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Transparent Blue  作者:
6/11

アリアスの花

果たして今度こそ、主人公は蔵に行くのか!?

早く、早く蔵の近くに行きたい!

気持ちばかりが焦ってしまう。


蔵を目掛けて走っていると、遠くから声がした。


「坊ちゃん!坊ちゃん!」

僕を大きい声で呼ぶのは、庭師のジョルジオだった。


「ジョルジオ、どうしたの?」


「こちらでアリアスの花が綺麗に咲いてましてね…是非、坊ちゃんに見て頂きたくて」


(ナイスタイミング!!)

ジョルジオの申し出に思わず、笑みが溢れる。


「ジョルジオ、どこに咲いているの?」


「坊ちゃん、こちらです。案内致しましょう」


「うん」

素直に従い、ジョルジオの背中を追う。


「そういえば、何か用があったのでは?先程、走ってらしたでしょう?」


「ううん、大丈夫!アリアスの花を見に行こうとしてたんだ!」


「へぇ、それは驚きました!坊ちゃんは、私の言った事を覚えていらしたのですね」


「ジョルジオ、失礼だな!僕は、勉強は嫌いだが…植物や生物は大好きだぞ」


「それは、坊ちゃん…失礼しました」

そう言って、僕とジョルジオは目を合わせて笑った。


「あっ、カヨにお茶の準備をしてもらったんだった!」

カヨに頼んでいた事を思い出し、焦る。


「坊ちゃん、ではアリアスのお花の場所だけお教えしますので、後でカヨにお茶を運んで貰ってはどうです?」


焦った僕を見て、ジョルジオは提案する。


「そうだね!そうする事にするよ」

ジョルジオに、アリアスの花が咲き乱れる場所を教えてもらった。

その場所は、蔵の目の前だった。

急いで、カヨの元に走る。


ティーカップを持ったままウロウロするカヨを見つけ、叫ぶ。


「カヨー!ごめーん」

その声にカヨが振り向いた。


「坊ちゃま、探しましたよー!どこにいらしたのです?せっかく、美味しいクッキーを用意しましたのに…」

頬を膨らませ怒るカヨは、とても幼く見えた。

そんな事を言うと、カヨが怒るので言わないが。


カヨを連れ、アリアスの花の場所まで行く。


アリアスの花は、見事に咲き乱れていた。

その花を見たカヨはただ見つめるだけで美しさに声も出ないようだった。


「カヨ、お花綺麗だよね。ジョルジオが愛情を持って育てた証拠だよね」


「そうですね。ジョルジオ様が大事に、そして大切に育てられたのでしょう」


二人でじっとアリアスの花を見つめていた。


「では、坊ちゃま…お茶にしましょう。只今、準備致しますね」


そう言ってカヨはティーセットを手際よく準備している。


「準備が終わりました。坊ちゃまの好きなアールグレイとクッキーです」


「ありがとう、カヨ。では、頂きます」


「どうぞ、召し上がれ。では、坊ちゃま…申し訳ありませんが、この後旦那様の準備がありますので、失礼致します」


「あぁ、ありがとう。僕は、ゆっくりするよ」


持ち場に戻るカヨの背中を見つめながら、クッキーを頬張る。

口内に程よい甘さが広がり、僕の頬も思わず弛む。

さて、蔵の近くまで来た。

では、あの日の冒険の続きの始まりだ!

今度は、父様に見つからないようにしないといけないと思いながら、またクッキーを頬張るのだった。


今回も蔵に行かない(笑)

早く行けよ!って思いますが、次話では絶対に行かせます。

蔵の近くまで来るのに時間かかった…



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