闘技大会（４）
「ん゛～。」 いい朝だ。今日はどんな奴が出てくるかな？ 第３ブロックの選手が一人ずつ精神攻撃スキルで倒していたことが結構印象深かったが......誰だったかな？ ......まあいいや。桃花を起こして飯を食って......闘技場に赴くと。何の変哲もないこの世界に来てからの生活。そういえば最近拠点からの報告を聞いていないな。時間は......まだありそうだし暇つぶしに聞くか。
（ようソフィア。しばらく話さなかったが島の方はどうだ？ 後知っていたらこの世界の情勢も教えてくれ。）
『お久しぶりですマスター。こちらは特に変化はありません。オートマタによる監視網も正常に機能しています。』
（それは良かった。......で、情勢は？）
『聖ルミアーナ国では相変わらず教義という名の横暴が通ってますね。ただ純粋な聖職者もいて、程よくバランスをとれている状況です。しかしそれでも......おそらく後１００年程で革命が起こるかと。』
（それは大分面白そうだな。）
『次にバルディーエ帝国ですが......ここは本当に普通です。多少貴族間の争いはありますがマスターには影響ないかと。』
（ほうほう、で？）
『最後にエルオス王国ですが......少々面白いことになっていまして。』
......なんだ？ むっちゃ気になる。
（焦らすな、とっとと言ってくれ。）
『では報告します。クレア・エルオス王女がこのままでは死に至る病気に臥せっています。』
......いや誰だよ。というかなんだかんだ言って王族関係のこと何も知らなかったな。
（ちょっと体と顔のデータ送って？）
『了解』
......何だこの美少女。安定のテンプレだとは思ってはいたが......時代設定は中世で合ってるよな？ 地球の中世美人とか太っていて見るに堪えなかったんだが。これだったら向こうでアイドルとしてもやっていけるぞ？
髪は金髪のロング。目は綺麗な蒼色をしていて肌は真っ白。病人のためやせ細っているが顔の骨格も整っている。全体的に顔のパーツは小さめで可憐という言葉が似合う外見。胸は......まあ痩せているせいでないが......問題ない。で、肝心の病気は......ああ、こりゃ結核だな。一週間前に発症している。内臓もボロボロになっているし......毎日簡単な治癒スキル持ちに治療を受けてるみたいだし持って一年かな？
医学部目指して医学をかじってたがこんなところで役立つとは......。
......これはテンプレか？ 闘技大会に優勝して王に面会の約束を取り付けろというお告げか？ よろしい。受けて立ってやる。この流れに乗って美人嫁を作ったる。
『あと......。』 とんとん
（......後でまた聞く。）
『了解』
......どうやらララが呼びに来たようだ。じゃあ行くか。
そうして俺は飛び起きた桃花を連れて朝食をとり、闘技場に向かった。
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