第5話 革命の狼煙は上がる
[銃]
魔力結石により火薬に発火しその爆発力で鉛を飛ばす武器。
長銃は模倣の力により引き金を引いた直後に薬莢内にて詠唱が行われ、即座に銃弾を発射することができる。
「ここはもともと軍需工場なんだよな、フィリア」
「うん、そうだけど...」
フィリアの言葉を聞くとリドルは走り出す。
「どこにいくんだい!」
フィリアがリドルが追いかけるとそこには山積みになった木箱があった。
「臭いで気になってはいたんだ、これは、火薬だね?」
木箱を開けると黒色火薬が姿を現す、リドル達は火薬箱を全て取り出すと話し始める。
「まずは大聖堂の近く、その爆風で一気に上へと飛び上がり、それと同時に人を集める、もちろん準備は必要だけどね」
リドルの言葉にフィリアは手を出す。
「待ってよ、爆風を使ってなんて言うけど調整なんてできない、僕たちは素人なんだよ、間違ったらみんな含めてドカンだよ」
「これを見ろ」
リドルは鍔に出っ張りのある剣を取り出す。
「これは?」
「爆裂剣だよ、爆発の推進力で飛ぶ龍人の武器」
「それは僕たちが使ったら腕ごと吹っ飛ぶよ?」
「それは剣として使ったら、そもそも俺が言いたいのはこれが爆裂剣用の火薬ってことだよ、破壊力は低いけど人を飛ばすには十分な威力がある、そして硬化で防げる程度なら鉄板でもあれば十分飛べる」
「それはちゃんと試したの?」
ルイーゼの言葉にリドルは首を横に振る。
「いくらなんでもリスクが高すぎるでしょ、それ」
「いやまあそうだけど、一番手っ取り早いと言うか...」
リドルは早口になりながらルイーゼに説明しているとルイーゼはため息をつく。
「じゃあ二つに分かれよう、リドルの言ったバカみたいなのと教会内から行く二つに」
「それじゃあだけど、誰が話す?」
「俺が話すよ」
リドルが申し出るがルイーゼが止める。
「あんたは純人と区別がつかない、信用性は下がるし人間に扮する点で言えばあなたは一番重要なの」
ルイーゼの言葉にリドルがしゅんとしているとキールが申し出る。
「俺が行くよ、リスクが高くて行きたくないんなら、俺は犠牲になっても構わない」
「キール...ごめん」
「謝らなくていいよ、リドルは顔でも隠しておきなよ、どこで必要かわからないんだから」
〜大聖堂前〜
聖歌隊の声が外に漏れ出るのを聞き、ルイーゼは深呼吸する。
「分かってるだろうけど殺しは無しね」
「そうだね、僕たちの行動全てが後々に関わってくるからね」
教会内に入るのはルイーゼ、フィリア、キール
外から登るのがリドル、ハルクである。
「銃は持った?」
ルイーゼの言葉に2人は拳銃を取り出す。
「それじゃ...行くよ」
そうして三人は教会へと入る。
キールとフィリアは帽子を深々と被り、聖歌隊が歌う中を歩いて行く、そして席へと座るとしばらく待つ、そして聖歌隊の歌が終わり、次の歌へと進もうとした時、爆発音が外から響く。
教会内は一気に混乱に陥り、人々が一斉に教会を出る、皆が出口へと走り去る中で三人は逆走し、奥の扉を開くと警備員が2人いた。
「君たち、ここは」
ルイーゼは銃を向けると怒気を出す。
「手をあげて!」
警備員2人は両手を上げ、三人は通り抜けるタイミングで首を殴り、気絶させるとそのまま進む、そして階段を登り、観覧席を走り、窓を開けると梯子を掛ける。
「私がここを守るから、2人は先に行って」
ルイーゼの言われた通りにキールとフィリアは梯子を登る。
そうしてが登ると既にリドルとハイクがいた。
「いやあ、なんとかなったよ」
「ここからですよ、キールさん、あなたの言葉で全て決まります」
野次馬が聖堂前に集まる中でリドルは大量の紙を投げ捨てる、そこには[亜人を解放しろ]とそれだけが書かれていた。
煙を横目にキールは息を大きく吸うと口を開く。
「皆様、お騒がせして申し訳ない、私の名はキール、元奴隷の獣人です、私は幾つかの要求をいたします」
野次馬達は未だに黙りはしないがそれは少しずつ静かになっていく。
「まずは奴隷制の撤廃を要求いたします、我々亜人を人として認めてほしい、そのために平等な権利を、私たちは求めます、皆様人間は、心のある優しい人たちです、だからどうか、私たちとの共存の道を作りましょう」
キールの言葉に聞き入るものや、指を指して蔑むもの、聞いていなかったかのように歩き出す者、様々な人達がそこにはいた。
[ジート人]
サライセンダー発祥の亜人
獣人の身体能力を持ち、魔力量はゼロだが魔法を扱える。
外見的特徴は黒髪で獣人のような特殊な部位を持たない