頭のネジが飛んでる王女サマ
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クタッ
といい感じに寝落ちした振りをしている俺は全身の力を抜いて視覚機能をnMS自体の持つ方に切り替えて王女を観察し始めた。
「うふふ、思ったよりもあっさり墜ちましたねシキ様♡」
クレア王女が淑女としてあるまじき笑顔をしていらっしゃる。
口元は緩みきり、目元を崩しながら立ち上がって俺に向かってにじりよってくる。......あれ、もしかして俺、今、襲われかけている?
......いやいや。落ち着け、俺。いくらなんでもこんな短期間に堕ちる奴はいないって。絶対何か企んでいるだけだ。そうに違いない。
そう思っているとどんどん王女の顔が近づいてくる。
チュッ、と音を立てて接触した生体組織を俺の頭部の感覚器が感知する。
「うふふ、キスしてしまいました。もうお嫁には行けませんね。責任をとってください♡」
口ではそう言いながらも嬉しそうに震える声は隠せない王女。こいつ、確信犯か。
......はい。なんと王女の方からキスされてしまった。現実逃避すら許されない。発言からもこの王女が俺に好意を持っていることは間違えようの無い事実。
しかしこれだけでは動きを止めない王女。今度は俺の体を頑張って抱えてベッドまで運んでいく。この俺の清い体に何する気だ?! いやまあ君を嫁にしようと企んでいたのは俺なんだが......。俺はとんでもないものに首を突っ込んでしまったのか......?
内心で激しく後悔している俺をベッドに横たえた王女は流れるような動作で俺の腹部に馬乗りになる。
「お父様には婚前交渉を禁止されていますが......もう我慢できませんし、ばれなければ問題ありませんよね?」
ヤバい。この王女がここまで肉食系女子だとは思わなかった。すっかり第一印象だけで判断し、油断してしまっていた。
「さあ私と一つになりましょう。シキ様♡」
そういいながら俺に覆いかぶさる王女。その目に獲物を食べんとする獣のような光を湛えて。
だが受けは俺の性分に合わないんでね。抵抗させてもらう。
「いやちょっと待て。」
「っ!?」
薬を盛って目を覚まさないはずの俺が突然目を開けて自分を押しのけるという事態に驚きを隠せない王女。
「ちょっとは目が覚めたか? 王女サマ?」
「起きていたならなおさら責任を取っていただきますね!!」
そう嬉しそうに叫びながらなおも俺に襲い掛からんとする王女。
「おい、俺の意思はどうなった王女サマ!?」
「クレア......。」
「は?」
「クレアと呼んでください!!」
「あ、ハイ。」
この王女サマ改めクレア、どうも頭のネジが飛んでいるようだ。
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