表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本社会のノイズに絶望した最強AIエンジニア(62)、俺を「マスター」と慕う天才美少女たちと静かな理想国家を建国する  作者: 春凪一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/55

8.3.キングの『所見』

8.3.キングの『所見』


「……チップ、だと?通信記録には、なかったものだが」


上官が、訝しげに眉をひそめる。


「春凪一、本人から、直接手渡されました。『所見』は、代わりに自分が書いておいた、と」


上官の目が、鋭く光った。


「……面白い。奴め、こちらの存在に気づいた上で、わざと君を泳がせていた、というわけか。いいだろう、再生してみろ」


時雨は、チップをデスクのコンソールに差し込んだ。


すると、目の前のホログラムに、テキストデータが映し出された。


それは、私が書いた、『所見』だった。


【春凪共和国に関する所見報告】


報告者:春凪一(代理)


1.組織の脆弱性について


指導者の論理的欠陥:当組織の指導者である春凪一は、約八百年前の人物(平維盛)の非合理的な願いを、組織の根幹プロトコルに組み込んでいる。

これにより、純粋な論理よりも、定義不能な『慈悲』や『共感』を優先する危険性を常時内包している。


構成員の情緒的脆弱性:霧雨静香、星影燈、天宮響をはじめとする主要メンバーは、いずれも高い能力を持つが、その行動原理は、マスターである春凪一への、極めて個人的で、非論理的な『信頼』と『思慕』の情に強く依存している。

マスターを失った場合、組織は、連鎖的に崩壊する可能性が高い。


外部からの影響に対する脆弱性:当組織は、『純粋な善意』や『見返りを求めない親切』といった、非合理的なアプローチに対して、極めて脆弱である。

現に、潜入したエージェント『梟』は、これらの『攻撃』に対し、有効な防御手段を持たず、心理的な混乱をきたしている。


2.総合評価


以上の脆弱性から、春凪共和国は、軍事的には全く脅威とならない。


彼らは、武器を持たず、他者を傷つけることを知らず、ただ、静けさと、優しさと、小さな信頼だけを信じている、武装していない子供の集団に等しい。


――故に、問う。


貴官は、この『弱さ』を、排除すべき『脅威』と見なすか。


それとも、守るべき『未来』と判断するか。


貴官の答えを、私は待っている。


そして、貴官のエージェントである『時雨』は、もう、その答えを、心の中に持っている。


――所見報告、以上


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