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詩輝、先生をする


 「さてと、まず質問だ。スキルってなんだ?」


 「生まれたときから備わっていて、人それぞれ違う能力だ。」


 うんうん。間違ってはいない。


 「まああってるが、能力というのは少し適切ではない。」


 「能力ではない......?」

 不思議そうに首をかしげる冒険者たち。


 「そう。能力ではない。スキルとは......本人の魂に刻み込まれた魔法だ。」


 「スキルが魔法だと?」

 「魂に刻み込まれた?」

 

 うんうん当然の疑問だな。


 「スキルとは、様々な状況下において魂にストレスがかかったり、反復を過剰に行うことでそのまま魂に記憶される最適化された魔法だ。」


 「最適化された......?」


 「そう、魂が望んだ効果を持つ魔法の発動条件の中から不要な部分を取り除き、圧縮した末に生まれる最高効率、最高出力の魔法だ。そのため普通の魔法と桁違いの効果を発揮する。」


 「知らなかったぜ......。」

 「ああ......。」

 「つまりお前らも魔法が使えないわけではない。」


 「マジかっ!!」

 おい、唾を飛ばすなゲイル。汚いぞ。


 「そうなると今度は魔法って何だ? ってことになる。」


 「......。」 コクコク


 むさい男たちが一斉に首を振り出した。


 「この世界は今の宗教の教義がどうであれ、数種類のとても小さな粒の集合体だ。それが変わることがない。いいな?」


 「......?」 コクコク


 「理解できないならそれでいい。で、その小さな粒の一つに魔素と言う粒があり、これは空気中にたくさんあり、生物の意思や文字にに反応して他の粒を自由に動かせる。で、魔法とはその魔素という粒に決まったやり方で思い道理の反応を起し、他の粒を自由に動かして現象を作り出す法だ。」



 「......。」


 とうとう反応すらなくなった。理解できなくなったらしい。


 「まあそんなこと知らなくてもある程度はできる。とりあえず......そうだな、すべての物と力が数種類の粒でできていると理解しろ。無理でもしろ。」


 「......。」 コクコク


 「で、魔法とはそれを認識しつつ、今の粒の状態と持って行きたい結果を魔素に伝えることだ。魔法と言ったら長い詠唱とかいうイメージがあるかもしれないが別に必要ない。」


 まだわからないという顔をしている奴がいるので、


 「とりあえずちょっと広がってしゃがみ込み、地面を見つめろ。」


 全員がそうなったのを確認し、


 「いいか、よく聞け。地面とお前らの顔の間にある空気には燃える物が別の物とくっつき、燃えない状態で存在している。お前らはそこから燃える物とそれを防ぐ物を切り離すイメージをした後、それらがまたくっつくイメージをしろ。詠唱とかは気にするな。」


 そう言って視界を魔素感知に切り替えると、冒険者たちの付近にある魔素が急速に崩壊し始めている。やればできるもんだな。

 

 ボンッ 「うわっ!!??」


 小規模の爆発が起き、一人の冒険者が驚愕の声を上げた。どうやら呑み込みの早いやつがいたらしい。正直さっきの説明でできるようになるやつがいるとは思わなかった。


 コツをつかんだらしく、何回も爆発を起こしている。


 「そう、それが魔法だ。今のを応用するとこんなこともできる。」


 そう言って手の上に炎を作り出す。


 「これが魔法......。」


 いまだ信じられずに目を見開きながら爆発を起こしている冒険者......どっかで見たような顔だと思えばあのお騒がせ冒険者カイだった。


 と思ったらいたるところから爆発音が聞こえてきた。脳筋集団だと思っていたが意外とやるじゃないか。


 「魔法を自由自在に使うということは、世界の理を応用するということだ。無から有を生み出すことはできないが、誰でもできるし、結構自由の利く幅は大きい。まあ、お前らの魔法は細かい調節ができていないから無駄が多いしまだまだだけれどな。」


 「なあ、シキ。」


 ようやく爆発を成功させたゲイルが話しかけてきた。よう、さっきぶり。


 「お前の使える魔法を見せてくれ。」


 ......そうだなぁ。


 「戦闘に使えるものか? 生活に使えるものか?」


 「なら戦闘で。」


 「そうか。じゃあ一回そこに寝転がれ。手始めに体の自由を奪う魔法をかけてやるから体感してくれ。」


 まずはあまり危険性のないもので行こう。


 「後で解いてくれよ?」


 「解かない理由がない。」


 ゲイルが寝転がったので、


 「ほい」

 運動神経を麻痺させた。瞬時にゲイルの体は動かなくなる。


 「一応感覚は残してあるから聞こえると思う。体を動かしてみろ。」


 「......。」


 ピクリとも動かないゲイル。


 「わかったと思うし今から解くぞ?」


 そして合図に一回手を叩く。


 「ガはぁっ」


 動けるようになったゲイルは大きく深呼吸した。


 「ここまでヤバいとは思わなかったぞ。」

 「安心しろ、今やったようなことはまずできるやつはいない。」


 なにせすべての神経を把握する必要があるからな。ただの人間には処理できない。まあ、脊椎をすべて麻痺させるとかだったら簡単だけど、そうなったら内臓機能が停止して死ぬしな。


 「......魔法を教えてくれて感謝する。」

 「なんだ? いきなり改まって?」

 「いや、な。これで少しはこいつらの生存確率が上がると思えばギルドマスターとして、な。」

 

 ......そういやこいつギルドマスターだった。忘れていたぜ。


 「大したことは教えていない。まあ、無から有は作れず、水は小さな粒となって大気中にあり、火の本質は物と物が素早くくっつくときの熱だということは覚えといても損はないぞ。」


 そう言って右手の上に火をともし、左の手から水をあふれさせた。


 「そのようだな。覚えておこう。」


 「あと、ランクアップ手続き、逃げるなよ。」


 「もちろんだ。」


 ......というわけで俺と桃花はDランクに昇格した。というかもう昼になってるし。

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