜にでも聞かせて貰うよ。俺らが得た情報も話さないといけないしな。んじゃ行こ……と、武装してねぇと次フィールドとんだ瞬間殺されるとこだった」
危うく装備なしでMob出現フィールドにとぶところだった。
ウィンドウを開き、手持ち装備を装備していく。
と、そこで、
「そういや、俺たち互のスキル構成知らないよな……知っといたほうがいいんじゃね?」
弓弦の言葉を暫し考える。
LSをPCゲームとしてプレイしていた時は、人のスキルを聞いたりするのはマナー違反だったが、今状況は違う。どちらかといえば、パーティーメンバーのスキル構成は知っていたほうが安全であるし、また信頼も大きくなる。
「そうだな、俺も賛成だ」
ヒロが賛成した。
「私はふぅに任せるよ」
愛璃、俺に丸投げするなよ。
「俺は……賛成だな。よし、一端お互いのスキル構成を見せ合うか。嬉しいことにウィンドウは可視モードにも出来るらしいしな」
そう言って、俺はウィンドウを開き可視モードへ変更する。3人もウィンドウを開き、可視モードにした。
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キャラクター名:q翡翠p
職業:忍者
レベル:171
最大HP:15077
最大MP:12803
攻撃スキル
【フィフススロー】:同時に5枚の手裏剣を投擲することができる。
【起爆クナイ】:起爆札の付いたクナイを投擲することができる。投擲から3秒後、起爆札は起爆する。
【暗殺】:敵に大ダメージを与えると共に、属性抵抗力を大幅に減少させる。同じフィールドでは一度しか使用できない。日付が変わると、また同じフィールドでも使用可能。
【エイトキリング】:敵に8?の大ダメーぞを与える。
【一閃】:敵をすり抜けるように攻撃する。ダメージは中。
援助スキル
【フラッシュジャンプ】:空中でジャンプすることができる。魔法の効果が加わり飛距離が伸びる。
【加速】:パーティーメンバーのAGIを大幅に上昇させる。
【影分身】:自身の影が自身と同じ攻撃をする。
【隠れ術】:一定時間、敵に感知されず、攻撃されてもダメージを受けないようになる。但し、使用者も攻撃ができないようになる。
【変わり身】:バフ効果。スキルレベル上昇と共に回避率が上がる。スキルレベルMAX:回避率40%
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「うん、稀少職業ってチートだよね」
「わりぃかよ」
ついつい言葉に出してしまった。
いや、どう見てもこれはチートだろう。
「その分見てみろ、HPとMPが異様に低いだろ?しかも防御力も低いと来た。そう考えると別段チートではないと思えないか?」
「それもそうだな」
ヒロが弓弦の説明を肯定する。
確かに、一理あるかもしれないと思った。
因みに、LSの最大レベルは250でスキルは、攻撃、援助共に5つずつしかセットすることは出来ない。レベルを上げていくにつれてどんどんスキルは入手出来るため、【控え】と言うセットしていないスキルを保管する場所もあり、実質臨機応変にスキルは変更することが可能だ。
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キャラクター名:HERO斗
職業:聖騎士
レベル:177
最大HP:55837
最大MP:32276
攻撃スキル
【グングニル】:無数の槍を異界から出現させ、敵を貫く。
【ブラスト】:敵の属性に合わせて、属性攻撃を放つ。
【グングニル・ラスト】:異界から槍を呼び寄せ、巨大化、その後敵の頭上から巨大化ヤリを落下させ貫く。
空きスキル:2
補助スキル
【アイアンアーマー】:パーティーメンバーの防御力を底上げする。
【ブレスト】:パーティーメンバーの攻撃力を底上げする。
【聖騎士の誇り】:攻撃力上昇。スキルレベルMAX:素攻撃力+100%
【ヒーローインテンション】:各属性耐性超上昇。
空きスキル:1
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「へぇ、ヒロは空きスキルつくってるんだ」
「いや、聖騎士は元のステが高い代わりにスキルが少ないんだよ。レベルMAXになれば全部埋まるとは思うんだけどね」
「なるほどね。確かにHPが聖魔の次くらいに高いもん」
俺の言葉に対し、ヒロが説明しそれに愛璃が納得する。
