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第2話 殺人の冤罪

[ミソッド人]

リライプル発祥の純人類

どれをとっても平均的な能力であり魔法を使うことができる

この世界で一番数の多い純人であり、特にリライプルで繁栄している

目の色は赤く、髪の色は黒・茶・金など様々である


 (亜人、更には奴隷の話なんて聞いてくれない、捕まれば俺は問答無用で死刑になる...今は逃げるしかない)

 リドルは小走りで走り続け、人混みもあり、追いかけてくることはなかった、しかし人はリドルが獣人と気づくと距離を取る、リドルは疎外感を感じつつも気にしようとはせずに歩いていると先に軍兵が二人、こちらの方に歩いていた。

 「まだ気づいていないな...」

 リドルは人々を陰にしながら屈みつつ路地裏へと入り込む。

 排気ガスが漂う中でリドルは所持金を確認する。

 ポーチをひっくり返し、手のひらに乗ったのは銀貨2枚、4日ほどは食いつなげるがそれ以上は自らの力で金を稼ぐ必要がある、だが獣人ではまともに金を稼げない、リドルは歩き続け、大通りに出ようとしたその時、手のひらほどの大きさのガラス片を見つける。

 「....やるか?」

 リドルは自らの耳を掴むとガラス片を耳に当て、横に動かす。

 「ぐ......」

 あまりの痛みに声をあげそうになり、リドルを自らの服を噛むと声を出さないように耳を切り続ける。

 痛みに耐えながらリドルは全力で耳を切る、しかし切れ味が悪いせいかなかなか切れない、必死に痛みに耐え、引きちぎるようになんとか自らの耳を切り落とす、今までで初めて感じた刃物の痛み、血が流れ、温かく、とても冷たい。

 「はぁ....はぁ.....」

 あまりの痛みに悶絶しながら涙を流しながらその場に倒れ、患部を必死に抑える、そしてリドルはゆっくりと起き上がるともう片方の耳にガラス片を当てる。

  先ほどの痛みを思い出し、息が荒くなる、痛いと言う言葉がリドルの中に溢れ、それと同時に恐怖を抱きながらも耳に突き刺すと横に動かし、耳をポケットに入れると主従媒体を破壊する。

 リドルは袖を千切り患部に巻くと涙を拭い歩き出す。

 「う...う....」

 そして泥を髪に塗るとそのまま横になる。

 泣いても待ってはくれない、何をすればいいかもわからない、そんな中、辺りも暗くなり、そのまま路地裏で眠りについた。



 「朝...痛った......」

 傷の痛みと共に昨日のことを思い出し、リドルはゆっくりと起き上がると街へ出る。

 

 昨日までとは違い、距離を取られることはない、だが自分だけでありいまだに亜人の奴隷は街に溢れている、土木、店番、工事、護衛、どこにでも当たり前のようにいる、そして待遇も様々である、暴力を受ける者、嫌味を言われ続ける者、優しく対応される者、差別され、物を投げつけられる者、主人によって全てが左右されている、リドルは嫌な気分になりながらも人混みの中を歩く

 

 「すみません」

 きっちりとした黒のスーツ、頬に大きな傷のある、長銃を背負ったいかにも真面目そうなミソッド人、おそらく軍兵がリドルに声をかける

 「コール・グライムス、軍兵です、この辺りで奴隷の獣人が殺人事件を起こしたようで、見かけたりしてないでしょうか?」

 リドルは一瞬だけ焦るがすぐに冷静さを取り戻すと自然に話す。

 「獣人ですか...昨日見たような気がします、人混みの中で」

 「そうですか、それはここら辺ですか?」

 「ええ、そうですね、まあ一瞬だったので見間違いだったかもしれませんが」

 リドルの頭を見て、コールは指を指す。

 「それはどうしたのですか?」

 「ああ...実はモンスターに襲われてしまって、助かりはしたんですがね」

 「失礼ですが御職業は?」

 「そこの工場に勤めています、今から向かうところでした」

 コールはリドルを放すと深々と礼をする。

 「ご協力感謝します、お気をつけて」

 

 リドルは工場へ向かうフリをして、コールがいなくなったタイミングで道を変える。

 「危ないなあ」

 リドルは胸を撫で下ろし安心していると突然人混みの中から手を引かれ、抵抗するまもなく寂れた廃工場へと連れていかれる。人混みを抜けるとそれは全身を覆うマントを被った人であった。

 レオの家とは比べ物にならないほどボロボロのその家でフードを被った者はマントを地面に投げ捨てる。

 「見てたよ...君...獣人だね!?」

 フードを脱いだ先には16〜17歳ほどの兎型の獣人の少女であった、少女は興奮しながらリドルの手を掴む 

 「僕の仲間にならないかい!?」

[獣人]

サライセンダー発祥の亜人

外見的特徴として獣の耳、尾などを持つ

身体能力は高いが魔法を使うことができない

亜人種に属し犬・猫・兎の3種が存在する

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