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僕は弱虫だ。
なぜなら……力がないから。
でも、どうしても助けたくて守りたいものが一つあった。
これは僕が大切なものを命をかけて守り抜いた物語。
僕は、2080年の未来都市ネオフロンティアという、世界で最も研究や開発が進んでいる大研究都市で普通の高校3年生をしている。
このネオフロンティアには、ほとんどが学生の子供で、大人は、学校や研究所にしかいない。
コンビニやその他の施設には、工業用機械いわゆるアンドロイドがいるのだ。
僕は妹と二人で学生用アパートに住んでいる。
両親は国の研究所の人間で僕が中学生の時から一緒には住んでいない。
妹の名前はメイ。
メイは中学3年生だが、家の事は完璧にこなせるデキル中学生だ。
それに比べ僕は、そんな妹にいつも怒られているダメ兄貴。
妹には怒られつつも、基本的には仲が良く、代わり映えのない中に、小さな幸せを感じる生活を粛々と送っていた。。
そんな中、事件が起きたのは、高校3年の夏の8月のことだった。
いつもは、全く連絡をして来ない父親から、珍しく電話がかかってきた。
「今から、メイと一緒に研究所に来い。」
と人の親なのかと思う、冷徹な声が電話の向こうから聞こえた。
僕は理由も聞かず、
「わかった。」
とだけ答えて受話器を置いた。
そして、メイが学校から帰ってきた時に内容を伝え、僕は妹を連れて、研究所へ向かった。
外を出た僕たちを、太陽は真夏の暑さとともに照らした。