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消毒。

頬が熱い。

さっきまで平井君と繋いでいた手にまだぬくもりが残ってる。

―――好き。大好き。

 

 気持ちが溢れる。






早速やっちゃんに報告メールをした。



「件名:報告」

「今日、平井君に告白されちゃった〜!!

 すっごく嬉しいよぅ!!幸せすぎてどうしよ〜」




すると、電話の着信音が鳴った。


「もしもし」


「もしもし?このやろ〜!よかったね、おめでと★☆.。:*・」

「へへっ。ありがとっ!」


「それにしても平井告るの遅いよ!!」


「え!?何で??」


「だってうち実は結構前から平井から相談受けてたもん。

 で?どんな感じで告られたの??」






私は今日あった事を全部話した。

やっちゃんは「良かったね」と何回も言ってくれた。







――――早く明日になってほしい。

さっきまで一緒にいたのにもうこんなに会いたくなる。


これを恋っていうんだね。




平井君にメールしてみようかな・・・・・・・・


・・・!!そういえばアド聞いてなかった;バカだァ;;




♪〜〜♪〜〜♪〜〜


電話だ!


「非通知」



―――誰だろ?



「もしもし?」


「あっ・・・俺。」


「えっ!何で知ってるの?!」


「あぁ、保田に聞いたんだ。」


「そっかぁ。どうしたの?」


「・・・紺野の声が聞きたくなったんだ。」


「・・・そんなこと・・・。」


「俺さ、彼女できたの初めてなんだ。だから・・・うまく付き合えないかもしれないけど・・・絶対お前を大切にするから!」



「うん・・・。」


「明日一緒に学校行こうな。橋ん所で待ってるから。」


「うん!じゃあまた明日ね。」


「おぅ。おやすみ。」


ガチャンッ。





その夜、私は幸せをかみしめながら寝た。









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「きゃーー遅れちゃう!」



――――幸せをかみしめすぎた;;

せっかく今日から平井君と学校に行けるのにぃ!!



私は急いで支度をし、待ち合わせ場所に走った。






「紺野ーーー!!」


「ごめんなさい!ちょっと寝坊しちゃって・・・;」


「あっ、髪ハネてる・・・・」


サラッ




その瞬間平井君は私にキスした。

私は照れくさくて下を向いた。

ドキドキして上手く喋れなかった。



―――こんなにドキドキしてるの私だけなのかな?

なんかくやしいから、平井君にはドキドキしてることがバレませんように・・・







「じゃあ、帰りに。」


と言って、平井君は私に紙を渡した。



―――なんだろ?



”『・・・・yuji@docomo.ne.jp』いつでもメールして。”




―――なんでわかったの?!私が聞きたかったこと・・・。

もうっっずるいよ・・・・。嬉しすぎて、好きすぎてくやしい・・・・・。










「To:平井君」


「件名:紺野です」

「今日は部活がないから、図書館で待ってるね。」


――送信。よしっと。・・・でも初メールがこんな短いってどうなんだろ?しかもこんな内容・・・。やっぱりちゃんとした事送ればよかったよぅ・・・。











「紺野さんっ!」


「ん?沢村君?どうしたの?」


「平井と付き合ってるって本当?!」


「えっ・・・うん。そんな大声で言わないでよ。ここ図書館・・・・・・」




なぜか目の前に沢村君の顔があって、

そして、なぜか私の唇には沢村君の・・・・・・・




「いやっ!」


ドンッ





「俺の方が平井よりお前の事が好きなのに・・!!くそっっ!!」


私を逃がさないようにし、無理矢理キスしてきた。



そして、それは首筋へと・・・・・



「いやっ!やめて!」


「平井になんか渡してたまるかっ!」



「いやーー!!」









「おいっ!!ふざけんなよテメー!!!!」



  ガッ!!!


「いっ・・・てぇ」


「俺の彼女に手ぇ出すな!」


「ちっ、何が俺の彼女だ!お前なんかにぜってぇ渡さねぇからな!このままで終わらせねぇぞ。」


そう言って沢村君は出て行った。










「ひっく・・・・・ひっく・・・・ひっ」


「大丈夫か?立てる?」




平井君に引っ張られて、保健室へ行った。



平井君は誰もいないことを確認すると、





「何で1人でいたんだよ!」



と、突然怒って言った。




「だって・・・」


「お前を狙ってる奴は沢山いるんだぞ!?もうちょっと気を付けろよ!」




私は何も言えなかった。そのかわり涙が止まらない。


まさかこんなに怒られるなんて・・・・





しばらく2人とも黙っていた。

そして、平井君が沈黙を破った。




「・・・・ごめん。お前は悪くないのに・・・。あいつがお前にした事にすげー腹が立って・・・。お前に八つ当たりするなんて最低だ・・・。ごめん。」


「平井君・・・」



初めて私から平井君を抱きしめ、キスをした。

平井君はビックリして私を見ていた。




「・・・消毒。これでもう消えたよ。」


私はそう言って笑って見せた。






「・・・あと、どこ?消毒してやるよ・・・」


「えっ?!」



優しく君の感触が私の首筋をつたう。


「あっっ・・・・・んっ・・・」







「消毒できた?」


平井君はいたずらっぽい顔で私に聞いた。



「紺野がエロい声出すからもう少しで押し倒すところだった…」


「平井君のえっち・・・・。」


「はは。よし!じゃあ帰るか。」


                         「・・・好き。」


「え?!」


「大好き。」


私は想いが伝わるように真面目な顔して言った。


「・・・・・何でそんなこと今・・・。そんなこと言うなよ・・。これ以上惑わすなよ。・・・・止まらなくなる。」


ドキッ


真剣な眼差しで平井君は私を見た。




平井君はすぐ目をそらすと、


「帰るぞ。」


と言った。


「うん・・・。」



――――私は平井君ならいいと思った。

けど、私はあいまいな知識しか知らないし、いざそうなったら怖いかもしれない・・・。

・・・でもやっぱりもっともっと君に近づきたい・・・・





「おいっ!?聞いてる?」


「えっ?!あっ・・・うん。」


「本当かよ・・・。」


「あっ・・・家に着いちゃった・・・。」


「あのさ、下の名前で呼んでいいか・・・?」


「・・・うん。真央で。」


「真央・・・・・。」


「あはは!そんなに照れなくても・・・」


「名前は?」


「え?」


「俺の」


「ゆ・・・勇次・・・・くん。」


「真央の方が照れてんじゃん!!呼び捨てで良いよ。」


「勇次・・・・・・くん。」


「あははは!真央ってかなりの恥ずかしがり屋だな。」


「んもぅっ!!」


「じゃ、また明日な。」


「うん、また明日。」





――――今日はもっともっと君に近づけた気がするよ。


「大好きだよ。」


君の後姿を見ながらつぶやいた。




夜空で輝く2つの星が私と君のように見えた。


この先に何が待ち構えてるかなんて知らずに、君を想いながらただ星を見ていた。


――――なんの不安もなく。























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