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LastStory  作者: 咲哉
LastStory:Brave
2/16

01

 2話目投稿です。

 今後は、早くて2日に1話、通常で1週間に1話、遅くてそれ以上になると思いますが、よろしければ応援してやってください!

 俺こと波多瀬はたせふうは所謂ネトゲヲタクだった。

 5年前、正式稼働されたLastStoryでは、正式稼働初日からプレイしている古参のユーザーだ。

 今日は大晦日。と言っても、時刻は深夜1時を過ぎた頃で本当にそう言っていいのかは分からない時間だが。

 俺はPCの画面と向き合っていた。

 もちろん、LastStoryをプレイしているのだ。

 LastStoryは最近のMMORPGと違い、横スクロール型2D仕様ではっきり言うと、かなり見やすいし、やりやすい。それも人気の理由なんだろうが、この横スクロール型2Dの真にいいところはそこではなく、スキルや動きの綺麗さ、派手さ、そしてなんといってもキャラクターの可愛さにある。

 LastStoryに課金という文字はないが、ゲーム内通貨で容姿、髪型の変更、アバターも買うことが出来る。その為、もともと可愛いキャラクター達がさらに可愛くなり、本当もふもふしたくなってくる。

 すまん、話が脱線した。付け加えだが、課金がない代わりに月額通信料がかかる仕様になっているが、その値段も中学生のお小遣い程度で払える値段だ。

 俺は古参と言ったと思うが、その為、かなりのレベルに到達していて通貨もザックザク持っている。もちろん容姿髪型アバター装備何から何まで本気で揃えている。

 今は昔からのフレンドである仲間たちと、最前線…と言うのはおかしいが、今一番レベルの高いフィールドを攻略している最中だった。


q翡翠p:被ダメやべぇwww

Furin:お前賊だからだろww

Furin:俺はそこまで痛くねぇぞwww

HERO斗:俺なんか戦士だから被ダメ1だわwwwww

q翡翠p:今度防御重視の装備買っとこ……

Furin:頑張れ\(*⌒0⌒)♪

HERO斗:ガンバ

愛璃彡:頑張って^^

q翡翠p:ありがと~てめぇら~(´;ω;`)

Furin:おっと…

愛璃彡:次フィールドね

HERO斗:薬足りてっか?

q翡翠p:gm俺足りてねぇわ

HERO斗:ったく…窓開け

q翡翠p:ワリ…ありがと

HERO斗:気にすんな(*´ω`*)

Furin:そっち終わったか?

q翡翠p:おう、終わったぜ

愛璃彡:じゃあ、行こっか

Furin:おうッ(`・ω・´)

q翡翠p:いっちょボコろーぜッ!www

HERO斗:っふ、お前はもう死んでいる……

Furin:

愛璃彡:

q翡翠p:dm

HERO斗:行こっか


 ボスフィールドに飛ぶポータルを使用し――

 ――俺達はボスフィールドへと飛んだ。


Furin:前衛は俺、ヒロ、中堅は翡翠、後衛は愛璃な

HERO斗:集まって、防御と攻撃のバフかけっから

愛璃彡:HSとブレス…ついでにMPガードもかけとこっか…意味あるとは思えないけど

q翡翠p:ヘイストぐらいか?

Furin:わり、俺こういう時に役たたねぇわな

HERO斗:気にすんなって、お前ダメージティーラーなんだからよ

愛璃彡:ふぅが出来ないことは私がやってあげるから、気にしないの

q翡翠p:

HERO斗:

Furin:愛璃ありがと、二人どった?

q翡翠p:鈍感

HERO斗:だな

愛璃彡:はいはい気にしない気にしない

Furin:???

HERO斗:あ?…ってボス湧いた

q翡翠p:あ、んじゃSk○peかけんぞ~

Furin:いっつも思うけど普段から通話しときゃよくね?

q翡翠p:長時間通話すっと俺が重すぎておちんの

Furin:あね

愛璃彡:はいはい、そこまで、いくよ~


 ~♪

 Skypeからグループ通話の発信音が発せられる。俺は迷わず通話をクリックした。


『あ~あ?聞こえる?』

「聞こえてるよ」

『あ、俺翡翠ね』

「わかってるって」

【やっはろ~】

「愛璃やっはろ~」

『おひさ~』

「ヒロこねぇな」

[あ~…聞こえてる?]

