城から抜け出す①
アレクシア王国の4番目の子供。そして三男として生まれたアレスが奴隷の女の子に恋をするお話。
アレクシア王国国王の4番目の子供。三男としてうまれたアレスは毎日を退屈に過ごしていた。
「アレス様。危ないので高いところに上るのはおやめください。」
これは10歳の時にお城の内部にある兵士の仮眠部屋であった。
「アレス様。知らない方とは話してはいけません。」
これは城の庭に迷い込んでしまった子供をどうにかして親の元に返してあげようとしていた時だった。
そう。アレスには自由などなく、日々窮屈な暮らしだった。15歳にもなって親しくしゃべることができる同い年はいない。召使いとして雇った、マリアという身の回りの世話をしてくれる上にしゃべり相手になってくれている。ただ、雇い主と雇われの身としての身分の差をどうしてもかんじてしまう。
王様の子供だからと言って自由が利くと思われるが大違いだ。
まず、無許可の外出は禁止。 手紙を書く相手はいないが、手紙を書くことも禁止。 父との面会も1週間に1回の5分間のみ。 そして、食事も指定したものを食べなければいけない。
「俺は第三王子で王様になれる可能性はないのに何でここまで自由度のない生活を送らないといけないんだろうか。」
と何回も思ったが、国王様の意向を無視することは許されない城に雇われている人たちはこのおきてを絶対にやぶらせようとしなかった。
ある日に非常に気持ちの良い風が吹いた日にアレスは外に出て遊ぼうとした。庭ではなく外に出て。
だが、お城の見回り兵士にみつかり、城の中に戻されてしまった。
アレスは限界だった。
「なんで望んでもいないのに偉い身分の家に生まれてきてしまったんだろう。」
「普通の家族ならもっと自由なんだろうな。」
そう思ったアレスは限界を迎えた日の夜、城の外に出る計画を企てた。
まず地下室から地上にでることをアレスは考えた。自室のドアは一つしかついておらず、そこから正直にでたら城にいる兵士さんなどに見つかってしまって外に出ることはできないだろう。
そして地下室につながる梯子を下りて様子を見てみると階段があった。 登ってみたら地上につながっているが、鉄でできたドアに鍵がかかっていた。
これじゃあ外にでれないな。とおもったがあることを考え出した。
召使いのマリアはあまり権力を持っていないから持っていないだろうけど、お父様の側近のカスレならマスターキーを持っているだろう。
絶対に自分から借りに行くのはばれてしまう。そこでマリアを使う。自室の隣にある倉庫のものをとるという口実を作りマリアに鍵を借りに行ってもらう。そしてマリアには
「この倉庫は王族以外立ち入り禁止だから、マリアに悪いけどそのカギを貸してくれない?俺がとってくるから。」
もちろん嘘である。全然王族以外も入っている。カスレならそのことをわかるだろうが、マリアはまだ雇ってからあまり日がたっていない。
「わかりました。アレス様」
そして案の定マリアはそのことを知らずに鍵を渡してくれた。
しめた!これを地下室の鉄のドアの手前に隠しておいてこれでよし。
「あ、でもこれじゃあ鍵がないのばれてしまうよな」
そしてここでも名案を思い付く。
別のカギをマリアに渡しちゃえばよくね??
そして思い付いたすぐに別の適当な鍵をマリアに渡す。
「マリアー。ごめん。学習の時間だからまだ持っといてくれない?」
学習する時間があってごまかせた。
「承知いたしました。アレス様」
~夜
そして学習の時間が終わった夜の6時にマリアから鍵を返してもらう。
まあこの鍵はよくわかんない使ってないカギだけど
そして。
「マリアにはまた悪いことをお願いするけどお父様に明日の予定を聞いてきてくれないか?」
まぁ、これは毎日やってもらってることだから特に不思議には思われないだろう。
「わかりました。アレス様」
アレスは自室のたくさんある窓のすべてにカーテンを閉じ、地下につながる敵に攻められてきたとき専用の逃げ口をつかい地下に潜った。 そこで少し歩き地上につながる階段を上る。 地上に出る際には鍵が必要だが、昼間の自由時間に隠しおいていた鍵で外に出た。
よし。これでやっと外に出られる!!
次回、王子が城の外に出て、いろいろな人に出会います。