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摸擬戦 ゲイルvs詩輝

誰か戦闘描写のコツを教えてくれるとありがたいです!!

 

 ガヤガヤ ガヤガヤ


 ギルドの訓練場にはすでに多くの冒険者たちが待っていた。


 「で、だれが審判だ?」

 「そこにいる受付嬢だ。」


 なるほど確かに合図用の旗を持った受付嬢が一人いる。


 「これより、元Aランク冒険者、ギルドマスターゲイルとFランク冒険者、シキ、トーカによる一対一の模擬戦を始めます!! シキ、トーカ側が二人とも勝利した場合、二人のランクはDまで上がります。よろしいですね?」

 

 外見からは想像もつかないはきはきとした大きな声での説明をする受付嬢さん。周りの冒険者たちも試合の開始に興奮しはじめ、熱気が漂い始める。


 「では両者、用意はいいですね?」


 真ん中にある大きな石造りの頑丈な台の上で二人ともうなずいた。周りには比較的安価な魔道具で被害を抑えるバリアが張られていた。こっちはいつもの大剣。向こうも愛用なのだろう真剣を構えている。致命的な攻撃はなしの戦いだ。


 「それでは......始め!!」


 俺は自然体で立って向こうが来るのを待っていた。こちらから行ってもいいが、瞬殺でもつまらないだろうしな。


 「シキからは来ないのか......ならばこちらから行かせてもらう!!」

 筋肉ではち切れそうな巨体に見合わない素早さでこちらに突進してくるゲイル。腐ってもAランクらしく、息を止めずに酸素を絶えず取り込みながら走ってくる。


 「ふんっ!」

 ゲイルが剣を振り下ろす。が、俺が直前で抜いたイモータルソードに阻まれ、その圧倒的質量差からはじき返される。予想外の感触に一瞬戸惑ったようだがまた剣を構えて油断なくこちらを見ている。


 「......なぜそんな重りを軽々と振り回せる?」

 「さてな、スキルは使ってない。......次はこちらから行かせてもらう。」


 2、3合は向こうから来るのを待つ予定だったけれどやめた。なんというか、つまらないのだ。いつも訓練は桃花とやってきたからこの程度簡単に振り回せるのが俺の中での当たり前になってしまったらしい。

 

 「行くぞ。」 


 ドラゴン素材製の筋肉と骨が生み出す力が地面に足跡を穿ち、容易に俺は音速を超える。周りに衝撃波をまき散らしながらわずか一歩のみでゲイルを間合いに入れ、剣をふるう。


 「っ!!」

 パリィンッ


 ギリギリのところで反応して見せたゲイルは透明な壁を瞬時に築き、俺の剣を防いで見せた。これがゲイルのスキルの一つなのだろう。


 ......だがそこまでだったようだ。耐えきった壁は崩れ、俺が移動したときに発生した衝撃波が数舜遅れてやってき、ゲイルの巨体を吹き飛ばす。


 バァァァァァァァァン


 派手な音と共に周りのバリアにぶつかったゲイルは落ちると同時に見事な受け身をして衝撃を地面に逃がし、立ち上がった。思ったより元気そうだ。


 「やったと思ったが......あれでよく立てたな、それもスキルか。」

 「おう、そうだ。結構こいつには助けられている。」

 ......回復系統だな。それもおそらく常時大きな回復効果か。そうするとあの体格もおそらく筋繊維の破壊と超回復を高速で繰り返した結果か......厄介な......。


 「なあ、どうやったら降参するんだ? 今の俺にはお前の首をはねる選択肢以外思いつかないんだが......。」


 「いや、首付近で寸止めしろよ。」

 なるほど、その手があったか。


 「助言、感謝する。次は必ず仕留める。」

 「おう、出来るならやってみろ。」


 そう言葉を交わした俺は再度突進してゲイルを目掛け斜め上向きに剣を走らす。


 「うらぁっ!!」ガインッ


 先程よりも早く反応したゲイルは俺の大剣に剣を思いきりたたきつけ、反動を利用して上に飛び上がった。先程のことを思い出したらしい。


 だが、かかったな。

 俺は薄く口角を上げながらゲイルを追って上に飛び上がる。


 「嘘だろオイ。」

 まさかここまでスキルなしに一人で来るとは思ってなかったらしく、焦りの表情を浮かべるゲイル。そこで唐突に大剣をふるう。


 当然ゲイルは剣で防ごうとするが、俺は振り切らずに無理やり止め、重量500㎏を超える物体の急停止に発生する慣性の反作用を腕に伝達、土台として利用し、ゲイルの肩に下目掛けて踵落としを打ち込んだ。


 ベコッ 「ぐあっ」


 肩の鎧に大きなへこみを入れられたゲイルは苦悶の表情を浮かべて高速で落下していく。

 それを見た俺は落ちながら再度イモータルソードをふるう時の慣性を利用して加速、ゲイルが受け身で着地すると同時にその首元目掛けて地面に剣を突き立てた。

 

 

 「俺の勝ちだな?」

 「......。」

 「おい?」

 なんか静かだな。プライドでも傷ついたか?

 そう思っていると突然笑い出した。


 「がハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」


 頭がおかしくなったか?


 「おい、お前らぁっ!! 「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」」」」」」」 こいつにだけは手を出さない方がいいぞ!! 瞬殺されるからな!!」

 「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」


 元気に観客の冒険者へ忠告していた。というか、こいつら息ぴったりだな。見ていてすがすがしくなるほどだ。



 ......全員が恐怖の表情じゃなくていい笑顔をしていたらなお良しだが。

 

 「というわけで俺は勝ったと。」

 「その通りだ!!」

 

 俺との戦いが終わってうれしそうなゲイル。

 「あ、桃花を甘く見ない方がいいぞ。俺と互角に戦えるから。」

 「......。」


 突然げんなりした顔になるゲイル。戦いたいといったのはお前だし、うん、頑張ってくれたまえ。




 「しょ、勝者、シキ!!」

 ......おっと受付嬢さんを忘れていたか。

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