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チュートリアル(2)



《 チュートリアル修了条件:2.トラップを設置 を始めます 》



 そうだよ。まだ、1個しか終わってないんだった。


 うぅぅ。部屋を1個増やすだけで1日分のエネルギーを使い果たす勢いだったのに。このままのペースだったらチュートリアルが終わる前に干からびてしまいそうだ。


 …………文句を言ってもしょうがないな。やるか。


 意を決したように目の前にでてきたシステムパッドを覗き込んでみると、そこにはトラップ一覧が表示されていた。



《 トラップ 》


《 1.矢の罠 cost:100dp

  2.偽物の宝箱 cost:300dp

  3.落とし穴 cost:300dp

  4.???cost:??? 》


《 所持ポイント:9000dp 》



 3つの中からから選べるのか。

 問題はどのトラップを置くかってところだけど。《 1.矢の罠 》と《 3.落とし穴 》は全然あり。でも、《 2.偽物の宝箱 》は本物がないのに偽物置くのはちょっと気が引けちゃう。


 僕がこのダンジョンに入らないといけないことになったとして、偽物の宝箱しかなかったらやる気ガタ落ちだよ。こんなダンジョン絶対に来ない、って思うね。

 そうなったらダンジョンに来る人がいなくなって。ダンジョン自体が機能しなくなるんじゃないかな。


 自分がやられて嫌なことは相手に対してやらない。


 うん、この精神が大事だ。僕は今までの人生でこの精神を胸に生きてきたから、このダンジョンを攻略する人たちには安心して来てほしいね。


 ……となると、残る選択肢は2つだけ。

 ここは、無難に安い方を選びますか。


 結局、システムパッドの上部に書いてある《 1.矢の罠 》をタップした。

 すると、画面が移り変わって……



 《 どこにトラップを設置しますか? 》



 と、部屋の画像と共にシステムからの問が映し出された。


 部屋の中をタップすると、起爆場所となる小さな正方形と共に矢の射線となる細くて赤い線が表示される。

 おもむろに部屋を広げたときと同様、人差し指と親指を使って起爆範囲を広げてみると正方形が大きくなった。


「ダンジョンでよくあるやつだー。それにしても、これ結構大きくなるな」


 気になってどこまで大きくなるのか調べてみると、部屋の地面をすべて覆うことができた。


「え?どんな方向から来られてもこの部屋に足を踏み入れた瞬間、起爆することができるじゃん!」

 

 限界値はわからないが起爆場所はとてつもなく大きな範囲を設定できることはわかった。


 矢の射線も同様にできるか調べてみると、こちらも広げることができた。ただ、広げるとダンジョンポイントがその分多く取られるみたいだ。


 どのように設置するか悩みながら弄っていると急に画面が変わっていた。



《 発動条件設定 》



 発動条件を自分で決めれるっぽい。ハイテクだな。


 うーん。どうしようかな。

 僕がやられて嫌な発動条件は…………


 そうだ!油断した時を狙えばいいんだ!


 一番油断するのは敵を倒したときだって言うし、このあとモンスターを置けるみたいだから…………



《 発動条件:部屋の中のモンスターが全て倒されたとき 》



 よし、これにしよう。

 自分がされて嫌なことは相手も嫌だろうからね。


 これで《 完了 》っと。

 


《 チュートリアル修了条件:2.トラップを設置 をクリア 》


《 チュートリアル修了条件:3.モンスターを召喚 を始めます 》



 キターー!!


 ダンジョンといえばモンスターだからね。

 今まで、細かな作業ばっかしてたからうんざりしていたけどこういうのだよこういうの。やっぱ、ダンジョンはモンスター居てなんぼだよ。



《 モンスター 》


《 1.ゴブリン cost:1000dp

  2.スライム cost:1000dp

  3.スケルトン cost:1000dp 》


《 所持ポイント:8900dp 》



 げッ!モンスターの値段、結構高いな。部屋とおんなじ価格だぞ。

 これは、こいつらの活躍に期待だな。


 そしてここは、無難に《 1.ゴブリン 》が良いかな。《 2.スライム 》や《 3.スケルトン 》は、性能が尖っていそうだし。

 その点、ゴブリンはファンタジーでも安定の序盤キャラだからね。


 僕は、《 1.ゴブリン 》をタップし《 完了 》する。


 あとは、どこに召喚するか選べるみたいだ。うーん……まあ、最初の部屋にしよう。

 はい、ポチッと……



《 ゴブリン が召喚されます 》



 メッセージが届くと同時に最初の部屋が光り始める。

 僕は急いで通路を通り、最初の部屋に戻る。

 部屋に入る頃には光は収まって、代わりに身長が1mほどのゴブリンが現れていた。


 ゴブリンは淡い黄土色の目をこちらに向け、その場に立ちすくんでいた。肌はくすんだ緑色に、スラリとのびた爪と牙――明らかに人間とは違う。

 

