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第4話 対等になるための交渉

[スキル]

天が与えるとされるもの、百年に一度あるかないかと呼ばれるほどに確率は低いがその能力は最強クラス

能力は10歳の誕生日に手に入るとされている

 「なんで俺を呼んだんですか?」

 リドルがフィリアに聞くとフィリアが答える。

 「耳って獣人の象徴みたいなところがあるけどそれがないとただの人間にしか見えないからね」

 「つまり物資を調達しろってこと?」

 「そゆこと!」

 「金はあるんですか?」

 フィリアはポーチから銀貨3枚と銅貨19枚を取り出す。

 「これほどある!」

 「どうやって手に入れたんですか? 仕事だってそんなに...」

 「溝とかに落ちたやつを拾ったりした!」

 「なるほどね、俺さ、一応見て回ってきたんだ、この場所をね」

 リドルの微笑みにフィリアは恥ずかしそうに言う。

 「まあ確かにみんな元気ないけどね...まあ大丈夫だよ! いつかきっと!」

 「いつかって、いつだよ、きっとこのままいても朽ちて行くだけだ、バレる可能性すらある、何も変わらないことを俺は耐えられないよ」

 リドルの言葉にフィリアは俯くが顔を上げると魔力結石と器を取り出す。

 「ウォーター!」

 器に真水が注がれるとリドルの口へ入れ込む。

 「とりあえず水でも飲んで落ち着いて」

 リドルは口に水を含むが味が、飲んでいる感覚がない、大切な人を失い、希望に見えた場所すら既に未来はなかったからだろうか?

 

 「戦わないの?」

 リドルの言葉にフィリアは答える。

 「相手は国どころか、大陸全土だよ、さらには私たちは訓練を受けた軍人でもない、どうやって勝つって言うの?」

 「声を上げるんだ」

 「声?」

 リドルの言葉にフィリアは疑問を抱く。

 「武力で制する必要なんてない、俺たち亜人も、他の人類も皆心があるんだ、殺す必要なんてない、俺は人類の心に賭けてみたい!」

 リドルの言葉にフィリアは心を揺れ動かされるがまた暗い表情へとなる。

 「そんなことしても裏切られたら...」

 「俺は協力するぜ!」

 声の先にいたのはキールであった。

 「確かにリドルの言う理想は現実味がないかもしれない、だけどここに留まって何か変わるわけでもない、だったら俺は賛成するぜ? みんなもそう思うだろう!?」

 キールの言葉は工場内で響くが誰も反応しない、もちろん皆聞いている、皆がキールの言葉を嫌というほど分かっている、だが何故か、そこで応えることはなかった。

 「みんな....」

 キールは周りの暗さに自身も暗くなりそうになると1人の獣人が声を上げる。

 「俺は...俺も一緒に戦う!」

 「...ああ...私もだ!」

 1人の言葉を皮切りに次々と同意するものが現れる。

 「そうだ! 俺たちが自由に生きる権利はあるはずだ! それは亜人達全てのために! 俺たちは戦うぞ!」

 「らしいよ、どうする、フィリア」

 リドルの問いかけにフィリアはため息をすると立ち上がる。

 「いいけど、どうするの? 確かに平和的に解決することができるのならそれが一番だけど」


 「まずは、俺たちを知ってもらう、そのために大衆の前で交渉を行う、それも人が集まり、軍兵が一時的にでも来ない場所、大聖堂だ」

 「大聖堂、確かにあそこは大きいが...すぐに鎮圧されるぞ?」

  キールの言葉にリドルは答える。

 「上だ、屋根の上から行う、それならば少しだが長く続けられる」

 「分かったけどどうやってそこまで行く? 教会の奥にすら行けないかもしれないぞ、外から登るとしても人が多いんだからすぐに通報されて終わりだ」

 「モンスターを街に放すのはどう? しばらく時間は稼げそうだけど」

 フィリアの案を聞きリドルは否定する

 「こっちは戦争を仕掛けるつもりはないし、被害が出たら獣人の信用度が下がるからもっと違うことを考えよう」


 そうして交渉作戦が決行されることとなる。

[精霊]

ある日突然、世界に現れた神と呼べる存在、信仰心を糧とし、その力を再分配することのできる種族。名もない1人のミソッド人が始まりとされ、今ではほぼ全土にて信仰されている。

 模倣の精霊 ミメーシス

 星の精霊  アステール

 空間の精霊 プセマ

 夢の精霊  オニロ

現在ではこの4柱が信仰されている。

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