「お、きたきた」

【やほ】

『うっす』

[俺最後か…まあいいや、んじゃ俺壁やっから、ふぅ攻撃頼んだ]

「うぃうぃ~」


 画面のキャラクターたちが一気に動く。

 フィールドボス。

 ボスは殆ど動くことは無いが、強力なスキルを連打してくる。その為、壁役と攻撃役、中距離からのタゲ取り役と回復役が必要になってくる。

 早速ボスがスキルを使ってきた。やはり高レベルボスだけはあり、広範囲攻撃スキルだ。俺はスキルを使い回避率を上げているため、回避できたが俺以外は違ったようだ。ヒロは壁役のため防御力が高く100ちょっとのダメージを受けている。だが、翡翠と愛璃はどちらとも1000ちょっとのダメージを受けていた。

 翡翠は盗賊、所謂賊を呼ばれる職業で、短剣を使うものと手裏剣を使うものがオーソドックスだが、稀少職業といって、一定確率で2次職に転職するときに出現する職業があり、翡翠はそれにあたる。

 職業名は忍者。短剣と手裏剣をどちらとも使えるし、さらに暗殺と言うスキルも使える。一応回避力をあげるスキルもあるのだが、今回は運悪く喰らってしまったようだ。

 そんな稀少職業の忍者にもデメリットがある。

 極端に防御力と体力が低いのだ。その為、かなりのダメージを喰らった。

 愛璃は聖魔と呼ばれる職業で、こちらは通常の職業だ。4次職にまで達している為、最大HPやMPはこのメンバーの中でははるかに高いが、聖魔と呼ばれるだけあって魔法使いの系列だ。そのため防御力が低くかなりのダメージをくらった。

 しかし、二人共古参でかなりのレベルに達している。

 4次職など、100万人居るかさえわからないほど高レベルなのだ。

 100万人とか多いだろ、と思うかもしれないが、考えてみて欲しい。LastStoryのユーザーの多さを。全ユーザーを合わせると、軽く1億を超えているのでは無いだろうか?

 日本の人口ぐらい居るじゃないか、そう思うかもしれないが、LastStoryは全世界からプレイすることができるため、そこまで不思議ではないだろう。

 その中の100万人と考えれば、かなり高レベルということがわかって貰えると思う。


 ボスの攻撃スキル一回ごときに回復などしなくていい。ヒロは壁役として、一番前で攻撃している。壁役というが、本当の壁役ではない。ヒロの職業は稀少職業で聖騎士だ。本当は槍での攻撃型職業なのだが、一番防御力が高いため、壁役となっているだけである。

 ヒロが槍スキルを発動する。

 無数の槍がヒロのキャラクターの周りに浮上し、ボスに向かって飛翔していく。ダメージは軽くカンストの3歩手前程度。かなりの高火力だ。

 因みに、カンストは99999999ダメージである。

 後ろで翡翠がスキルを発動した。(因みに俺は通常攻撃を続けている)

 暗殺。

 1フィールド1回限定のスキルだ。

 これは相手の属性抵抗力を下げる効果がある。その為序盤に使うことが多い。ダメージはカンスト。流石1回限定スキルだけはある。

 次にスキルを発動したのは愛璃だった。

 ジャッジメント。

 広範囲高威力スキルだ。1回限定スキルではないが、かなりの量のMPを消費するため連発は出来ない。しかしこのスキルはボスに対して有効なスキルだった。何故なら、ボスにはいくつかダメージポイントがあるからだ。その全てのダメージポイントにあてることが出来れば、かなりの高ダメージになる。

 威力は広範囲高威力スキルだけあって2000万ちょっと、十分すぎるダメージだ。

 その後も3人はボスの広範囲スキルをくらいながらスキルを発動させ、ダメージを与えていく。俺は未だに通常攻撃だけだ。

 ボスのHPが大体半分に達した時、戦闘を始めて初めて声があがった。


【一端さがって、バフかけ直さないと】

[ラスト俺が一発うってタゲ取るから、先に下がって]

「了解」

『あいよ』


 ヒロがスキルを発動させる。

 槍がどんどん巨大化し、やがてボスと同じくらいの大きさになったと思ったらそこで消えた。

 次の瞬間、ボスの頭上から槍が投下され、ボスが気絶状態になる。そこでヒロはライディングと言うスキルを使い、白馬に乗ってこちらに移動してきた。


「最後格好つけなきゃいいのにな」

『思うわ~』

【残念な聖騎士よね】

[…ひどい言われようだな…]

【んじゃ、バフかけ開始~】

[流すなよッ!]

