よーい・ドンで秘境の家から、出発!
右も左も、山山山!役場(出張所)所在地が在る麓迄、車をかっ飛ばしても、10分はかかる。
もしもー。ここの救急車が出動していたら、山越えして来るのです!運を天に任せて緊急電話!
「はい、消防署です。どうされましたか」
「家に帰ると主人が茶の間で倒れてて、言葉が出ません!」
「直ぐに向かいます!サイレンが聴こえたら、誘導をお願いします!落ち着いて患者さんの今を教えて下さい」
Σ(゜∀゜ノ)ノキャー!良かった!後ろで出動する気配がわかったわ!その後、熱はないかとか、意識はあるかとか、聞かれるので答えて。
熱はね。私が低体温でボヤく前で、体温測定をして、
「ワシは正常や」☜ (↼_↼)
てよくやるから、おおよその平熱を嫁は知っていたのです。病院でも測るしね。その都度、報告してくれてたから。そうこうしているうちに、ピーポーくんはまだ来ないー。
やっぱ遠いー!話が終わったよ!電話を切って、旦那様の様子を見れば……。
まぁ、目を離しても大丈夫そう!
担架を運び入れる様に、玄関をバーン!と、開けっぴろげてこよう!そうしていると……。とおーい山の向こうから響くピーポーくん。
そして我が家は、高台にあるのです。ピーポーくんが来ると、知らぬお人は居ないだろう!なほど目立ちます。
坂の下に降りて(チワワ様、ゲージの中から旦那様を見ててください)、こっちですと誘導をして。
隊員のおっちゃんや、お兄ちゃんが、あれこれやってる間にチワワ様を別部屋に放り込み←ワンワン吠えるから!後は。
マスクだ!←装着!旦那様は隊員さんが装着!
「奥さん」
「はい!」
諸々、手短に聞かれて、
「電話は何処ですか!」
嫁は携帯かと思い慌てたら、固定電話だった!お茶の間にあるのだ。最近、さっはり使うことないけどね。
「ここです」
教えると、嫁は旦那様の保険証を入れているセカンドバッグを、旦那様の愛車に取りに行き、嫁の鞄に詰め込む←同乗する準備ね。すると、固定電話の向こう側とのやり取りが聞こえ……
「ドクターヘリを要請します」
ええ?ドクターヘリ?
どうなるのか、この場合。とりあえずピーポーくんに運ばれる、旦那様に付きそい……。直ぐには出ないのよ。あれこれ準備があるから。
「奥さんも来てください!」
「はい!あ!鞄」←( ゜д゜)ハッ!チワワ様をゲージに戻さないと!
「まだ出ませんから、荷物を持ってきてください」
坂道をダッシュ!してチワワ様をゲージにin。この時も大人しくこっちに来ましたよ。何時もなら逃げ回って大変なのに。
「留守番を頼む!」
「ワンワン」
下りると、隊員さんがドクターヘリとのやり取りの真っ最中。旦那様の現在の容態を報告しているわ!
「〇〇医療センターより、☆☆スタジアムにヘリが向かいます」
あらー。〇〇医療センターって、結婚する前に住んでた街だわ。数年前に、高度救命救急センター出来たと実家から聞いたけどー。
☆☆スタジアムは山を超えた向こうにある、野球グランドです。車で向かって40分くらいかなぁ。嫁に来た頃は、うねうねの峠道を越えてたのですが、トンネルができてねー。
カーブはあるけど、うねうねからは解放されました!こっちからピーポーくんで病院に向かうほうが、身体は楽です!
酔わない!←過去にピーポーくんに、お世話になっている嫁。
で!
ヘリが出動したのと同じくして、ピーポーくんも発進!進行方向に身体を向けとこう!←絶対に、酔うから!
サイレンを鳴らしてー。以前、嫁は喉に爪楊枝の先が刺さってね。ピーポーくんに乗ったのですが、生命の危機ではないので、サイレンはオフでしたが。
道中、車酔いして。すると。
「患者さんが容態急変!」
サイレン鳴ったのよー。急変じゃないのよ、ただの車酔ですと言えなかった!言葉にするとゲロロになりそうで。←何かしら、嫁はやらかしてます。
ピーポーくんは当然、最速!
その間、バイタルデータがドクターヘリへと飛ばされて……。へぇぇ。そうなるのか。
そこでもう一度、あれこれ聞かれて。日中、嫁は仕事に行っていたから、細かい事は不明だけど、昼前には会話ができてたとか、昼ご飯は要らないとか話していたこととか、
糖尿病はあるかとか、←これ、どこでも、何回も聞かれました。
転んだ話を聞いてないかとか、後はコロナワクチン接種の3回目は何日だったとか←問診票、嫁が書いたからバッチリ答えられました。
すると家から20分、半分位。トンネル前に差し掛かった時。
「ドクターヘリ、到着。現在、散水中のためにホバリング」
ええええ!ヘリ君、もう着いた!
ええええ!ピーポーくん負けた!
(だって、車で実家に向かうと片道2時間なんですもの)
グランドにつくと既に着陸をしていた。そこで、先ずはドクターヘリのお医者さんと看護師さんに、嫁はご挨拶。
テキパキと出立の準備が整う間に、同じ質問をもう一度答えて。嫁はここで終わりかなぁ。連絡出来るお方に直ぐに電話入れてください。と言われたので、息子や娘に入れて。
「病院はどこ!」
「あ、まだ、聞いてない。あ。なんか呼ばれたから行くからー。いちど切る」
「こちらから電話入れましょうか」
ハイ、これが息子の……、あ、病院わかりましたよ。あら、次女から折り返しの電話が。なので、病院の名前を教えて、仕事中、携帯を持てない長女に連絡してと頼んで……、すると長男から電話があり……。
「お父さんヘリで病院に向かうから、お母さんをスタジアムに迎えに来てくれる?」
等と、バタバタとやり取りしていたら。
「奥さんも出来れば同乗してください!他に乗れる家族さんはすぐに来られますか?」
エエエエエ!ヘリコプターでしてよ!
さすがでしてよ。旦那様。嫁は高所恐怖症!
へ。……、ヘリって空を飛ぶんですわよね……。
いや、こんな体験はきっと、一生に一度だわ。
「はい、息子がいますが、何分で来れる?……。20分かかります」
「無理です!」
「というわけで、母は今から、ヘリで先に病院に行くから、慌てずにそっちに来てって」
というわけで、ドクターヘリに同乗いたしました。
旦那様は、天下無敵の晴れ男。