そうだ、病院を作ろう
ヤバい
何かって言うと功績を捻り出す件だ。かれこれ2日ぐらい考えているが何も思い付かない。
別にこの世界には魔王とか邪悪な存在なんて皆無と言って良いほどいないので、世界の危機なんぞあるわけない。勿論英雄も必要ないし需要がない。聖ルミアーナ国があと数十年で滅ぶかもってぐらいだ。
地球であった賞って何があったけな......平和賞とか生理学医学賞とかしか思い付かない。
平和に医療か......。WHOとか真似してみるか? 別にパクっても問題ないだろうし。地味に人気になりそうだ。冒険者ギルドとかに特に。
そうして構想は固まったので詳しい仕組みを考えることはソフィアにぶん投げてアストにコンタクトをとる。
(おいアスト)
(シキか......事態の収集を丸投げしやがって......覚えてろよ......)
(悪い悪い。)
(で、なんだ?)
(功績の件なんだが......案がひとつできた。聞いてほしい。)
(おうそうか。言ってみろ?)
(全地域を跨いで医療行為をする機関の設立をしようかと思っている。冒険者ギルドのようなものだ。)
(相変わらず話が荒唐無稽だが......できるんだな? この世界で今まで誰も成し遂げられなかった国に縛られない医療機関の設立を。)
(そっちがバックアップしてくれればやり易い。)
(もし成功したとしたら最高の功績だ。文句なしにクレアを渡せる。)
(ん? 違うぞ?)
(何がだ。)
(知っているだろう? 俺に出来ないことはない。もしではなく絶対に成功させる。今回は一応アレンの耳に入れておこうと思っただけだ。)
そう。nMSに物理現実においての不可能は無い。
(お?)
(どうした?)
ちょうどソフィアが仕組みを作ってくれたようだ。
(これが今回の構想だ。)
そう言いながら少し機密事項に手を加えたデータファイルを送る。
(どれどれ......。ん? 人員と建築方法、治療方法が無いんだが。)
(俺がそれらすべてを出して負担する。問題ない。)
抜けている内容はオートマタの人員とnMS建築、治療だ。
(相変わらずどこまでもふざけた力だ。)
(便利だろう?)
(違いない。)
そうして俺は病院作りに着手した。




