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僕とエドワードは盗賊のアジトへ突入した。
まず、エドワードが正面から陽動として仕掛けた。
「さあぁ!出てこぉぉーい!」
その声に反応して、盗賊たちが出てきたのである。
「なんだなんだ?てめえは?」
盗賊の頭領らしきやつが口を開いた。
「どうしますか?アニキ!とりあえず捕まえて身ぐるみ剥がしましょうよ!」
さらに、頭領の部下が15人ほど一緒にでてきた。
「ちょっくら、暴れにきたぜえぇぇっ!」
-GIANT KILLING-ver ASYURA
エドワードの顔が3つ、腕が6本と増え、名前通り阿修羅観音の体になった。
「ひえぇぇぇ!なんだっ、あの化け物ーっ!」
部下たちは、脅え始めた。
「人数は、こっちの方が上だーっ!一斉にかかれーっ!」
頭領は、ビビりながらも部下たちに命令した。
「イクゾ…」
エドワードと盗賊たちが激突した。
その頃、僕はというと裏の戸口から陽動により、アジト内が手薄になったことを確認して、侵入した。
まだ中に盗賊がいるかもしれない。とりあえず、慎重に探るとしよう。
クルミちゃんは、どこに捕らえられているんだろ。
僕は2階へつながるハシゴを発見した。
そして、ハシゴを登った。
すると奥の方に鉄格子らしきものを発見した。牢屋だった。
そこには見張りの大男が1人立っていた。
牢屋の中には、小さな女の子がいた。
クルミちゃんだ!
ダラダラしている時間はないけど、あの見張りをどうしようかな。困ったな。
見張りの男は僕よりもひと回り大きく、力では勝てそうにはない。
まあ、考えてもしょうがないかー。
クルミちゃんは絶対助ける。
「誰だ!お前っ!どうやって入ってきた?」
僕は正面から牢屋へ向かった。
「もう君たちは、終わりだよ。僕の仲間が外で君たちのリーダーさんと部下たちを倒してる頃だと思うよ。」
「そんなわけないだろ?ここは通すにはいかないなっ!俺は今まで負けたことはない。さあ、かかってこいっ!」
やっぱりそうなるか。さあどうしよう。
「お兄ちゃん、助けてっ!」
メイ?
僕は一瞬メイが僕のことを呼んだと思った。
「クルミちゃんだね!すぐ助けるから!」
その時だった。
僕の体というか心の中から力が湧いてきたのを感じた。
「なにを言ってるんだーっ?俺を倒してから言えよな!くらえーっ!」
大男は、斧を上から振り落とした。
「ぐっ!」
一撃がとても重い。くそっ、馬鹿力すぎる。
僕がよろけたところを、大男は蹴りを入れてきた。
「ぐはっ…」
蹴りは僕に直撃して、5mくらい吹っ飛ばされた。その時に剣も飛んでいってしまった。
「お前弱すぎるだろっ!ガッハッハ!せっかく助けにきたのに無理だったな!」
やばいっ、さっきの蹴りが効いてる。動けない。1人じゃ結局なんもできないんだよ。
「頑張って!頑張ってお兄ちゃん!」
クルミちゃんが応援してくれている。
諦めるのは、まだ早いよな。
絶対助けるっ!
さっきの体からの違和感はたしかにあった。
それはスキルの習得だった。
「そろそろ終わりだーっ!お前の仲間も倒してやる!」
僕はとっさに剣を拾って、構えた。
-一嵐-
斬撃が嵐のようになり暴れ、大男を巻き込んで、そのまま鉄格子までぶっ飛ばした。
「な、な…なんだ…そ…れ。」
と言って、大男は倒れた。
ふぅ。なんとか助けることができた。
「クルミちゃん、大丈夫だったかい?お父さんに頼まれて、君を助けに来たんだよ!さあ帰ろうかっ!」
「ありがとう!お兄ちゃん!けどまだ危ないよ?あの人の仲間がいっぱいいたよ?」
「それなら、大丈夫だよ!とっても強い僕の友達が外で倒して、待ちくたびれていると思うよ!」
クルミちゃんは心配した顔していた。
「おーい!ソラ遅かったなー!お腹空いたし、早く帰ろうぜ!」
エドワードが外で待っていた。
もちろん、そこらへんの盗賊がエドワードに勝てるわけがないのだ。
ちなみに、僕が倒したのは盗賊の頭領が雇った腕っぷしの賞金稼ぎだったらしい。
そりゃあ、強いわけだよな。
僕は安心というか、色んな意味でホッとした。
僕たちは、無事にクルミちゃんを救うことに成功した。
そして街に戻ることにした。