ひとりぽっち。
あれから全然平井君と話していない。
平井君は私を避けているようだった。
それに・・・・
やっちゃんまで私を避けている。
いつもなら「真央、おっはよー!!」って言って明るい声で私に話し掛けてくれるのに・・・。
何でかわからない。
私はきっと周りの人の気持ちを考えれていないんだ。
だから親しい友達が少ないんだよ。
やっちゃんも平井君も私に愛想を尽かしたんだ・・・。
私は好きな人も大切な親友も失ってしまうの―――?
そんなの嫌だ。絶対に嫌だ。
「やっちゃん・・・。」
私は勇気を出して話し掛けた。
「・・・・何?」
やっちゃんの冷たい声が私の耳に響く。
「ごめんなさい・・・。」
「・・・何が?」
「やっちゃんに嫌な思いさせっちゃったみたいだから・・」
「・・・真央は何もしてないよ。ただ・・・」
ただ?!
「・・・ううん。じゃあ悪いけどうち職員室行くから。」
やっちゃんは逃げるように去っていった。
私何もしてないんだよね?じゃあ何で冷たい態度とるの?
もう私のこと嫌いになっちゃったの?
滲んできた涙を精一杯止めようとする。
でも逆に涙は外へ出ようとしてきた。
キーンコーンカーンコーン...
私は授業を初めてサボり、屋上へと走った。
ポケットから携帯を取り出す。
カサッ
取り出すと同時にポケットから紙が落ちた。
”『・・・・yuji@docomo.ne.jp』いつでもメールして。”
!!あの時の・・・
涙が止まらない。でもこのままじゃ嫌だ。
私はメールじゃなく電話をかけることにした。
震える指でボタンを押す。
プルルル...プルルル...
授業中だからきっと出ないだろう。
「留守番電話サービスに接続します.....」
ピ―――ッ
「も、もしもし・・真央です。あのっ・・・私・・・ごめんなさい。何で平井君が怒ってるのかわからなくて・・・ごめんなさい。でも・・私、平井君と別れるなんて嫌だよ。私・・悪いところ直すから・・直すから・・だから・・・・だから離れていかないでっ・・・!!!」
ピ―――。
これが私の精一杯だった。泣きながら必死に言葉をつないだ。
私何度でも謝るよ・・・。何度でも、何度でも。
だからこっちを見て。離れて行かないで。
私を一人にしないで・・・。