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魔物VS魔道具と俺

 ......ん? なぜ俺は木の上に......ああ

 (異世界に来たんだっけ......。)俺はまだ寝起きのぼんやりとした頭で今まであったことを確認した。


 (トラックにはねられて、エヴァに会って......指を灰にして......MSを作って......狼?に腕を食いちぎられて......ここに逃げて......ん? MS何処行った?)


 (作って......動作確認して......手に持ちながら歩いて......まて、俺はどっちに持った? ......右手だ......ああ!)そこで俺は気付いた。

 

 ......腕を食われたときに落としたことに。

 というわけで俺はMSと連絡を取るために手近の枝を「改造」して球体を作り、前回と同様に「改造」「魔素操作」「情報編集、交換、記録」「重力操作」の4つを付与して、これが向こうのMSとリンクすることをイメージした。......すると、


 「おお......。」

今手元にあるMSから俺の脳に直接情報が流れ込んできた。

 (マジか......あの狼?MSも食ったのか。悪食だな......。)


 そう、なぜかMSがあの狼?の胃袋の中にあるのである。

 (あの狼?、どうやって倒そう?)......そうだ


 名付けて......「一寸法師作戦」!!!!



 この作戦は相手を胃袋の中から攻撃し、攻撃を食らうことなく無傷で倒すことのできるローリスクハイリターンの昔から伝わる由緒正しい戦法である。オイ

 

 というわけで思い立ったが吉日とばかりに詩輝は具体的に考え始めた。

 (刺突で殺るか? いや相手は石で作ったMSを食べるほどの悪食だ。普通にやっても傷一つつかないだろう。毒で殺す......いや毒はどこから持ってくる? これも却下。爆破する......腸のガスでどうにか......狼?の胃液は地球の生物と変わらないらしいし水素はそこで手に入るからそれも加えて......イケる!!イケルぞっっ!!)謎のテンションになってその後に起きるであろう惨事は全く考えようとしない詩輝であった。



 というわけで狼?の倒し方を決定した......と、その時。

 

 ガサッ、と下の方で何かが聞き覚えのある音を立てた。

 恐る恐る下を覗いてみると、


 (......何しにここまで来た。)昨日の狼?がいた。こちらを食べる気満々の目で。おそらく臭いを追ってきたのだろう。少し遅い気もするが。だが今回はこちらが殺る番だ。


 スゥ......ハア


 深呼吸をした俺は覚悟を決めた。MSに命令を出し、狼?の胃の中にある胃液から水素を高速で分離、副産物の酸素と共に腸の中にあるガスも持ってきて混合、こちらも爆発の被害を受けないように木の幹を「改造」でくりぬいた穴に退避。


 (......点火。)


 ボンッ、ビシャァァァァ!!!!


 狼?の腹がはじける音が聞こえ、数秒の静寂の後、MSから狼?の死を確認した俺はまた恐る恐る下を見た。


 ()()()になっていた。

 そこらへんの地面に狼?の臓物と血がまき散らされ、地面に血の池ができ、そこに狼?の死体が浸かっていた。

 俺はMSを回収するために木から少し離れたところに身体強化を使い飛び降り、血の生臭いにおいに顔をしかめながら近づいた。

 


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