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小鳥亭+初飯

 「ここか......。」 俺は桃花と並んで目の前にある宿屋を見上げた。さっきの受付嬢に聞き出した情報とクリーチャーシリーズの持つ地図情報によるとここらしい。看板にも「小鳥亭」と書いてあるし間違いないだろう。

 チリィン 「いらっしゃい。ここにとまりますか?」 宿のドアを開けて入った瞬間、目の前に10歳くらいの幼女が拙い言葉で応対をしてきた。うむ、癒される。


 「ああ、そうだ。ちなみに名前はなんていうんだい」

 「あたしはララ! ままーおきゃくさんだよー。」 奥にいるらしき母親に知らせる幼女。親の手伝いをするとはいい子だ。俺の小さいころとは大違いだ。


 「あらあらララったら。いらっしゃいお客さん。泊まりますか?」 結構優しそうな女将さんが出てきた。

 「ああ」

 「わかったわ。一部屋でいい?」

 「ああ、二人部屋で頼む」

 「食事はどうしたい?」 ......どうする? 基本要らないが......。

 (お父さん、私食事したい。) 通信でさりげなく要求してくる桃花。

 人間という設定だからしないと少しおかしいか......。それに地味に異世界飯まだ一度も食べていないしな。ここは......

 「一日朝と夕で二食よろしく。今日は要らない。」

 「わかったわ。一日1000ルーアよ。」 安い......安すぎる。地価とか安いし従業員がいない家族経営だからかな?

 「わかった。とりあえず五泊する。」 持っている金を入れた袋から五十枚銀貨を出して手渡す。

 「わかったわ。あいている部屋は......304の部屋でこの鍵よ。なくしたりしないように注意してくださいね。」

 「わかった。」 なくしてもいいようにこっそり握った手でスキャンする。

 「ご飯が出来たら明日からは呼んでくれ。」

 「わかったわ。では、ゆっくりしてくださいね。」

 「ああ」

 そうして宿の手続きをした俺たちは入り口に直結した食堂を横切って上への階段を上がった。

 言われた部屋の前に来て鍵を開け、鍵を開けて扉を開くと想像より小綺麗な2人部屋があった。

 「いえーい!」 早速桃花は片方のベッドにダイブしている。しかし寝るのには早すぎるので、

 「まだ時間があるから外を少し歩くか。なんかしたいことはあるか? 桃花。」

 「んっとね~」 はい?

 「屋台で売ってた串焼き食べたい!」 

 「じゃあ食べに行くか。」

 「わーい!」

 「味覚機能ぐらいは再現しておけよ。」 階段を下りながら一応言っておく。

 「うん!」

 食堂まで降りるとさっきの女将さんがいたので声をかけて宿を出る。ちなみにローブは着ているがフードは降ろしてある。

 


 宿を出た瞬間、結構目を引いた。この容姿のせいだろう。だが俺たちは気にしないで歩き、ギルドに来る前に見かけた串焼き屋さんのところに来た。

 「へいらっしゃい。一本50ルーアだ。」

 「取りあえず二本くれ」 銀貨を出して言う。

 「ちょっと待ってろ」 慣れた手つきで焼き上げながらタレと絡めていくおっさん。タレと肉の焦げるいいにおいがたち込めてきた。

 (嗅覚機能も再現しておけ。) 通信で桃花に言う。すぐに再現したらしく、感じる臭いに快楽中枢が刺激されたようで驚いた表情になる桃花。

 「ほれ、オーク肉の串焼き二本だ。」 どうやらオーク肉らしい。ぱっと見は豚肉だ。そこらへんもラノベとそれほど変わらないらしい。


 思えばしばらく飯を食っていないので何となくワクワクしながら渡された串焼きを手にもってかじってみた。

 「......美味いな。」

 「そいつぁよかった。」

 「もう二本くれ。」

 「あいよ。」

 語彙力がないのでいい表現が思い浮かばないが歯ごたえがあり、普通にジャンクフードっぽくて美味かった。そこそこ臭みがあるがたれでいい感じに相殺されている。美味かったのでもう二本買って、桃花と食べながら歩きだした。





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