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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

バレンタイン

作者: 花咲 寧

 勢いで書いたのでgdgdかも。


 一日で書いたから内容も深くない

 バレンタイン。私はこの行事があまり好きじゃない。

 本命、義理、友チョコ、逆チョコ。どれも貰うことが無ければ、渡すことも無い。

 高校に入って最初のバレンタイン。少し仲のいい友達は出来たけど、そんな頻繁に遊ぶわけでもない。教室で少し話す程度。

 果たして本当に友達といえるのかすら怪しい。

 好きな人にチョコを渡す? そもそも好きな人が居ない。

 義理チョコを配る? やだよめんどくさい。

 友チョコを渡す? 義理すらめんどくさいって思ってるのに、なんで友達に。

 逆チョコを貰う? 絶対無い。ここ女子高だし。


「莉奈ー、バレンタインにチョコ渡す相手いないの?」

「いない。用意するのめんどくさいもの」

「えー。じゃあ友チョコ貰えないかぁ」


 がっかりしてる彼女は、学校で一番親しい香坂澪こうさかみお

 私とは違って明るくて可愛い女の子。


「じゃあ誰かから貰う予定は?」

「無い」

「えー、莉奈凄くモテそうなのにー」


 同性に――そう言って笑う澪。同性にモテて嬉しいものなのか。別に同性愛に偏見があるわけじゃないけど、自分が告白される立場ってのが考えづらい。


「あ、機嫌悪くした?」

「別に。ただ、同性にモテて嬉しいものなのかなー、と」

「憧れの先輩とか、同世代でも少し大人びてる子って何かかっこよく映らない? 恋愛対象じゃなくて、本当に憧れてるだけ。そういう子たちから莉奈は貰いそうだなって」

「澪は純粋に仲のいい友達から沢山貰いそうだよね」

「どうだろうね」


 授業開始のチャイムが鳴って、席に戻っていく。今日はもう澪と話すことはなかった。




 二月十二日。バレンタインが日曜なため、今日チョコを持ってきてる生徒が何人かいる。用意できなかった人が、十五日に持ってくるとか話してるのが聞こえた。

 玄関で上履きに履き替えて教室に行く。机の中に教科書をしまっていくと、何かに当たった感触が。


「何これ」


 入ってたのは、かわいらしくラッピングされた四角い小さな箱。

 その上には小さく折りたたまれた紙が付いてて、見える部分に小さく『澪より』と書かれてた。


『初めて莉奈を見た時、一目惚れしました。ずっと好きだったけどなかなか言えなくて、昨日話したときに、手紙で良いから伝えようって決めたの。

 中に入ってるのはトリュフだよ。粉砂糖で白くしたのと、ココアパウダーで黒くした二種類。

 私は莉奈のことが好き。付き合いたいって本気で思ってる。もしOKなら白いほうを食べて。ダメなら黒いほうを』


 手紙を読み終えて教室を見渡す。澪の姿は無く、これじゃあどっちを食べたか彼女は分からない。

 私は澪のこと・・・・・・。


「好き、なのかな」


 彼女は可愛い。時々見せる無邪気な笑顔や、ちょっと悪戯を思いついたときの悪そうな顔に何度かドキっとさせられた。

 女の子同士の触れ合いで、頬にキスなんてよくあるのに、私の心臓がうるさいぐらいに脈打っていた。


「あはは、これって誰に聞いても『恋してる』って言われるよ」


 もし自分が相談されても、そういう風に返す。

 チョコは後で本人の前で食べよう。返事をするとか関係なく。

 私は正直に、直接伝えればいい。言葉にしなくても行動で伝えればいい。

 前のドアが開いて澪が入ってくる。私はすぐに澪からもらったチョコを持って席を立ち、彼女の腕を掴んで廊下の外に出る。


「え? ちょ、莉奈?!」

「澪、この時間で人が居ないような場所ってどこ?」

「へ? えっと、立ち入り禁止の屋上とか? その前物置みたいになってるし、誰も近寄らないよ」

「じゃ、そこに行こう」


 説明してって言ってくるけど、私は無視して彼女の腕を引っ張り続ける。

 目的の場所に着いた私は澪の腕を放して、本題に入るために口を開いた。


「チョコ、ありがと」

「あ、もう・・・・・・食べた?」

「まだ。手紙読んだよ。そんな風に思われてるなんて、気付かなかった」


 不安なのか、俯いて黙る澪を見て、抱きしめたい衝動に駆られる。

 だけどまだ早い。私の気持ちもちゃんと伝えないと。


「私ね、澪のいろんな笑顔に何度もドキドキさせられてたんだよ? ほっぺにキスされたときなんて心臓破裂するんじゃないかってぐらいうるさくて、あの時抱きついてきてたけど、気付かなかった?」

「わ、私もあの時凄く心臓うるさかったから」


 遠まわしだけど返事したの、少し気付いたかな? まあこれで終わりじゃないから気付かなくても問題ない。

 顔を上げた彼女に近づいて、そっと額にキスを落とす。

 驚きと嬉しさ、両方いっぺんに顔に出てて、耳まで真っ赤に染めた彼女が愛おしくて抱きしめる。

 本気で好きなんだ、澪のこと。何で今まで気付かなかったんだろう。もっと早くに気付いてたら、今日私もチョコ持ってきてたのに。


「大好きだよ、澪」


 彼女が何か言う前に、彼女の口を塞ぐ。抱きしめ返してくる彼女が更に愛しく感じて、授業開始のベルが鳴るまで、私たちはそうしていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] > ほっぺにキスされたときなんて心臓破裂するんじゃないかってぐらいうるさくて そこで気づこうよ! と言いたくなりつつ、この取りとめのない感じが逆に女子高生っぽいかも……と不思議な余韻が残りま…
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