魔道具作成
「ふぅ」 と俺はため息をついた。
少し心臓に悪かった。
指が灰になったこともびっくりだがそれよりも再生の過程に驚いた。
......だって指の付け根から触手みたいに血管やら骨やら腱やら神経やらがグチャグチャバキバキ音を立てて生えてくるんだぜ?
まあ見てるうちにだんだんまとまって、指の形になったら皮膚が伸びてきて爪も生え、後を残さずきれいさっぱり治ったが。意図せず2の不老不死の検証も終えてしまった。
「次は3をやるか。」オイ1は何処に行った
HAHAHAHA、何のことだい?
というわけで俺の作ろうと思っている魔道具の構想を簡単に説明すると、体を構成している原子一つ一つ全てを魔道具にすれば強くね? ということだ。
まだよくわからないという人に説明すると、知っての通り人間の体は良くできているがとてももろく、岩の一つでも当たればあっさり死んでしまう。では死ぬとはどのようなことを指す? これは俺の持論だが、その人個人の死というのは本人の意識が消滅すること。そして意識とは脳の神経細胞間でのイオンの受け渡しによる変動し続ける電気的刺激のネットワーク全体である。そしてそのネットワークの中の一つでも損なわれると、よくて人格の変質、悪いときは死につながる。ではそのネットワークさえ維持できれば意識の消滅はさけられ、たとえ脳に何が飛び込んで来ようと死なないのでは? ということだ。さらに原子一つ一つの総体になれば魔法やアニメとかに出てくる超兵器、荷電粒子砲などの原子を破壊しに来るもの以外では実質的なダメージはゼロに等しくなるつまり最強である。そして魔素は素粒子。よって原子より圧倒的に小さく原子核と電子の間にいくらでも魔導式を書き込むスペースは存在するため、この荒唐無稽なアイディアを可能とする。以上だ。
付与する魔導式の効果はもう決めてある。
「改造」「魔素操作」「情報編集、交換、記録」「重力操作」この4つだ。
想像道理なら「改造」で自身や他の陽子、電子、中性子の数を調整して元素を変更でき、「魔素操作」で付与や魔法発動を行え、「情報編集、交換、記録」で自身のプログラムを必要に応じて変えながら他の魔導式のコントロール、他の個体と情報のネットワークを作り連携して物体の錬成、「重力操作」で移動できるうえ、前半3つの機能でそこら辺の素材から自己を複製できる万能魔道具になるはずだ。
ちなみに付与は効果のイメージとそれに一致する言葉を書き込めば何でもよく、漢字の熟語も対応してるらしい。
魔素まじパネェ。
さあ、作ってみよう。
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......結果的に無理だった
いや、付与はできたし、機能もしたんだよ?
ただ大きさに問題があって、俺の「改造」が働く範囲は制限があってどうも俺の認識できるレベルの大きさじゃないと無理らしい。さらに付与も文字の大きさに同じような制限があった。それで最終的に作れたのはそこら辺の石ころで作った直径1㎝の球体。名前は......そうだな魔法を使う球体だから......MSにするか。なんかかっこいいし。
......まあ問題の打開策は思いついてるんだけどな。
なぜそれをしないのかというと、もうすぐ夜になるからだ。意外とあっという間に1日目は過ぎてしまった。というわけでちょうど島の真ん中あたりに比較的高い木があったのでその上で寝ようと思っている。さすがに地べたに寝たくないし魔物がいたら怖いしな。MSの改良はそのあとでもいいだろう。
そうして俺は寝床を求めて薄暗くなってきた林?の中に足を踏み入れた
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