蹂躙
詩輝の言葉に、地を割るほどの踏み込みで突進、跳躍するパーサーカーシリーズたち。
それに対して残りの襲撃者たちも魔法を放ち、何とか遠ざけようとする。
しかし、詩輝がロマンを追求して高耐久、高火力、高速戦闘を与えられたオートマタ達は、そのアダマンタイト製の装甲で攻撃をものともせずに接近、その巨岩を楽々粉砕する威力の拳と足をもって次々と襲撃者たちを肉塊へと変えていく。
もともとS-01の奮闘により数を減らしていた襲撃者たちは、過剰ともいえる戦力の投入により、数分で壊滅した。
まあ、本当は詩輝一人だけでも事足りたのだが、作ってから一度も出番がなかったオートマタ達に活躍してもらいたかったのと、少し機動隊の出動みたいな展開を見てみたかったため、今回詩輝は戦闘面でほとんど何もしていない。
というか戦闘が始まったあたりからアレン達を避難させたドールキャリアー内で桃花と共にくつろいでいた。
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「シキ......お前はどれだけこの俺を驚かす気なんだ?」
とドールキャリアー内でアレンが愚痴る。まあそんな余裕があるのはアレンとクレアだけで、王妃とか王子とかは状況の急展開について行けず、フリーズしているが。
ちなみにクレアは現在俺に抱き着いてまったりしている。
そこにはアレンもあきらめたのか何も言ってこない。
下のハッチはそのまま巨大ディスプレイとなって上空から戦場を映している。
「というかなんだ? あれ。人間じゃないのは見りゃあわかるが、あれもゼロと同じ......人形なのか?」
「ああ、びっくりしただろ? 一皮むけてみれば明らかに人間じゃないものが出てきて。俺の自慢の配下たちだ。」
「......それで、ゼロはどうなったんだ?」
「気になるか?」
「ああ。頭が無くなったのにも関わらず、お前が来たとき動いたからな。もちろん恩人という意味でも、な。」
なるほど。
少しぐらい教えてやってもいいかな。
「ま、何をもって大丈夫とするかはお前の勝手だが......あれは無事だよ。」
ただ消費する魔素が無くなって機能停止しただけでnMSAIは無事だからな。
「その割には随分破壊されていたが?」
「俺の配下にとっての体っていうのはな、本体じゃなくて道具みたいなものなんだよ。壊れても外見的には怪我しているが、怪我でもなければ別に致命的ではないし、治せる。」
「......?」
「ゼロが魔法をぶつけて相殺した魔法、あっただろ?」
「ああ。」
「あれレベルの攻撃が本体に直撃しない限り、俺達は絶対に死なないし動き続けられるんだよ。」
「......つまり?」
「俺等の体は文字通りただの器だってこと。」
「......その話からすると、お前も人形......なのか?」
「いや?」
「ならなんだ?」
「俺は作り出した肉体へ魂を移し替えたことで何にでもなれる元人間。そしてこいつらの産みの親だ。」
「と、言うと......そっちのトーカは、まさか......」
「察しがいいな。その通りだ。ま、俺は産みの親だし名実共に娘だがな。」
「信じられん......。」
「なんなら桃花の皮を剥がしてみるか?」
「お父さん......それは可愛い娘にすることじゃないと思う。」
おっと、桃花に怒られてしまった。
「......ん?」
突然、アレンが何かに気付いたかのように俺のことをまじまじと見始めた。




