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Do you enjoy at this world?

こんばんはーーーー!

KURAです。

いつもより三倍元気にはじまりました。

はい、完結です。

紅茶を啜る。

やはりこのゲームは凄い、と感想を抱いた。

味は昔兄貴が飲ませてくれた高めの紅茶と遜色なく、もはや超えているのではないかと思う。


そして前にいるクラネスの方を見る。

思えばコイツが多苦に誘拐されてからああなったんだったな。


「久しぶりに会いに来たと思ったら口数少ないね?」


「まぁな。最近忙しくてこんな風に茶でも飲むのが楽しいのさ」


「君みたいな人間がねぇ」


あの後も少し一悶着があったりしながらも関係は良いまま続いていた。

闇ギルドというものに属する自分からも大切な友人だ。


「そういや、前みたいにクーデター起こされんじゃねぇの」


「失礼な。ちゃんと管理してるよ。まぁ、ある程度の反乱分子を放すのもコツだけど」


「政治家め」


「自由人に言われたくないかな」


そんな政治トークをするクラネスに苦笑いをする。そして俺は政治なんて出来そうもないなとも思う。


クラネスの家の庭に机を置き、向かい合うように座り、紅茶を嗜んでいる。

今この場にいるのは俺とクラネス二人だけ。

俺は誰も来ないよう伝えているし、クラネス側からも俺は信用されているからだ。


「何やら大きくドンパチしたんだって?」


「噂?」


「そ。噂だしそんな詳しくは聞かなかったけどね」


「はは、負け戦さ。負けなんて見えてた」


クラネスはキョトンとしたような目でこちらを見る。

というか噂ねぇ。

まぁ、大々的な戦いだったし、流れてもおかしくはないのか。


「逃げたの?」


「バカ言え。俺が逃げるかよ」


ニヤリと笑って自信を持っているように振舞う。

と言っても俺自身逃げる事は良くするし、最後に勝てれば良いと思っている手合いではあるのだが。

まぁよくあるカッコつけと言うものだ。

……まぁ、クラネスにはお見通しだったようだが。


「嘘だね。逃げる時は逃げるでしょ君」


「戦略的撤退さ。いつか倒す。……まぁ、それは良いにしてもだ。今回は逃げてねぇ」


「でも負けたんでしょ?」


「勝つだけが戦いじゃねぇよ。たしかに負けた、だが勝たせちゃいねぇ」


そこから俺は幹部連中から聞いた話や、その部下の話を聞いて補填した今回の戦いを物語のように聞かせた。


ふと気づくとクラネスはフフフと笑っている。

思わず怪訝そうな顔をすると、彼女は言った。


「なに、君の話し方を見てると楽しかったんだろうなぁってサ」


「……正解。楽しかったなぁ」


その言葉に数秒頭が止まる。

そしてその言葉をきっかけに感情が溢れ出た。

思わず噛み締めるような声が出た。

あぁ、今ニヤけてるよ。俺。

確かにあの戦いはホントに楽しかった。


「ありゃ燃え尽きちゃったの? 職業柄職人の燃え尽きとかよく見るんだよね」


「あー、職人は多そうだな。……でも俺は違うぜ? まだまだ満足出来ねぇ。もっと、もっと、もっと、楽しい楽しい戦がしたい」


イカレているなんて言われるのがしょうがないかもしれないが本心なのだからしょうがない。

負けたって良い。勝てなくたっていい。

もっと、もっと楽しい戦いを。もっと、もっと、もっと。

俺の心の奥底に眠る行動原理だ。

ウォーモンガーと言われようがどうでも良い。

外道と呼ばれようが何の痛みもない。


「相変わらずイカレ野郎だね」


「相変わらずとは失礼な。前は違う」


「違くないさ。隠れていただけで、ちゃんと見えてた。じゃないと僕が話しかける筈がない。君のその目は獣の目だ」


その真っ直ぐ俺を見る目は確信の色が見て取れた。

納得できないというと、嘘になる。

確かに俺は自分を偽っていた。

癖で己を出さないのが普通になっていたのだ。多分。

深層心理なんてよくわからない。

わかって仕舞えば深層ではないからな。


だが、殻の壊れた今そうだったのだろうとぼんやり思う。


「獣、ねぇ。当たってるんじゃねぇか。感じる飢餓に苦しみのたうちまわり、そしてなりふり構わず牙を剥く。なんとも俺らしい」


だからこそ今、この世界で己の戦場(エゴ)で戦えるのが本当に楽しくて仕方がない。

生きたい、喰らいたい、なんて心の叫びを相手にぶつけながら戦えるこの世界を愛してる。

従来のゲームじゃ足りなかった。

コレだからこそ。この世界だからこそ満たされた。


「やっぱり君は面白い。……さて、親愛なる戦争屋クン。君の部下がお待ちのようだ」


「……あー、ホントだ。楽しかった、クラネス。また茶を飲もう」


視線をずらすと門の方に人が見えた。

……時間か。

惜しいが仕方ない。


「君なら歓迎するよ。また来な」


「あぁ、来る」


俺は席を立ち、机から離れる。

