第7話 当たり前とは
[奴隷市場]
奴隷は主従媒体により契約がされるが主従媒体は解除は高等技術であり、基本的には購入する際に主従媒体を使う、そのため奴隷商人はいかに支配するかに腕が試される。
シードルでは既に亜人の話題で持ちきりであった、殆どのものは本気にはせずあくまで一時的なものだと考えていた、亜人奴隷により強く当たるものやバカにする者、僅かだが亜人に憐れみをもつ者もいた、しかしそれはやはり対等ではなく亜人と人類は別として捉えられていた。
「どうしてあの子は首輪がついてるのー?」
街の少女は同い年の獣人の奴隷を指差して悪意なく言った。
父親らしき無精髭の男は言う。
「モンスターと同じだからだよ、彼らは人と違って理性がないからね」
男もまた悪意を持ちながら言っているわけでもない、当たり前のように言うその言葉でリドルは悲しい気分になる、しかしこのような認識を変えるためにもリドルは戦わなければならない、そう思いながらリドルは工場へと戻った。
工場内は以前より暗さは払拭されていた、それはやり遂げたという感覚なのだろうか、少なくとも前よりは皆の表情は少し希望がある、しかしそれは成功したからではない、行動したという事実に良いしれているだけに過ぎないのである。
「ただいま、みんな」
リドルはの言葉に皆が気づき集まり出す。
「すごいよ! 人に示したんだ! 僕らは自由になり権利があるはずなんだ! リドルのおかげでここも明るくなり始めてる! 君はみんなの希望なんだよ!」
キラキラとした目でリドルにいうがリドルは浮かない顔をしていた、リドルは周りを見るがキールとフィリアが来ていないことに困惑する。
「キールとフィリアは?」
目の前の獣人の男に聞くと首を横に振る。
「帰ってません、まあそのうち帰ってくるでしょう」
男は楽観的であったが考えても仕方がない、リドルは男に言われた通りにしばらく待っているとキールが来る。
「よおリドル、遅れた」
「よかった、あとはフィリアだけだ、気長に待とう」
キールはリドルの横に座ると話し始める。
「リドルはこれからどうするんだ? たしかに世間に訴えることはできた、だが次はどうするんだ? 同じようなことを続けてもいいが対策されたらすぐに終わるぞ、より効果的なものはないのか?」
「うーん、まずは人数だよね、たくさんの人でデモなんかを起こせればそれなりに影響力が出るんだろうけど...主従媒体がある以上は奴隷を解放することなんてできない」
リドルは暗い表情になるがキールはリドルの肩を掴む。
「大丈夫だ、今はまだ時間がある、それにみんなもいるんだ、しっかり考えて、最もいい選択を選ぼうぜ」
キールの言葉にリドルは安心したのか少し微笑むと立ち上がる。
「みんなで考えるんだったら俺たち2人で話してる場合じゃないね、さあ行こう」
リドルはキールの手を掴むと引き上げ、皆の元へと向かう。
「ただいまー!」
フィリアがいつも通りの明るい表情で工場内に入り、皆が話し合う中にフィリアも入る。
「何話してんの〜?」
皆が取り囲むように会議をしてるその中央にはテーブルの上にあるシードル全体の地図であった。
「ああ、軍が来にくい場所を探してるんだ、その上でどれほどで到達するのか、その時間のうちに何をするのか、それが重要なんだ」
「城はもちろんダメだ、ある程度離れてるなら大通りがいいけど、ここは巡回の軍兵がいるから少人数だとすぐに制圧されちゃうからなあ...」
皆が頭を抱える中でルイーゼは口を開く。
「じゃあさ、奴隷市場は?」
「奴隷市場か...だがさっきも言ったが主従媒体がある以上は...」
キールは自らの言葉に気づきニヤリと笑う。
「まさかお前...」
「そう、契約する前にさっさと解放しちゃえばいいのよ、まあちょっとは犠牲が出るでしょうけどね」
犠牲という言葉に数人は悩むがほとんどのものは賛成する。
「確かに、ここで人を増やせるのはとても重要だね、もちろん全員解放できるわけがない、護衛はもちろんいるわけだしある程度武器は必要なはずだよ」
「でも人は殺さないんでしょ? 僕たちは平和を望んでいる、なら態度で示すんだよ!」
そうしてリドル達は奴隷市場の襲撃準備を始めることにした。
[軍兵]
シードルの軍兵の基本装備は長銃、拳銃、剣であり、剣は実戦で使うことは少なく、騎士の名残である。
軍兵は国により装備が異なるが、シードルを基準に装備が作られる。