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『不死の人形』、結成

 ギィ......

 俺たちはギルドのドアを開けて中に入った。


 「こんちわ~」

 「こんにちわ!」


 するとまあ、この一日ほどで慣れてきた恐怖と好奇の視線と沈黙のお出迎えである。今までは圧倒的な感じがあって結構気持ちよく感じてたが、さすがに飽きてきた。


 「......なんか言おうぜ」

 そうボソッとつぶやきながら、今日は「登録」のカウンターに向かった。

 今日はパーティーを組みに来たのである。


 「パーティー登録をしたいんだが......大丈夫か?」

 昨日はあんなに懇切丁寧に説明してくれた受付嬢さんもフリーズしていた。ぐすん。


 「......ハイ、ナンデモアリマセン。」 

 「いや大丈夫じゃねえだろ。主に声が。」

 「......はっ、すいませんでした。パーティー登録ですね? パーティーメンバーは誰ですか?」

 受付嬢さん、再起動。

 「メンバーはこっちの桃花だ。二人で組む。」

 「わかりました。パーティー名はどうしますか?」

 このことについてだが、昨日寝る前に俺と桃花達を象徴に考えておいた。

 「『不死の人形(イモータル・パペット)』で。」

 個人的には結構かっこいいと思ってる。

 「不死の人形(イモータル・パペット)ですか......わかりました。」


 何やら引っ張り出してきた書類に書き込んでいく受付嬢さん。途中で冒険者カードを貸してほしいと言われたので渡すと裏に何やら書き込んで返された。恐らくパーティー名を書き込んだのだろう。

 「......はい、今この時をもってFランクパーティー『不死の人形(イモータル・パペット)』が結成されました。よろしいですね?」

 「おう」

 「うん!」

 

 


 パーティー登録を終えた俺たちはFランク依頼を張り付けてある壁を眺めていると、

 「これがいいんじゃないか? ゴブリン駆除。」

 

 ゴブリンを駆除する依頼があった。一体につき200ルーア。薬草摘みより割がよさそうだ。あの有名な性欲小鬼で討伐証明部位は左耳だった。

 「う~ん。まあいいんじゃない?」

 桃花はオートマタなので性的な嫌悪感はないようだ。


 決まったので「依頼」の昨日相手をしてくれた受付嬢さんのところに並ぶ。......後ろに並んだ瞬間に前の人たちが猛スピードで散っていった。どうやら俺は誰彼構わず殴り掛かるヤバいやつ認定されたようだ。解せぬ。


 「あ~。おはよう。」 

 「おはよう!」

 「おはようございます。......ところでその装備は何処で?」

 おお......呆れた顔だがちゃんと対応してくれた。お兄さん感動しちゃったよ。しかしこの装備についてか......

 「俺たちがもともと持っていた私物。」

 「明らかに昨日は持っていなかった......。」

 「気にしないでくれ。」

 「......はあ、わかりましたよ。」

 どうやら無駄だと察してくれたらしい。


 「今日はこの依頼を受けたい。よろしく。」

 「はあ......ゴブリン討伐ですか。武器は?」

 「この大剣。」

 「まあ、昨日の様子を見るに大丈夫だと思いますが......。連れの方にはくれぐれも注意をしてください。」

 「おう、わかってる。」

 「ならいいです......。はい、ゴブリン駆除の依頼をFランクパーティー『不死の人形(イモータル・パペット)』が受けました。いいですか?」

 「問題ない。」

 「いいよ~」

 「わかりました。頑張ってください。命を大事に。」

 「わかってるって。じゃあな。」


 そういうわけで俺たちはゴブリン駆除の依頼を受けてギルドを出た。


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