「聖騎士TUEEEEEEE!」
弓弦が叫び声を上げていた。
「無視だ無視、次いこ」
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キャラクター名:愛璃彡
職業:聖魔
レベル:198
最大HP:82945
最大MP:120098
攻撃スキル
【ジャッジメント】:広範囲大規模魔法。
【エンジェルレイ】:近距離魔法。ダメージを与えた敵を高確率でスタンさせる。
【ヒール】:任意の相手に発動可能。HPを回復させることができ、アンデット系Mobには大ダメージを与えることができる。
【サモンエンジェル】:神の遣いである天使を召喚し、共に戦うことができる。天使の攻撃力は自身のINTが影響する。
【ヒーリング・エリア】:一定時間、HPを回復することができるエリアをつくりだす。アンデット系Mobがエリア内にいると大ダメージを常時与えることができる。
援助スキル
【ブレス】:パーティーメンバーの基本ステータス、最大HP、最大MPを大幅に上昇させる。スキルレベルMAX:ステータス+30最大HP+15%最大MP+15%
【ホーリーシンボル】:パーティーメンバーの収得経験値を50%上昇させる。
【神の加護】:聖属性の効力が2倍になる。また、最大HP+50%上昇させる。
【冒険者】:通常職業を4次転職させた人に送られるスキル。パーティーメンバーのステータスを30%上昇させる。
【リボーン】:パーティーメンバーの死者を復活させることができる。
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「おいおい……冒険者ってなんだよ…最強スキルだろこれ…」
「ん~地道に頑張った恩恵みたいな感じじゃない?冒険職って、かなりレベリング効率悪いし」
「経験値50%上昇とかチートスキルあるけどね」
俺の驚愕に別に凄くはないというふうに返してきた愛璃の揚げ足をとるヒロ。
「聖魔TUEEEEEEEEEEEE!」
「無視だ無視」
俺の言葉に頷く愛璃とヒロであった。
「最後にふぅだね」
「……本当に見るのか?」
「今更なにいってんだよ」
渋る俺に速く見せろと弓弦が急かす。
「後悔しないな?」
「しないよ」
「本当に?」
「大丈夫だよ」
ヒロが肯定し、最終的に愛璃の肯定で覚悟を決める。
さあ、これが俺のスキル構成だ――
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キャラクター名:Furin
職業:勇者
レベル:237
最大HP:132598
最大MP:132598
攻撃スキル
【ファントムスラッシュ】:複数の的に21連撃の斬撃を与える。このスキルは二つの武器を装備しているときに発動できる。
【閃光】:目視できない速さで敵を切り裂く。当たり判定は8?。このスキルは斬撃系武器を装備しているときに発動できる。
【天啓】:敵の頭上から無数の光の矢を射ちだす。弓、もしくはスタッフ系の武器を装備しているとき発動できる。
【インパクト】:圧力で敵を押しつぶす、もしくは弾き飛ばす。このスキルは打撃系武器を装備している時に発動できる。
【メテオ】:敵を一定の位置に固定し、10?の拳打する。10?の拳打全てを受けた敵は、2秒後破裂する。このスキルは無手のときのみ発動することができる。
補助スキル
【全武器マスタリー】:全ての武器の能力を120%に活かせる。
【勇者】:全ステータス50%上昇。
【限定解除】:一体の敵に300回通常攻撃を与えたると発動できる。使用する攻撃すべてのダメージがカンストダメージになる。
【勇者御一行】:パーティーメンバーのHPが一定以下、もしくは状態異常にかかった場合、自身の全ステータス100%上昇。
【属性転換】:自属性を好きな属性に変更できる。属性を変えても職業は変更されないが、唯一闇属性の場合『ダークヒーロー』に職業が変更される。
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「「「………………………」」」
ですよね~……俺だって引くもん。
さて、この放心状態の仲間達をどうやって復活させ、そのあとにMobとの戦闘へ連れて行こうか。試行錯誤する俺であった。
本編を執筆するのは昨日で終わったんだけど……スキル考えるのに丸一日要した(笑)