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街の入り口の前でアリスがいた。
手を大きく振っている。
どうしたんだろ。僕は疑問に思った。
「冒険者様!あのベラフェルトを倒すなんて、すごいじゃないですか!武器の素材入手のためでも良くぞ倒してくれましたね!」
「アリスちゃんじゃないかー!俺らを心配してくれたんだな!ありがとう!いやー、大変だっ…」
エドワードをスルーして、アリスは話した。
「そちらのお二人とは、初めてでしたね!オルフェリアで鍛冶職人をしています!どうぞ、よろしくです!」
「実は、冒険者様たちには隠し事をしていました。あの塔の近くには、様々な資源が入手できる場所があったのですが、街の方たちは、危険で近づけなかったんです。過去にも、いろんな冒険をする人に依頼してみたんですが、帰ってきませんでした。嘘ついてて、ごめんなさいでした。」
アリスは申し訳ない様子で深く頭を下げていた。
「危険には変わりなかったけど、街の人たちの助けになれたんなら、いいよ!
それにちゃんと龍玉も手にいれたことだしな。」
僕はそう言って、アリスに龍玉を手渡した。
「ほんとにありがとうございました!では、これで素材も揃ったことなので、アリスにお任せください!3日ほどお時間いただきます!なので、3日後にまた店に来てください!失礼したします!」
と言ってアリスは、走って店に戻っていった。
「私たちの知らないとこで、人助けしていたんだね!まあ一石二鳥ってかんじかな?戦って、2人の看病して疲れたし、みんなで温泉行こうよ!」
「行きたい、行きたい!ウチも魔力使ってクタクタやわ〜。」
クオンとハクの勢いで、僕とエドワードは温泉へとついて行った。
傷に少し染みて痛かったが、ハクたちの言う通りでとても居心地がよく、気持ちが良い温泉だった。
それから、酒場へ行き、ごはんを食べに行くことにした。
「それにしても、ここのお肉めっちゃおいしいな〜!ウチ、幸せやわ〜!」
「ハク、口についてるよー?ちゃんと野菜も食べるんだよ?
あ、そうだソラ。武器できるまで、3日だよね?それまで予定ないし、私、ハク連れて薬草採取とかしたいのだけどもいいかな?」
とクオンがハクの口に付いた食べかすを取ってあげて、僕に聞いてきた。
「大丈夫だよ!待たせて悪いね。それなら、3日後にアリスの店で落ち合うことにしようか。アリスの店は、この店を出て右に行くとすぐにあるから。」
ということで、僕は明日からエドワードと2人で街をもう少しぶらつくことにした。
クオンたちは、塔の近くにある森林に向かうようだ。
その話を密かに聞いていた男がニヤッとした。
僕たちは、そんなことは気付くこともなく、酒場を後にし、宿に戻った。