表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
under ground  作者: 七瀬
第2章 王都攻略
30/38

7話・急転

「ふー……確かこの辺りだったよな」

 転移してきた場所まで戻って来た。山を登るのも中々大変だ。体力の無さを痛感する。

 確か手を翳せばゲートが開く筈だったな。

「よし」

 開いたゲートに魔石を近付けると、身体が引っ張られ加速する。そして、次の瞬間には屋敷に戻っていた。

 やはりまだ慣れない。少し気分が悪くなったので座り込む。

 何度か深呼吸をし、漸く落ち着いた。そして、気付く。

 部屋が暗い。華蓮は戻ったのではなかったのか。それか、別の場所に居るという可能性もあるが……

(何だ……この臭い)

 刺激臭が鼻を突く。王都でも嗅いだあの臭いだ。

(死体の臭い、だよな……)

 そうとしか考えられない。

 では、【誰】が死んだのか。

 屋敷の人間である事は確かだ。

 臭いの元は、多分この部屋。華蓮の部屋だ。だとするならば死んでいるのはー

(まだ……決まった訳じゃないだろ)

 最悪の想像を掻き消す。

 とにかく、確かめなければならない。何が起きたのかを。

 そう思い、立ち上がって一歩踏み出した時だった。

 グチャリと音がした。不快な音だった。何かを踏んだらしい。一体何を踏んだのかと脚元を見る。

(……あ?)

 それはドロドロに溶けた肉だった。赤色や黄色やピンク色が混ざったブヨブヨした肉塊が血と共に床に広がっている。骨らしき物も見える。

(きっと魔獣の肉か何かだ)

 靴にこびり付いた肉を剥がそうとする。だが中々剥がれずバランスを崩し、床に倒れ込んだ。

 そして、俺は見てしまった。

 肉や骨と共に転がっている生首を。

 そこに張り付いたままの表情を。

 原形を留めていない腕や脚を。

 ズタズタに切り裂かれた、

 あの娘が着ていた【パーカー】を。

「あ」

 顔を見たのに遅れて気付いた。

 死んだのは、華蓮だ。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 俺は無我夢中で部屋から飛び出した。

 見ていられない。見たくない。

 こんな事があってたまるか。

 何が起きた。何で華蓮が殺されてるんだ。フェリアやロベルトは?ほかの皆は無事なのか?

 頭の中がグチャグチャで、思考がまとまらない。

(……うっ!)

 あの部屋の光景がフラッシュバックする。猛烈な吐き気に襲われ、堪らず吐いてしまった。

 立ち上がれない。脚が機能を失っている。身体の震えが止まらない。視界が明滅する。

 ふと目の前を眺める。長く続く屋敷の廊下は途中で無くなっている。その先には何も無い様に見える。

(……?)

 這う様に廊下が途切れている場所まで移動する。眼下には屋敷の残骸が広がっていた。

 崩落した、というのか。俺が戻った1時間ちょっとの間に。

(そんな……)

 残骸の中には押し潰されて最早原型すらない腕や脚らしき物が見える。

 一瞬の内に命を奪われたのだ。この惨状が誰の仕業かは分からないが、許せないと思った。

 床に手をつき、ゆっくり立ち上がる。少しフラつくが歩けない程ではない。

 とにかく屋敷から出るべきだと考えた、その時ー

「少年!」

 階下から声がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