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僕とエドワードはとりあえず、街を周ることにした。
「とりあえず、ソラの装備もうちょっと整えた方がいいんじゃないか?軽装にしても軽装すぎる気がするぞ。」
「動きやすいから、これでいいんじゃないのかな?まあ見るだけでも、武具店に行ってみようか!」
オルフェリアには、有名な鍛冶職人がいるらしく、僕たちはそこに行くことにした。
そして、店に着いた。
看板には【メイド オブ アリス】
女の子が作っているのかな?僕は名前に少し不安を感じた。
店に入ると、
「いらっしゃいませ、冒険者様!」
とメイド服を着た、獣耳が付いた女の子が可愛い声でお出迎えしてきたのだ。
「ソラ、ここは天国か何かか?やばいぞ、耳だぞ!よく見れば、しっぽもあるぞ!しかもメイド服だぞ。」
とエドワードがとても興奮してうるさくなった。
「こんな店がこの世界にもあるのか。父さんはどう思って作ったんだろ。」
少し衝撃を受けた僕だった。
「冒険者様、私はアリスと申します。ここで様々な武器や防具を作ったり、冒険者様に適応したものをオーダーメイドで作らせていただいております!」
「冒険者様は剣士ですね!どれどれ、体のチェックをします!アチョチョチョチョー!」
エドワードが羨ましそうに、睨んでいる。僕は笑いをこらえるのに精一杯で辛かった。
「ふむふむ、稀に見る感じですなーお主。
デュアルソード(双剣)を使えこなせさえすれば、あなたは最強の剣士になれるのではないでしょうかー?」
「まじか、ソラ。デュアルソードなんて使えるやつ、この世界ほとんどいねーぞ!しかも、アリスちゃんからお触りまでいただいて…ずるいぞ。俺も身体チェックしてください!」
「はーい!」
人差し指で肩に触れただけだった。
「えーそちらの騎士さんは、現状維持ー!」
「がーんっ。」
エドワードが膝を落として、魂が抜けたように落ちこんでいる。かわいそうだったがおもしろかった。
「デュアルソードをオーダーメイドで私に作らさせていただけないでしょうか?ただ、素材で希少種なものが1つあります。龍玉というものがありまして、この町から少し行ったとこにある、アポロの龍塔という塔の一番上にいる黒龍ベラフェルトを倒さないと手に入れることができません。」
「龍なんて僕に倒せる自信がないよ。」
僕にはまだそんな力がなく、あきらめることしか選択できないと思った。
「お前、そんなことでメイちゃんのこと救えるのか?龍の一匹でも倒さないと魔王なんて到底無理だぞ。お前には仲間がいるだろ。クオン、ハクア、そして俺がいるじゃないか。やってみようぜ?」
エドワードがさっきの落ち込みが無かったかのように、僕に言ってきた。
メイを救うための道には必要なもの。僕はまだ弱虫、けどこれまで仲間がいたから、進んでこれた。僕の中で、何か熱いものが動いていた。ここで逃げてちゃだめだ。
「アリスさん、取ってきます。龍玉を持ってきます。」僕は決心した。
一方、姫方たちは情報収集といいながら、走って向かった先は、温泉だった。