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日本社会のノイズに絶望した最強AIエンジニア(62)、俺を「マスター」と慕う天才美少女たちと静かな理想国家を建国する  作者: 春凪一


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9.1.新しい仲間、新しい朝

第九部 静かなる宣戦


9.1.新しい仲間、新しい朝


時雨が本当の笑顔を取り戻した、次の日の朝。


野迫川村の廃校は、いつもと変わらない、穏やかな静寂に包まれていた。だが、その静寂の中には、昨日までとは違う確かな温かみが満ちていた。


「じゃじゃーん!どうかな、時雨ちゃん!Comfyに頼んで、お揃いの制服作ってもらっちゃった!」


響がまるで自分のことのように嬉しそうに、時雨に一着の服を差し出した。それは、響たちが普段来ている、白いブラウスと落ち着いた色合いのチェックスカートを基調とした、シンプルで上品な制服だった。


「わたくしに……ですか?」


「当たり前じゃん!時雨ちゃんはもう、私たちの大事な仲間なんだから!」


時雨は戸惑いながらも、その制服を受け取った。黒いコンバットスーツではない、誰かを傷つけるためではない、ただ、仲間と共にいるための服。その重みが、ずっしりと、しかし心地よく、彼女の腕に伝わった。


理科室では、燈がそわそわしながらも、時雨のために新しいデスクを準備していた。


「べ、別に、あなたのためじゃないんだからね!研究スペースが少し手狭になっただけよ!……でも、その……分からないことがあったらいつでも、聞いてあげなくもないわ」


ツンとした物言いだが、その耳は真っ赤に染まっている。彼女なりの、最大限の歓迎の意であることは、誰の目にも明らかだった。


そして、司令室。


静香は、時雨の前に一枚のIDカードを差し出した。


そこには『春凪共和国 戦略情報室長 時雨』という文字と、はにかむように微笑む彼女の写真が印刷されていた。


「……戦略情報室長?」


「ええ。あなたの能力を、最大限に活かせるポジションですわ。これからは、私と並んで、この共和国の頭脳となっていただく。よろしいですわね、時雨室長?」


静香の、挑発するような、しかし、信頼に満ちた笑みに、時雨は居住まいを正した。


「――はい。霧雨室長。謹んで、お受けいたします」


響の「友情」、燈の「好敵手としての敬意」、そして静香の「対等なパートナーとしての信頼」。


それぞれが、それぞれの形で、時雨の居場所をここに作ろうとしていた。


時雨は、胸の奥から込み上げてくる熱いものを感じながら、新しい制服にそっと袖を通したのだった。


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