絶対絶命のチャンス
恥ずかしながらも帰って参りましたぁッ!
ってなわけでKURAです。
いいわけをさせてもらうと受験のためにしょうがなかった。きゅー、いー、でぃー!
「着いたぞ。……てめぇ何企んでやがる」
ある計画を頭の中でたてていたらやはりバレた。
彼はやはり心音なのか知らないが読心もどきをつかえるようだ。
まぁいい。
計画を始めよう。
「貴方は先程信仰心が無いと言いましたね」
「……ほう。そうだが?」
「ならば貴方は何故ここにいるのですかね?」
「金だな。あとは死にたくない」
ビンゴ。交渉次第か。
じっと彼のいくつもある目のひとつをじっと見つめながら。
「貴方を雇いたい。いくらでしょうか」
「……正気か?」
「正気じゃないなら何でしょう?」
「お前普通じゃねぇよ」
裂けたようにニタリと笑うとジロリとこちらを五つの目が射抜く。
「5000」
「1日?」
「週だ」
驚いた。
いや本気で。
「なんてことだ。安すぎる。二倍出そう」
「クククッまともじゃねぇよお前。こんな化物を仲間にするなんて」
「化物なんて仲間にできたら最高じゃないですか」
「神に逆らうんだぞ? 日に当たれない体になるかもしれないぞ?」
「何を今さら。俺は梟で、夜の獣だ。名前はヘルクロウでカラスだがな」
「気に入った。体全てで信用を勝ち取ったやつはいつぶりだっけなぁ」
とても嬉しそうに口を裂けさせる彼にこういった。
狼煙をあげよう。まずはここだ。
そこからは早かった。
あのあとガリポチャブラザーズに紹介した。
彼らは最初怪しんだものの受け入れてくれた。
そしてイヤァズ経由で武器を手に入れたのだが、ここで警報がなる。
そして放送響き渡った。
「神の反逆者よ。すぐに投降しなさい。今なら万死で許しましょう」
「お断りだよこの羽虫がッ!」
「おいおい大丈夫なのか?」
「ピンチはチャンスっていうだろ? ってなわけで行ってくる」
天使は飛べるらしい。
つまり俺しか戦えない。
まぁしょうがないことなのですぐさま飛び立ち来るのを待つ。
「オロカモノメ」
「おっと、舐めるなよ? 不意打ちで決めようなんざ問屋が卸さねぇぜ?」
「死刑執行シマス」
「きけよ」
まぁいいか。
陣魔法発動 羅刹の遊び場
「ハァ~……ハァ~……殺す」
「死ネ」
俺はまきあがる本能に身を任せ剣を力一杯に叩きつける。
ガンガンと叩きつけられる音が鳴り響くなか。
天使の目が光る。
「遅イ」
「なっ!」
いつの間にか後ろに回り込んだ天使に後ろをとられてしまった。
「んてなぁ!」
「ッ!?」
ちゃんと予想していたさ!
僅かばかりに残っていた理性で後ろに巣を張り巡らせていたのさ。
さながら巣に絡まった蝶ようにもがく天使はひどく滑稽で笑ってしまうなぁ?
「雑に作ったとはいえ俺の糸だ。簡単にちぎれるとは思うなよ?」
「オノレェェェェェェ!」
「じゃ、さよなら」
持っていた剣で天使の首をはねる。
回り重力に従い落ちていこうとする首を掴むと口のところまでゆっくりと持っていき。
ガブリと噛みつく。
骨を、脳味噌を、体を、内臓を。
全て食い散らかす。
冒涜的に、背徳的に。
バカにするように、虚仮にするように、
そして食い散らかした後言ってやった。
言っちゃった。
吐き捨てた。
嫌な笑みで。
赤に染まった歯を見せるように。
「おぉ、神よ」
その時すべての教会の神を象徴とした像に雷が落ちた。
いやさながらに雷を迸らせたかのように見えたと言う者もいた。
だがそれも誰もわからない。
だって神の気持ちなんて誰もわからない。
まさしく、神のみぞ知る。