表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/96

ゴブリン駆除(1)

 

 俺たちは今、依頼にあったゴブリン駆除をするためにこの国に入る時に落ちてきた森に来た。通称「採集の森」名前の通りいろいろな薬草とか木の実や野草などの食材、低ランクモンスターがいて、Fランク依頼に多い採集の依頼で低ランクの冒険者達にとって重宝する森だそうだ。で、そこで繁殖していろいろ食い荒らすなどして被害を出してくるゴブリンを倒してくれってやつだ。


 ......ところで魔物って何なんだってことなんだけど、ソフィアがクリーチャーシリーズを使って調べたところ、モンスターの遺伝子の塩基配列の一部には普通の動物にはない変異した所があって、それを4進法の情報として魔素が解釈し、特有の魔法効果を与えていたのだ。おそらくそれにたまたま適応できた変異体が生存や繁殖及び闘争の能力を大幅に上昇させ、繁栄することで加速的な進化を遂げた種なのだろう。そんな特殊な進化を遂げただけあって魔素の効果でで進化上起きた無理を相殺しており、魔素がないと肉体が維持できない魔物もいるらしい。


 ちなみに今回駆除するゴブリンはどうも繁殖能力と筋力にブーストがかかってるらしい小人だ。人間と同じような構造をしている。頭がでかくて少し知性を発達させているため簡単な道具を使える。性別はオスのみでそこそこ大きい生物の雌を捕まえてきてピーすることで子宮を借り、増えるという半単性生殖的な生態からいろいろ嫌われている。その遺伝子の持つ効果から肉は精力剤の代わりにもなるようだ。まずいらしいが。


 ......というわけで赤外線の視界も併用しながら森の中を探していると。木の向こうに熱を持った何かを見つけた。

 「グギャッ」 


 と思ったらゴブリンがボロボロの剣をもってゴブリン流の気合らしき声と共にとびかかってきたので、


 スパン ドサッ


 瞬時にイモ―タルソードを抜いて首をはねてあげました。

 こう、一瞬気づかないけど心臓の拍動と共に血が噴き出して切り口がずれていくみたいなシーンを再現したかったんだが、いかんせんこの大剣の刃が肉厚すぎて首がすっ飛んで行っちゃった。......。まあ、いい音はしたので良しとしよう。


 ビシャッ、ビシャッ


 まあ首を切ったから予想はしていたけれどまだ動く心臓の拍動で首から血が途切れ途切れ噴き出して少しグロイ。生臭い臭いは嗅覚からの信号を切ることで回避したけど。


 「お父さん! 取ってきたよ!」

 「よしよし、えらいえらい。」

 「えへへぇ」

 さっきすっ飛んで行った首を追いかけて行った桃花がゴブリンの左耳を切り落として戻ってきた。褒めてほしそうだったから頭をなでなでしてあげたら笑顔でうれしそうにしている。


 ......首のないゴブリンの死体と頭をなでられてうれしそうにしている女の子って......。と少し思ったが桃花には生臭いとかの概念がないので仕方ない。


 「よし、次行くぞ。」

 ゴブリンの左耳を装備に括り付けた袋に入れて俺たちは活動を再開した。さっきのゴブリンはこっちにいたからおそらくこの先に巣があるのだろう、と検討を付けて歩き出した。




 「......めんどくさいな。」

 3分もしないうちに俺は少しめんどくさくなったので立ち止まり、森上空にエンジェルシリーズを一体呼び出した。

 (ゴブリンの巣を探せ。)

 (了解。......ありました。)

 すぐに発見したようなので、エンジェルシリーズと視界を接続、視界の端に航空映像を映し出した。


 「ああ......。」

 「通り過ぎちゃった?」

 「そうらしいな。」

 どうやら通り過ぎたらしい。第一ゴブリンを発見したところで左に100mほど先のところにあった。

 「桃花、少し戻るぞ。」

 「うん!」


 今度は全力疾走で第一ゴブリンと出会ったところまで戻った。するとそこは第一ゴブリンの仲間らしいゴブリンが七匹待ち構えていた。音で気付かれたらしい。


 「グギャギャ」

 「ギャ」

 「ギャギャギャ?」

 「グギャッ」

 「「「「「「「グギャッ」」」」」」」

 何やら打ち合わせを終えたらしく俺たちを囲むようにして気合の入った声と共に仲良くこっちに向けて突っ込んできた。


 (バカめ)

 

 (桃花、行くぞ。)

 (うん!)

 俺たちは通信で息を合わせ、同時にイモータルソードを腰をひねって回転するように振った。


 ズパパパンッ

 人外の膂力で振るわれた超重量を誇る二本の大剣は黒と桃色の残像で線を引きながら気持ちいい音を立てながらゴブリン達の胴体をまとめて両断した。


 「キモっ」 ビシャッ

 嗅覚は遮断してあるが目の前にぶちまけられたゴブリンどもの内臓の中身に少しダメージを受ける俺。視覚的に臭いを連想してしまった。今度からはできる限り頭を飛ばす方針で行くか。そう思いながら剣についた血糊を振り払ってまた背負いなおした。


 「......nMSで耳以外分解するか。」

 触れたくなかったので左耳以外をnMSで窒素と酸素と炭素に分解。空気と土にスピーディに還っていただいた。


 「さてと、いっちょ巣をせん滅してきますか。」 

 俺に精神的ダメージを与えた借りを10倍にして返さなくてはいけないからな。


 「おー!」

 のんきに桃花も声を上げる。


 ゴブリンども、覚悟してろよ。

 



 

 


 

面白かったらブックマークと評価、お願いします。その他誤字脱字、意見があったら教えてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