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ではまた今度

「何てことをしてくれたんですか!!」





 ......はい?


 王女に言われた言葉はお礼でもなければ遠慮でもなく、ただの非難だった。


 「理由を聞いても?」


 それはですね......。と一言おいて、

 

 「このあとシキ様にできないあれこれを色々しようと思っていましたのに......全部台無しじゃないですか!!」


 ......忘れていたけどこの王女、ヤンデレだったな......というか余りにも正直すぎないか? 不通隠そうとするものだろ?


 それに俺の意思の宿っていない肉塊でされてもな......一応手に入れたいと思うくらいには好意を抱いている女だし、少し嫌だな。アレンにも未来の婿としてすでに見られてるし......よし


 「クレアはそれで良いと思っているのか? 俺ではない『モノ』を使って自分を慰めるのを。自分で自分を許せるのか?」


 「......思ってなんかいません。」

 少し項垂れるクレア。少々強引だがこれで納得してくれるだろうか?



 「......本当はこのままシキ様を監禁して一生交わっていたいぐらいです。」

 こっちを上目使いで見ながら懇願するようにそう言い放つクレア。美人のその顔はクラっときたが如何せん言葉が衝撃的すぎて一瞬で目が覚める。エロゲの世界にでも転生したかと思った。


 ホントにこいつ......王女の教育を受けているのか? いろいろ直球過ぎるぞ。



 (おいアレン、少しいいか?)

 (っとシキか。まだ慣れないなこの感覚。で、どうした?)

 (お前クレアに今までどんなことを教えてきたんだ?)

 (その口ぶりは......クレアが何か問題な発言をしたのか?)

 (さすが義父さま。大当たりだ。)

 (純粋に気持ち悪いからやめろ。)

 (はいはい、で、どうなんだ?)

 (以外に思うかもしれないが......クレアは淑女としてのマナーは完璧と言って良いぐらいに習得しているぞ? 王女だからな。むしろクレアの変化に驚いているのは此方だ。)

 (マジでか。)

 (そうだ。)

 


 おいおい......その本性を今までずっと隠していたとか恐すぎるんだが。


 詩輝は気づかない。クレアが今のクレアになった原因のほとんどが自分のせいだと言うことに。





 (というわけでクレアに専属使用人を作ったから使ってくれ。細かいことは本人に聞け。)

 通信を切る前についでに報告していく。


 (唐突だな......て、ん? 作った?)

 おっと。それは何かあったときの為のサプライズだ。


 (じゃあな。俺の功績の件はまた今度話そう。)

 (いや待て)


 

 クレアにも

 「じゃあまた今度。」

 「えっ......」



 その言葉と同時に詩輝は全身を気化。城内から消え去った。

 クレア王女にオートマタの専属使用人を残して。



 

 徐々に王城内で神出鬼没の名物となりつつある詩輝であった。


 

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