それは軽トラの乗り心地でした!
※ドクターヘリにて運ぶ事が出来た旦那様は、ラッキーでした。何しろ日々、風が強く吹き、天気がコロコロ変わる、山間部なんですよ。この日は珍しく微風でした。
そして、居住地は当然ながら、医療の過疎地域でございます。
嫁はパイロットさんに説明を受けましたが、ちんぷんかんぷん。全て任せてくださいと言われたので、ハイハイ。よっこいしょと乗り込みました。
シートベルト着用をしてもらい、続いてヘッドホンを装着してもらって……。おおー!すごいわ!ヘリだわ!
怖かったらドア上部の握りを掴んでもいいですよと、お医者さんにも説明を受け。そして、少しばかり落ち着いた様子の旦那様を眺めていると、気づかぬうちに……。
離陸。
す~と上がるので、最初は解らなかったのですが。
ひ~! _| ̄|○ il||li。
高所恐怖症あるある。足元の床が無い感覚!
いかん。ここは意識を別に向けて。とりあえず、周囲の確認を致しました。後部座席の4人がけシートには、お医者さんに救急隊員さん、そして私とベットに寝てる旦那様。
看護師さんは前の座席。
高いところにいる気がする……←当たり前です。ヘリですもの。気がついてはならぬ……。心をシャンともつのだ。
( ゜д゜)ハッ!そうだ!この乗り心地、アレに似てる!
旦那様に嘔吐止めの点滴入れますからね~、高濃度酸素も少し投与しとこうかと、やり取りがヘッドホンから流れてくる中、嫁はヘリの乗り心地に意識を向けることにより、高所恐怖症を、辛うじて克服することに成功!
おそらくその場限りです。
軽トラだ……。ヘリって軽トラの乗り心地と一緒だ。ならば足の下には、道路がある、道路がある、道路がある←暗示。
そして、少しばかり暗示による効果が出たのか、はたまた目の前には救急医療の先生が、それほど旦那様の様子に、付ききっきりでもないので、余裕が出てきた嫁は、斜め前方の窓の外に気がつく。流石に真横の窓を見下ろす事は。
(ヾノ・∀・`)ムリムリ!絶対出来ない!だけど気になるお外。なので視線をそっちに向け、目に入る風景は……。
山の頂き、山の頂き、山の頂き、山の頂き……。しかないやん!←どんだけ山の中に住んでるの!
実!感!
その間に、嘔吐止めが効いたのか、酸素投与が効いたのか。旦那様があれ?ここどこやねん的な感じに目を開けましたよ。焦点がきちんとあっている感じ。
さすがでしてよ。旦那様。気がつくなり早々、嫌いなマスクを左手で外そうとし、絶対、嫌いだろうヘッドホンを、外そうとしてますの!
「あー、マスクを外しちゃだめですよ。ヘッドホンも取らないで下さいね。少し足を動かしますよ」
お医者さんが、即座に阻止!そして点滴が終わると、見つけた時の話をもう一度、嫁から聞きつつ旦那様がヘリの中で少しばかり、動かした右足に気がついて。
「少し触りますよ。膝を伸ばしてみましょうか……、右に麻痺有りですが、痛いみたいですね」
「顔しかめてますねぇ、倒れていたのを見つけた時に、平手打ちをしたら痛い、酷いってな、顔をしたのですよ」
↑正直に話したのよ。お医者さんたちに良きオチですねぇと、何故か笑われましたのよ。
そして、なんと僅か!
12分で!秘境で、脳外科といえば、ここ!の大病院に着陸しましたの!
はっやー!早!速!早い!ハヤイ、疾かった!
何故なら車で道路交通法を守り、走行をすると。
片道、2時間弱程かかりますのよ。往復4時間。実家とは違う方向です。
「良かったですね。ヘリが飛ぶ時間と天候で。救急車だと大変でしたよ」
降りる際に先生からのお言葉。
はい!誠にそのとおりです!酔わなかったの!嫁。
現在、ワンコム中のチワワ様。
彼の定位置なのである。
☆ドクターヘリに家族の同乗は、お医者さんの判断により、決められますー。