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「ひゃっほー!」
「ハク、転んだら危ないぞー!」
2人は湯に向かって、全力疾走した。
「癒されるー、ここまた来たいなって思っててん!クオン、ここの湯ちょー気持ちいやろ?」
「温泉は私は初めてだが、これはやみつきになるな!最近肩こりがすごくて、困ってたんだよ。ハクも肩こらない?」
その言葉にハクの反応は秒速を超えた速さで反応した。
「はいはい、私はないですないですー!肩とかこらんしー。ばかクオンー!」
と思いっきり、クオンに飛びついた。
それもそうだった。ハクアの身長は150センチ前後の中学生のような容姿。顔も童顔である。
それに比べ、クオンはスタイルもよろしく、憧れのお姉さんスタイルなのである。
「許さへんでー!ハクアエクスプロージョン!」
「ハク、こしょばいってば!アハハハっ…ってやめなさーい!」
そして少し落ちついた。
「ふう、やっと止まったよ。ハクには厳禁なんだね。」
「幼女なめんな、お姉さんなんか関係ないからなーっ!!」ハクは怒った猫のようになっている。
「あははっ!ごめんよ?」
「そういえば、ハクのお母さんは何で連れ去られたの?話したくなかったら、深くは聞かないけど。」
「あーウチのお母さんの話ね、クオンには話すよ!」
…ハクが6歳の時のことだった。ハクの家族は代々魔法使いの一族でそこそこ有名な一族であった。両親の手伝いで、ハクは森に3人で調合に必要な素材を取りに出かけていた。
素材を取り終え、帰り道。
突然のことだった。3人の周りを黒い霧が包み込んだのである。3人の前に現れたのは、魔王の配下の幹部の暗黒騎士デュラハンという首なし騎士だった。両親の反応を見ると以前に顔を知っているようだった。「ハクア、逃げなさい。」と言って、父親はデュラハンと交戦し始めた。「お父さんとお母さんに任せなさい!ハクアあなたは先に家に帰ってなさい。」と母親はハクアを魔法で街に飛ばしたのである。その後、ハクは街につき、泣きながら走って助けを求めた。エドワードの父親にそれを伝え、ハクはエドワードに飛びつき泣き続けた。しばらく経って、帰ってきたのは、エドワードの父親とハクの父親であった。そこに母親の姿はなかった。ハクの父親は瀕死状態で意識不明、母親はデュラハンにより魔王の城へさらわれてしまったのである。父親は未だに意識不明の状態である。ハクとエドワードは、この事をきっかけにハクの母親を取り戻すために人探しをしていたのである…
「そんなことがあったんだね。きっとハクのお母さんは生きてるよ。ハクを置いて死ぬわけがないよ!しかも私たちが絶対に魔王を倒して助けるんだからさ!大丈夫だよ!」
「うん…ウチも生きてることを願ってる。お父さんのためにも絶対助けてみせる。ありがとうな、クオン。ウチも足引っ張らんように頑張るでー!」
ハクは少し涙を浮かべながら、クオンに話した。
「ハク、そろそろ出ようか!ソラたちに任せっきりじゃ、怒られそうだし!」
「そうやな!クオンも相談してや、ウチも力になりたいし!」
2人は、温泉を後にして、少し街を探ってソラたちと集合場所で合流した。