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瓦礫の下にてロクデナシ共は嗤い合う

こんにちはー。

KURAです。


モチベーションが上がったので珍しく昼にせっせこ描きました。

「どうする? コレから」


幹部連中と飲みながら、部下達の馬鹿騒ぎを見ていると横からそんな声がかかった。

発信源を見てみるとそれはヨルだった。

ヨルはコチラを真っ直ぐと見ている。

あー、コレはあれか。クラン関係の話か。


「……どうするって? 何が」


「いや、負けちゃったじゃん? 僕ら。コレからどういう風に活動していくのかなって」


「……?」


意味のわからない質問に首を捻る。

はて、どういう事だ?

質問はわかるのだが何故それを聞くのかがわからないし、その質問の意義がわからない。


はて? と首を捻っていると横で多苦が笑い出した。

しかもバカ笑いだ。

なんか笑われてる感じがして少しむっとする。


「カッハッハ! 聞いたかシャドウ。俺らのクランマスターは懲りるなんて言葉を知らぬらしい」


「なんだい落丁してるじゃないか」


「……お前らなぁ。流石に俺でも懲りる時はあるぞ?」


……あぁ、なるほど。

コイツらの話を聞いてわかった。

ヨルは今回痛い目を見て懲りたのかと。

懲りて少しは方針を変えるのかと言いたいらしい。

ヨルの方を見ると間違っていないらしい。


「なるほどね。……どうする? お前ら。コレから真っ当に生きて、少しは世のため人のため、ゲームの為にでも、動いてみるか?」


多苦のバカ笑いを聞いて同じく馬鹿騒ぎをしていた部下達はこちらを見ていた。

バカ共が。面白そうな空気を悟ったらすぐこれだ。

そのコチラを見ているバカ達はニヤニヤと、何を言うわけでも無くコチラを見ていた。


「俺はこれでも民主主義が好きでね。多数決を取りたいんだ」


少しは話し声のしていた今いる個室がシンと静まり返る。

まぁ、ニヤニヤは収まっていないが。

真面目な話だぞ、ニヤニヤを止めろ。

勿論こんな水を刺すことは言わないが。


「懲りた煉獄行きのバカ野郎は今すぐ立って退席しな。脱退祝いだ。奢ってやる」


誰も動かない。動こうともしねぇなコイツら。

最早動こうとしてる奴らを探してるよ。

性格悪いな。


「なら、今いるバカは自分から地獄に行こうとしてるキチガイで相違はないか? 割り勘だぜ、出て行った方が良いんじゃないか?」


……コイツら無言で財布見せてきやがった。

出て行く気はさらさら無いらしい。


なるほど、バカは死んでも治らんというが。

合っているらしいな。VRの擬似的な死でも治らんみたいだ。

まったく何でこんなバカ共が集まったんだか。


「まだ暴れ足りないクソッタレ野郎はこのまま騒いでな。負け犬の遠吠えを遠くまで届かせるようにな」


俺がそう言うと先程よりも大きく騒ぎ出した。

相変わらず馬鹿騒ぎと喧嘩が好きなようだな。


……全く俺が言ったから言うのもなんだが苦情でも来るんじゃないか?



「……らしいぜ?」


「なるほどね。バカばっかりだ」


「前任のマスターがそれ言う?」


ぶっちゃけ半分くらい集めたの君だと思うんだが。

何はともあれ俺らの方針は変わらないし、変えない。

懲りるなんて事はあり得ない。


「くっはは。こんなザマじゃまた天使共が乗り込んでくるのもそう遠くは無さそうだな」


「楽しいから良いだろ?」


「違いない」


多苦は笑う。

それをペナルティとするのから俺たちにはペナルティの意味となっていないし、最早歓迎すらする。

アイツら普通に強いからな。訓練に丁度良い。


「あーらら。コレからも嫌われ役かぁ」


「今さらだろ? ポイズン。俺らみたいな日陰者にゃ日常だし」


「……まぁね。ま、俺はついていくよ。マスターさん」


なにやらおもむろに右手を出すポイズン。

……あぁ、握手か。

握手をし、これからもよろしくと言い合った。


好き勝手楽しいことやってたら結果的に嫌われた。

なら嫌われ者で別に良い。

何と言われようとも自分を貫く、それが俺らの方針だ。


「俺は居心地が良いんで残るかな。ま、出て行く奴なんていたらとっくの昔に出て行ってるだろうけど。そういやウチ恨み買ってるけど、大丈夫なの」


「んー、駄目じゃない? 俺らの実力が戻るまでは報復とかされるかもなぁ。ほら、俺ら闇も表もちょっかいかけててじゃん?」


「なるほどね……。ま、頑張りますか」


「おう。頼むぜシャドウ」


「頼まれました」


なんだかんだシャドウは頼りになるからな。

自分が火力だすタイプじゃないしな。

他二人は……といってもポイズンは微妙なのだが、どうしても自分でやれるため主観になる。

だがシャドウは客観的に見ているため、相談するならシャドウなのだ。


シャドウにとって居心地が良いのなら良かった。

というより居心地が良いクランってのはよくわからないが皆にとって居心地が良かったならマスターとしては喜ぶべき事だろうな。


そしてヨルに振り返りニヤリと笑う。

呆れたような顔だ。


「満場一致。お前以外はな?」


「……ホントバカばっかで嫌になるね」


「本当に?」


ヨルはニヤリと口を歪ませる。

ま、だろうな、といった感想しか浮かばない。

俺の前任だし、ココのサブマスターだ。

コレを楽しまなきゃ、ココに居ないさ。


「まさか」


「お前もバカって事だろうな」


「同じくバカなら堕ちるとこまで堕ちてみようか」


「そりゃ良い。楽しそうだ」


ぐいっとグラスに入っている酒を流し込む。

酔ってはいないのだが、なぜか笑ってしまう。

そして言葉が自然に漏れ出た。


「あぁ、楽しかったなぁ」


「あん? コレからも、だろ?」


「……あぁ、そうだな。これからも楽しいだろうな」


多苦の言葉におかしくなって笑ってしまう。

あー、少し酔ったかな。水飲むか。


楽しかったなぁ。

そしてコレからも楽しくやっていこうか。

ちなみに最終回では無いです。

多分次……かな?

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