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闘技大会(5)


 「やっぱ人多いな......」

 

 俺達は闘技場に来て選手の整理番号を受け取った。俺は1、桃花は36だ。かなり不自然だしおそらくゲイルが最後に二人で戦えるようにと気を回してくれたのだろう。やるじゃないか。


 「俺の相手はっと......?」

 レンって誰だっけ......ああ、あの精神攻撃野郎か。


 相手は分かったのでそのまま観客席にレッツゴー。準備体操とかしなくても常にコンディションを整えてくれるこの体、マジ便利。


 



 「......それではこれより闘技大会二日目を開催します!! まず一戦目は......昨日圧倒的な戦いを披露したDランク冒険者、シキと相手を恐怖のどん底に突き落とすことで有名な『狂人』レン!! この二人はどのような戦いを見せてくれるのでしょうか!!!!」


 ......おうおうおっかない二つ名しているじゃないか。おそらく古代の拷問官の魂を持っている。どんな魔法なんだろうな。


 そんなことを考えながら石造りのステージに足を運んでどんな顔をしている奴か視る。各種視界を総動員して視たローブのフードの下は普通の顔だった。つまらねぇ。


 「それでは準備はよろしいですね。......始め!!!!」


 即座に相手の魔法が実行されたので即座に魔素観測を行い、解析を開始する。


 『感覚系ニューロnMSへの魔素干渉を確認。』

 そんなアナウンスが脳内に流れ、全身の感覚器が一斉に刺激された。


 (ぐっ......。)

 驚いて少しよろめいてしまったが、瞬時に感覚器への干渉をブロックして姿勢をもとに戻した。


 (確かにきついな......こりゃ普通の人は発狂待ったなしだ。)

 なんせすべての感覚器に最強の刺激が来るのだ。最強の甘さと辛さ、苦さと酸っぱさが口内に広がり、皮膚には激痛と焼けるような暑さ、つぶされる感覚とあらゆる激臭がごちゃ混ぜになって来る。普通の人ならこれが来た瞬間良くて気絶、悪くてショック死だ。確かに『狂人』と言われるだけはある。


 「あの『狂人』の精神攻撃を耐えた!!?? 噂によるとかのドラゴンも一発で昏倒させるほどだと聞いていますが......。シキの頭の中はどうなっているのでしょうか!!??」

 司会さんちょっと黙ってくれない?


 「な、なぜ効かん? あれは耐えられるという程度ではないはず......貴様......本当に人間か?」


 なかなかいい質問をするじゃないか。さっきまで無口だったのがウソのようだ。観客席に座っている3ブロックの敗退者達もそろって目を剥いている。


 「俺はそうだと思っているよ? 一応。」


 「......。くっ」

 あきらめていないのか腰から短剣を取り出して迫って来るレン。なかなかいい剣筋をしているが......。


 「残念だったな。」


 「なっ!!??」

 ヒョイと短剣の刃先を摘み、そのまま折る。


 「短剣を折った!!?? 大剣を振り回しているのもそうですがあの細い体のどこにそんな力があるのでしょうか!!??」

 

 「あ、あ......。」

 もう絶望しそうになっているレン。ご愁傷様、俺と戦ってしまったのが運の尽きだ。


 「じゃあな」そう言って服の襟をつかみ上げ、投げ飛ばした。そのまま頭を打ち気絶して無様に転がるレン。


 「しょ、勝者......シキ!!」レンの気絶を確認した司会は叫ぶ。だが観客席は何が起きたのか理解が追い付かず、静寂に包まれている。


 「か、怪物かよ......。」

 「同意だ......。何であれに耐えきれるんだよ......。」

 「あいつほんとに人間......いやそもそも生きているのか......?」

 「というかあいつ腕だけでレンを吹き飛ばしたよな......。」

 漸く頭の周り出した連中が次々と物騒なことをつぶやきだした。


 (強すぎるのも困りものだな......。)


 異世界にて最強を求めて最強を手に入れた詩輝の瞬殺劇は続く......。

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