微笑んでいるクラネスへ別れと再会の約束をする。

そして門の方に見えていた部下の元は向かう。


「どうしたデブ」


「あ、あんたなぁ……一応上司だけども」


あの監獄で知り合ったデブは一応俺直属の部下になっている。

デブは俺の秘書のようなことをしている。

そしてガリは結構フリーになっているため、メンバーからの相談はガリから来ることが多い。

イヤァズは俺から依頼を出している。

だから基本的に俺への連絡はガリかデブかイヤァズからくる。


「イヤァズの旦那から連絡です。話したい事があると。ついでにあのガリも来るそうで」


「あー、イヤァズか。わかった」


そんな話をしながらギルドに戻る。

相変わらず騒がしいんだか静かなんだかよくわからないごちゃ混ぜの空間だな。


イヤァズに頼んでた件か。

……神関連だったか?

気になってた事を調査してもらっていたはずだ。


ふと気がつくと近くにガリが来ていた。

フリーなのでよく部下達と喋ってたらするのだが。


「やぁ、親愛なるマスターよ」


「よぉ、ガリ。お前の方も報告あるのか」


「いや、特に。予定が空いていたからだな」


何の意味もなく来たのかよ……。

まぁ、こういう奴だしな。

ガリは笑っているし、デブは呆れている。


少し歩くとイヤァズがいた。

相変わらずの顔だな。


「遅かったな」


「これでもすぐ来たんだよ」


「まぁ、いい。神の力を微弱ながらも持つ石を見つけた。研究すれば少しは解析できるかもな」


「なるほどな。うん。良い仕事だ。ボーナスやるよう言っておくよ」


「ケッ、相変わらず良い会社ぶりだな」


相変わらずのひねくれっぷりで。

イヤァズからどこか神々しい石を受け取った後、少し雑談になった。


「そういや、イヤァズ次の依頼まで期間あくが、いつも通りココにすむか?」


「そうさせてもらう」


「あぁ、オッケー。デブ、言っといて」


「あー、わかりました。そういや、正規ギルドのお偉いさんが何かウチに目をつけるらしいですよ」


基本デブは仕事モードの時は敬語なのだが、どうにも慣れん。

ガリなんかうへぇと気持ちの悪そうな顔をしている。

そしてガリは小さく手を挙げた。


「ん、それ俺がいくわ。どうせあそこザルだし」


「んじゃ頼むわ。失敗されたら報復するのが面倒だ。失敗してくれるなよ?」


「誰に言ってんだ?」


ガリやデブは一応ウチのギルドに入ってからは鍛え直された。

幹部連中から訓練を受けたし、部下達も新鮮なのか、よく仲良くしている。


イヤァズは多苦が一番目をかけてたな。

変人同士気があるところがあるのかもしれない。


「んじゃこの後定期集会あるし、その後にでも頼むわ」


「おー。今回の議題なんなんだ?」


「……さぁ?」


「戻し作業の進捗と目標決めでーす。マスターが忘れないでくださーい」


「わーったよ」


流石に怒られたな。

でも議題決めたのヨルだし、俺そんな関わってないんだよな……。


その後三十分ほど経つと、俺たちがいたギルドハウスには人がわらわらと集まってきた。

定期集会には皆参加する。

何故ならウチのギルドを利用するためにも利用されるためにも参加しておかないと利益が発生しないからだ。


「おや、珍しいね。いつも遅刻するのに」


「それは違うな。遅刻ギリギリな?」


最初に幹部はヨルが来た。

揶揄いながらも意外そうな顔だ。

何気に真面目な奴だから早くくる。


そして他三人はゾロゾロとほぼ時間三分前くらいにきた。

お前ら一緒に行動してたのかって位だがコイツらの事だからギリギリまで作業でもしていたんだろ。

みんな自分の世界に入ると中々戻ってこないしな。


「さて、始めようか」


「そうだな」


ヨルの言葉に頷き、前を向く。

そしていつもの始まりの言葉を言う。


思えば遠くに来たもんだ。

しみじみと思う。

だが一つだけ言える事がある。

俺はこのゲームをして、本当に良かった。


「お前ら、楽しんでるか?」

打ち切り!? と思いました?

違います。コレで終わりなんですね。

ぶっちゃけ初期の最終回構成と違うんですけどね。


まぁ、結構長いこと書いてましたし、語りたい事も結構あるんですけどねぇ。

コレが今の私の中でこの物語の最高の結末になるよう頑張りました。


活動報告にコレの完結した感想とか書こうかなぁと思ってるんですけどね〜。

要望があったら60%くらいで書く確率が100%になりますね!


長くなりましたが、コレでこの物語を締め括らせたいと思います。

終わり、といっても死んだわけじゃあありません。

この世界は続いていきます。

どうかall battle online の辿っていく世界に幸福あれ。


皆様長々とご閲覧ありがとうございました!

本当にありがとうございました!

ご縁があればまたお会いしましょう。

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