治療(5)
「治療完了だ。」
「......早くね?」
nMSに全ての病原体をマークさせて一度に分解したのだから当たり前だ。
「まあな。で、調子はどうだ? 一応内臓の損傷も修復しておいたが。」
「え、ええ。さっきまであった痛みが嘘のように......。」
「そうか。なら次はその痩せた体型を戻す。何か希望があったら言ってくれ。」
そう言ってそこそこ均整の取れている身体つきまで変えて、そっから少しずつ微調整をしていった結果......
「......ほんとにこれにするのか?」
「え、ええ!!」
......ちょっと盛ろうとしているなこの王女。
調整していった結果、目の前に浮かぶ3D映像に映ったのは、
Dはあると思われる胸囲に折れそうに細い腰、そこから程よく大きな女性らしさを醸し出す臀部とそこからのびる細い脚。
......完全に、ぼんっきゅっぼんっといった体型であった。
「おい、本当にこれでいいのか?」
「ちょっと盛r「(ジー)」......ウオッホン、それで......いい。」
ちょっと待て今一瞬王女の目付きが狂気に染まったぞ!?
......俺はとんでもない事に手を出してしまったのかもしれない。
「本当に......本当にそれでいいのか?」
「はいっ」
満面の笑顔でそう言う王女。ただし目は据わっている。
「お、おう。」
そういってnMSを集め、注文通りの体型に仕上げる詩輝。
「おお......」
目の前で起きる不思議な現象に慣れてきたらしいアレンはその光輝く荘厳な光景に声を漏らす。
いつのまにか再起動した王子、王妃も食い入るように見つめている。
......まあ本当は発光とかしないし、九割方俺の演出だけどな。
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