闘技大会(2)
......闘技大会までの九日間、俺達はDランクの討伐系依頼をこなして二十万ルーア稼いだ。やはりDランク依頼になると報酬が良い。別にそこまで要らないけれども貯金が増えるというのは良いことだ。
ちなみに今回昇天したのはかの有名な性欲旺盛糞豚野郎もといオークと白い外骨格を持つ耐久自慢のアーマーゴリラ、金属質の表皮を持つメタルリザードをそれぞれ数体だ。みな平等に慈悲をもってエクステンドフィンガーの一撃のもと逝かせてやった。俺って優しい。
......というのはどうでもよくて、今俺達は王都の東にある闘技場で選手判別の番号札を貰い観客席にて待機し、桃花と互いの戦闘スタイルについて話し合っている。
(じゃあ両方主にイモータルソードで戦うと。少し苦戦するようだったら触手の展開もOKということでいいな? 桃花?)
(それでいいよ~。たぶんそれで大抵の人達は終わりだと思う。)
(じゃあそれで行くか。)
......話がまとまった。と言っても話したことは大したことではなく互いの戦い方を別のものにするということぐらいだ。この試合、魔法使いが結構有利である。まあ当たり前だが魔素の恩恵は得られるのと得られないので大幅に差が出る。でもこの時代では詠唱があるのでその間に叩くというのが対魔法使いの鉄則らしい。
......ちなみにすでに闘技大会は開催されている。今は選手達が一ブロック50人ぐらいで1~9ブロックに分かれ、一日目は一ブロックずつでバトルロワイヤルをし、最後まで立っていられた4名はそのまま続行、二日目から36人でランダムにペアを作り勝ち抜き戦をする。俺らは9ブロックで、最後なのでゆっくりしている。......もう8ブロック目か、早いな。
闘技場の真ん中に作られた石造りの台の上で多数の選手が入り乱れ、武器や魔法を交えあっている。......俺がギルドで教えた簡単な爆発魔法を使ってうまく立ち回っている選手もいる......。
「次は最終ブロック!! ギルドマスターによると期待の新人もいる模様です。さぞ素晴らしい戦いが見られるのでしょう。では9ブロックの皆さん、出てきてください!!」
そんな司会の声に俺達も腰を上げた。ようやくか。
......じゃあ軽く優勝してきますか。
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