「うし、んじゃ本領発揮といきましょうか」

『お、溜まったん?』

「おう、てかよ、自バフ使うのに通常攻撃300発を一体に与え続けろとか鬼じゃね?」

【鬼畜職業】

「俺がマゾみたいに言うな」

[流されてる…まあいいや、まあボスではかなり有力な技だよな]

『与えるダメージが一定時間全てカンストとか何そのチート』

「だよな、条件が鬼畜だけど」

【まぁまぁ、そろそろ気絶切れるし、いこうか】


 一端話を区切り、先程と同じ定位置にに付く。

 しかし、今回は俺とヒロの位置どりが逆だ。俺の攻撃スキルは近距離専門なのだ。もちろん中距離技もあるが、一発一発の初動が遅いため、近距離のほうがやりやすい。ヒロの場合、全ての攻撃が中距離攻撃にもなるため、さほど関係ないのだ。

 ただ一つの問題は、俺の被ダメ。

 まあこの辺は愛璃がどうにかしてくれるだろう。

 俺は自バフスキルを発動させた。

 一定時間というが、その時間は結構長い。条件がこんな鬼畜なのに短かったらそれもそれで嫌になるのだが。

 一定時間は約30分。

 その間俺の繰り出す攻撃は全てカンストになるのだ。…やはりチートだな。

 ボスの気絶が解けると同時に俺達の攻撃は始まった。

 後ろから手裏剣やら槍やら光の矢やらが次々に飛んでくる。俺はと言うと――

 ――大剣二刀を使い、ド派手なスキルを連発していた。

 二刀流、とはまた違う二刀流。

 片手剣二本を大剣二本に変えただけ…と思うかもしれないが、全然違う。大剣を片手で扱う…それ自体が異常な事で、それを両手で振り回すのだ。意味がわからないと言っても過言ではない。

 ファントムスラッシュ。

 俺がもつ中で一番攻撃回数の多いスキル。そして一番早いスキルだ。

 大剣二刀流の俺だが、色々な職業系列のスキルを使える。まあ色々と事情があるのだがそれはまた今度話すとしよう。

 その為シャドウと言うスキルが使えるのだが…それがまた俺が使うと化物スキルに変わる。

 要は自分の影が、同じスキルを同時に使うのだ。それも攻撃力は変わらずに…だ。

 約3秒、その僅か3秒で21連?をくらわせる。影を入れて42連撃、それがカンスト。チートにも程がある。

 その一撃でボスのHPが4割程度減る。後1割、俺は突進系スキルのブラストを発動させた。二刀をクロスさせながらボスへ突撃する。二刀のためダメージ判定は2回、影も合わせて4回のダメージ。俺のその攻撃が、ボスを爆散させた。アイテムが周りに散らばる。俺達のあいだで、アイテムは話し合って分けると言う決まりがあるため誰がとっても同じだ。全員でアイテムを拾っていく。

 と、そこで事件が起こる。


 ――初めまして

 

 はじめは自分の耳を疑った。それはどう考えても機械的音声だったからだ。今Sky○eで話している3人とは全く別の声がイヤホンを通して俺に聞こえてくる。


『これLSのアナウンスだろ』


 翡翠のその言葉で、納得がいく。


【な~んだ。でも初めてじゃない?システムアナウンスなんて】

[だな、ここのエリアボスを倒したことで起こった現象だから……]

「ここのボスが何らかの分岐点みたいなもんか?」

[それ俺が言おうと思ったこと……]

『取り敢えず聞いとこうぜ』


 翡翠の一言で皆がアナウンスに耳を傾ける。


 ――貴方達の活躍で第一関門が突破されました


 ――よって、此処で分岐点です


 綺麗な機械音声、はやりのボーカロイドより上をいく音声だ。


 ――先へ進みますか?それとも、現状で満足しますか?


「『【[先に進むでしょ]】』」


 ――それでは、第二関門へと移動させます。よろしいですか?


「ちょ、なんで話通じてんの!?」

『……Skypeやってるからマイクを通じて音声がLSに届いたのかも……』

[それ有り得なくないか?…でもま、いいんじゃね?]

「それもそうだな」

【……まあいいんじゃない?】

『取り敢えず返事しようぜ。オーケー』


 ――現在通信中のユーザー47682472名の転移を開始します

 ――それでは、ご健闘をお祈りいたします


 その瞬間、画面の光が一気に強くなる。まるでフラッシュだ。

 全身がその光に包まれたと思った瞬間――

 ――先程までボスと戦闘していたフィールドに、俺は居た。

12/08改稿

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