 よく見ると耳が少し長いし歯もギザギザで、身体の肉付きもしっかりしていて強そう。

 人間が生身で生き抜こうとして、その進化した先にある生物みたいな印象だ。


 というか多分、この子僕よりも強いと思うんだけど。


 あれ?ゴブリンってRPGの序盤の経験値要因じゃなかったっけ!?

 なんでこんな強そうなんだよ!なんかもう、雰囲気からして違うんだけど!!

 雰囲気は完全に向こうのほうがダンジョンマスターっぽい。


 おかしくない?もう、僕がダンジョンマスターである必要なくない?サボって良いかな?



《 駄目です 》



 おっと、君喋れるのかよ。


 システムのくせにお母さんみたいなこといいやがって。人間は死んでもお母さんからは逃れられないのか。


 まあ、これにはちょっと驚いたけどなんか転生してるっぽいし、こんぐらいのことは日常茶飯事だろうから覚悟はしていた。でも、それにしては人間っぽくないか!?


 僕はシステムのことを訝しみながらシステムパッドに向けていた目を再びゴブリンに向ける。

 ゴブリンは相変わらずその場にじっとして僕の方を見ていた。


 この子ずっと僕の方見ているな。なにか命令しないといけないのだろうか。


「ジャンプしろ」


 と命令してみると、ゴブリンはコップ1個分ぐらい軽やかに飛び跳ねた。


 おぉぉ!!命令をしっかり守るやつは嫌いじゃないぜ。


「よし、今日からお前の名前はベジタブル1号だ!」

「ぎゃごぉぉぉぉぉ♪」


 よしよし、ベジタブル1号も喜んでるみたいだ。そのうち、お前の仲間も増やしてやるからな。


 ゴブリンは鍛え抜かれた腕を機嫌良さそうに上下に揺らしていた。


 

《 チュートリアル修了条件:3.モンスターを召喚 をクリア 》


《 チュートリアル修了条件:4.ボスモンスターを設定 を始めます 》



 ボスモンスターか……

 これはベジタブル1号で良いんじゃないか。うちのダンジョンにベジタブル1号以外のモンスター居ないし。



《 ゴブリン【個体名:ベジタブル1号】 がボスモンスターに設定されました 》



 よし!後一個だ。

 ようやく、終りが見えてきたぞ。

 結構長い間やってたからなぁ。体感2時間ぐらい経ってる気がする。



《 チュートリアル修了条件:5.ダンジョンコアを設置 を始めます 》


《 ダンジョンコア 》



 画面が移り変わると現在のダンジョンの地図が映し出された。ベジタブル1号は赤い点で表されているようだ。


 ダンジョンコアって壊されたらダメそうな響きだもんね。できるだけ安全なところにしよう。

 安全なところって言っても、うちは二部屋しかないから安全なところなんてほとんどないに等しいんだけど…………


 僕は2つ目の部屋の奥をタップしてダンジョンコアを設置した。



《 チュートリアル修了条件:5.ダンジョンコアを設置 をクリア 》


《 チュートリアル修了条件 をすべてクリア 》


《 チュートリアル を終了します 》


《 各種機能がアンロックされました 》



 よっしゃー。やっと終わったー。


 最初の部屋設定がきつすぎたな。それ以外は結構楽だったけど。


 これで外に出られるけど、外が暗くなっちゃて今から外に出るのは無理そうだな。出るとしても明日かなー。


 各種機能っていうやつもアンロックされたからこれも見てみたい。


 やることが多すぎる。


 …………うん。よし、寝て明日考えよう。今日はチュートリアルをクリアしただけで十分だ。


 2つ目の部屋に移動して、岩の凹凸が少なそうなところに横たわってゆっくりと目を閉じる。


 部屋の奥ではダンジョンコアがほのかに赤い光を放ちながら妖しく宙に浮かんでいた。

 

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