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日本社会のノイズに絶望した最強AIエンジニア(62)、俺を「マスター」と慕う天才美少女たちと静かな理想国家を建国する  作者: 春凪一


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10.2.政府の悪手

10.2.政府の悪手


日本政府のやり方は、幼稚で、そして、あまりにも露骨だった。


野迫川村へと続く唯一の道。それを何の前触れもなく、完全に封鎖したのだ。


食料も、物資も、人の出入りも、一切を断つ。この陸の孤島を力で干上がらせようという、時代錯誤な作戦だった。


「ひどい……!村のおじいちゃん、おばあちゃんたちは、どうなっちゃうの!?」


「ただでさえお店も少ないのに……。これじゃ生活必需品も買えなくなるじゃない!」


響と燈が悲痛な声を上げる。


時雨もまた、唇を噛みしめていた。


「……これが、わたくしが今まで仕えてきた、国のやり方……。恥ずべき蛮行です」


だが、私と静香は、やはり、動じてはいなかった。


「静香。例のものを稼働させる時が来たようだな」


「はい、マスター。いつでも」


数時間後。村の広場に村人たちが集まっていた。


皆、政府の突然の仕打ちに、不安と怒りの表情を浮かべている。


「どうすりゃええんじゃ……」


「わしらを見殺しにする気か、この国は……」


その、不安に満ちた群衆の前に、私は静かに立った。


「――皆さん。ご心配には及びません」


私が指を鳴らす。


すると、村の広場の地面が静かに、音もなく、左右にスライドし始めた。


現れたのは、地下へと続く巨大なスロープ。そしてその奥から、LEDの青白い光に照らされた、広大な空間が姿を現した。


「こ、これは……!?」


村人たちが息を呑む。


そこは、静香が以前時雨に見せた、地下の完全自律型植物工場だった。瑞々しい野菜や果物、そして、黄金色に実った小麦までが、棚という棚に無限に広がっている。


「我々は、この日のために準備をしてきました。食料はここに有り余るほどあります。むしろ、皆で食べきれないくらいにね。さあ、遠慮なく好きなだけ持っていくといい」


私の言葉に、村人たちは一瞬呆気に取られていたが、やがてその表情が驚きから歓喜へと変わっていった。


「おお……!」


「すげえ……!まるで魔法じゃ!」


政府が仕掛けた、卑劣な兵糧攻め。


それは、我々の前には全くの無力だった。それどころか、我々の圧倒的な技術力と村人たちとの固い絆を、改めて世界に見せつけるための最高の舞台装置へと変わったのだ。


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