詩輝、参上
ピチュン
「......は?」
国王の半径数メートル以内にいた襲撃者たちがきれいに消し飛ぶ。
天井に空いた巨大な穴。
ヒュウウウウウウウウウウ、と上空から風を切る音が聞こえる。
つい見上げた者の目に写ったのは、
数十はいると思われる人影、それが落下して来ているところだった。
シュタッと軽快な音をたてて着地した二つの人影。後に続くようにドスンドスンと重い音を立てながら着地する巨体たち。
先に降りた二人の片方が声を発した。
「ご苦労。」
そしてすでに首のない、死んだはずの『何か』は起き上がり、膝をついてそちらに臣下の礼を取る。
それに満足したかのように何度か首を振ったそいつは、笑顔で
「じゃ、まずは要人の避難だな。」
本当の蹂躙劇は、まだ始まらない。
****
王城が襲撃を受けている。戦力不足より援軍を要請する。
その知らせをSー01から受け取った後の詩輝は速かった。
なんとなく拠点の方を見に帰ってきてたため、少し出遅れたが。
現在生産されているライフキャリアーを一部改造してオートマタを大量に積載できるようにし、ドールキャリアーという名前に改名。それを10台用意して一台に救急隊員型オートマタを積載、残りに襲撃者が受ける存在感を考慮してパーサーカーシリーズを積載、自分も乗って拠点から飛び立たせた。
ついでに現地の魔素不足を解消するため、執行官シリーズに恒星から宇宙空間へ拡散されている魔素をギリギリまで収束、詩輝たちの到着まで待ってから加速して打ち込むように命令する。ついでにS-01が行動不能になった時の援護も指示。
ブースターでちんたら飛ぶようなことはせず重力制御を最大出力で使い、拠点からすっ飛んでいくドールキャリアー。
中に居るものはほとんど音速で動ける非生物なので問題なし。生物なんて詩輝の僅かにある脳細胞ぐらいだ。
数十秒で王城上空に到着したドールキャリアーは、床にあるハッチを開放、次々と戦場にパーサーカーシリーズを投入する。
詩輝は桃花と真っ先に降り立ち、ボロボロになっても持ちこたえたS-01へねぎらいの声をかけた。
(魔素の枯渇による機能停止か......考えもしなかったな。)
今後のためにも対抗策を講じなければ......と反省しながら、俺は配下に命令を下す。
「じゃ、まずは要人の避難だな。」




