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酒場では噂で
「小さな女の子が魔王が支配する城に姫として迎えられた。」
というものが街の人たちの間で流れていたのである。
間違いない。
僕は、メイということを確信したのである。
「その城はどこにあるんだ?どこに行けばいい?教えてくれ!」と必死に聞きまわった。
手がかりとして、城はこの街からずっと北にあるルイン(ruin)という場所にある。
城の周りには、魔王の配下の魔獣、魔人がたくさんいるらしい。
「ソラ、私たちで行くのは難しいのではないか?」クオンは言った。
「そんなことは関係ない。メイは僕が守らないといけないんだ。絶対に。
だから、クオン!僕に剣術のスキルを教えてほしい。魔王を倒す力を僕は手に入れないといけないんだ。」
そう。メイを連れ去った男に僕は手も足も出せず、ただ立っているしかできなかった。
「その話、俺たちにも聞かせてくれるか?」
酒場の奥のテーブルから聞こえた。
そこには、騎士の男と魔法使いの女が座っていた。