国王
感想下さい(涙目)
どこどこに違和感あるとか世間話とかホント何でもいいので。
「ん゛~。」
広く豪華な執務室に響く体を伸ばす声。
俺の名前はアレン・エルオス。エルオス王国国王だ。今ちょうど毎年恒例の闘技大会を観戦するためにつまらぬ書類仕事を俺の人生の中で最も集中してやり終えたばかりである。何やら無茶苦茶強いDランクがいるらしい。
というわけで......
「おい、支度はできているか?」
「はっ。こちらに。」
「行ってらっしゃいませ。父上。」
今日は少し気分がいいらしい娘が送り出してくれる。いつ死んでしまうかもわからないのにこうして笑顔で送り出してくれるのを見て心が苦しいが、
「ああ、行ってくる。早く良くなれよ。」
そう言って準備させていた馬車に乗り、闘技場に向かった。
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「次がこの冒険者ギルドが主催する闘技大会、最後の試合......決勝戦です!!」
「......は?」
馬車から降り、用意された席に座ろうとしていると響く司会の声。え? なに? もう決勝か? 早くね? と混乱しながらも観戦を始めた。
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決勝が終わった。ヤバい。もう何がヤバいのか口に出せないぐらいヤバい。いつもかっこいいと思っている脳内発言すら崩壊するほどヤバかった。
(あいつらは何者なのだ?)
まずなんであそこまで大きくなれる? 派手だしどっかから噂ぐらいは出てくるはずだが......そんなスキルは今まで聞いたことがない。それにあの再生速度。触手で体を引き寄せて再生とか俺は知らん。そんな奴人間じゃねぇ。おまけに魔法......だよな? あれもポンポン撃っているが一発一発は国の宮廷魔導士でもそこまで撃てない威力だぞ? なんなんだ? 聖国の新魔導士か? ふむ......すこしカマを掛けてみるか?
そこでちょうど司会に拡声の魔道具を渡されたので、
「先程の紹介道理、俺はアレン・エルオスだ。この場では砕けた口調で話させてもらう。まず諸君らの戦いを途中からではあるがゆっくり観戦していたが......素晴らしかった。この一言に尽きる。この闘技大会は余の観てきた戦いの中で最も激しく、熱狂させられる、まさに血沸き肉躍る戦いであった。時折摩訶不思議なものも見たが......特にそこのシキとトーカと言ったな。二人に一つ聞きたいことがある。」
と言い切って向こうの反応を見た。
ほう、こっちを向いたのを見る限り少しはこちらに興味があるのか。それなら......
「二人とも、俺の騎士団に入らないか?」
「え? いやなんだが?」
即答か......少なくともこちらに何かする気はなさそうだな。だがあれは強力な戦力になる民のためにも協力を取り付けたいところだな......。
「貴様......陛下の前で無礼な。」
「控えろ」
「しかしっ......。」
「お前らのことは俺も評価している。おそらくこのままシキに切りかかればお前らが死ぬ。......違うか? シキ?」
「まったくもってその通り。お話にならん。」 ドヤア
「貴様ら......。」 ピクピク
俺は忠誠を誓ってくれている騎士の一人が剣を抜こうとしているのを止めようとしただけなんだが......シキはなかなか愉快な性格をしているようだな。口調も似ているし、気が合いそうだ。
「......理由を聞こう。」
少しは粘る。これも民のためだ。
「ん~まず......俺達にメリットがない。」
「報酬は弾むぞ?」
「あ~俺達ってそんなに金を必要としていないんだわ。ってことで無理だ。依頼とかだったらギルドに指名依頼で出しとけ。俺たちが受けるかは知らんが。」
その物々しい装備で金がかからない......だと?
「そうか......残念だ。」
「あ、そうそう。あんたに会ったr」 ヒュン
「貴様ブチ殺ス。」
シキが何やら言いかけたとたん、うちの騎士が剣を抜いて切りかかった。
「っ!!??」
騎士の驚きが手に取るように分かる。うちの騎士の練度は決して低いわけではないはずなんだが......。
「......ゴホン。うん。というわけで説明は省くけどこの手紙を後で読んどけ。いいことが起きるかもしれないぞ?」
「......なにがというわけなのかは知らんが......受け取っておこう。」
俺はシキが何やら手紙をよこしてきたので受け取った。
それが俺にとって大きな希望となることに微塵も気づかずに......。
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