15話真夜中にこんにちは 尋問編
少し残酷な描写があります
微グロ注意
あんまり当たって欲しくない予想だったけどばっちり当たってしまった。これから先のことをかんがえると面倒で仕方がない、はー、いっちょやりますか。
「よっ、ほっ、おわっ。」
のたうちまわる賊どもの頭を蹴って意識を飛ばしていると、根性を見せて一人がつっかけてきた。まあ動きもとろいし楽に避けれるけど…少しリハビリしてみるか。
「殺す、て、てめぇだけは絶対に殺してやる。」
片腕が吹っ飛んでいるのに元気なことだ。痛みと出血で普通なら動くこともできんだろうに。薬でもキメてるかよっぽどの俺に恨みでもあるのか...
「穏やかじゃないな、人に死ねとか殺すって言っちゃだめって教わらなかった?
育ちが知れるから気をつけな。
はは、そんなに怒るなよ…おっと、話してる途中に襲い掛かるなんてひでーヤツだな。
ほらこいよ、俺を殺りたいんだろ?はい残念ハズレ、見え見えなんだよ、よっとそんなんじゃ俺は殺れない、ほっと」
「があああああああああっ、避けんじゃねぇ、死ね、死ね、死ね」
うーん、根性は認めるけど、怪我を差し引いたとしても二流ってとこかね。
こんなグダグダなことしてたらリハビリどころか、変なクセが付きそうだ…終わらすか。
突きを躱してからのケンカキック。
「がはっ」
うおっとカウンターで入っちゃた、死んでないよな…こいつ主犯ぽいから生きてて欲しいんだけど、おっ死んでないっぽい、良かった。
とりあえず縛ってから二階の様子を見るか、多分大丈夫だろうけど。
「リョウさん無事ネ?」
「老師、そちらこそ大丈夫ですか?」
「平気ヨ、曾孫たちも無事ネ。あの魔具に助けられたね。リョウさんのおかげネ。
上にも三人賊いるヨ、一人死んだけど、二人は縛って転がしてあるネ。どうするカ?」
「迷惑をかけて本当にすいません。迷惑ついでに音が漏れず、汚しても構わない部屋ってありませんか?ってそんな部屋あるわけないですよね…」
「あるヨ。」
「えぇっ。」
老師の案内に従ってついて行くと、地下への隠し階段が…なんでも薬の保管や研究に使うための部屋らしい、研究ってなだよ研究って、なんか怖いんですけど。
地下室に襲撃者六人(死体一体)を運び込む。だいたい7メートル四方の部屋が2つあり、一室は薬やら本やらよくわからん器具が置かれていて、もう一室はベッドと椅子がおいてあるだけで、なんだかロウソクの灯りと相まってまんま拷問部屋みたい…某レクター博士とか収監されてそう、ってよく見るとベッドと椅子に固定用のベルトとかついてるし、老師この部屋でなにやってんですか…まあこれからやること考えたら都合いいんだけど。
それにしてもケミラスはいい仕事してくれる、高い金払っただけのことはある。今回使用した魔具は二つ。一つ指定範囲内に侵入者があった際知らせてくれる【臆病者の縄張り】、通常犬やら猫やらにも反応してしまい誤作動も多く扱いづらいんだけどそこはケミラスクオリティー、人間大のモノにだけ反応するよう調整済だ。ちなみに、俺が倉庫に帰還したときもこれで察知したとのこと。
そして二つ目、指定した生物以外の魔力に反応し槍で攻撃する【突き刺す絨毯】、これも通常誰が乗っても槍による攻撃が発動しなかったり、逆に守るべき対象を突き殺してしまったりと誤作動が多いんだけどきっちり仕事を果たしてくれた。槍による攻撃は1回限りの使いすてだが今回の成果を見るに惜しくはない。
お値段は【臆病者の縄張り】、【突き刺す絨毯】×3で金貨2枚と銀貨9枚とかなりのものだったが命には代えられない。ケミラスさんに大感謝、やっぱりもつべきものは腕のいい魔具師の知り合いだね。
「老師、これからこいつら尋問を行います。はっきり言いまして、耐性のない人には見るに耐えないようなことをしたりしますので、上で曾孫さんたちと待っててもらえますか。
人数も多いんでそこそこ時間もかかると思いますし。」
「大丈夫ヨ、わたし薬師ネ。酷い怪我いっぱい見てきたヨ。
あの子たちにもいい経験ネ、よければ見学させてもいいカナ?」
まじかよ、曾孫たちにも見せるって、あの子らまだ12,3歳の女のだぞ…
「…老師がそう言われるならかまいませんけど。かなりエグイことしますけどきついようでしたら下がってくださいね。」
「ほっほ平気、平気ネ。むしろリョウさんを手伝えることあると思うヨ。薬師は人の体よく知ってるネ、どうすれば治せるか、どうすれば痛いか、どうすれば壊せるかをネ。
おぉちょうどいいものあるネ、ちょっと待つネ。あの子たち呼んでくるついでに取ってくるヨ。」
まあいいならいいけど。あの子たちトラウマにならなけりゃいいけど…
「はいはい起きてくださーい、楽しい尋問の時間ですよ。」
「ウヴゥ」「っぐぐ」「ぐぎぎっ」
ははっ、叫んで暴れたいんだろうけど残念、猿轡も縄もそんな簡単に締めちゃないんだなこれが、おいおいそんな目で見るなよ、仕掛けてきたのはお前らだろうが。
「暴れても無駄なんで静かにしててね、っと」
「ごがぁっ」
「言うこと聞かないと彼みたいに無駄に痛い思いするんで静かにしてることをお勧めします。
はいそれじゃ尋問を始める前にこちらの聞きたいこと大発表。
一つ、俺がここにいることをどうやって知ったのか。
二つ、なぜ俺を襲ったのか。
三つ、お前らは何者なのか。
四つ、他に襲撃者もしくは協力者がいるのか。
大きく以上の四点について答えてちょーだい。素直に答えてくれたら見逃してもいい、でもお前らの態度次第では尋問が拷問に変わるかも…
さあ、それじゃあさっきから反抗的な態度が目立つ赤毛のお前、そうお前から訊いていこうか、よいしょっと、喋りたくなったいつでも喋ってちょーだい。」
軽く水月を蹴っただけなのにゲーゲー言ってやがる、鍛えが足りんね。おお、でもまだまだ目は死んでないな…精々見せしめになってくれ。
蹴る、蹴る、蹴る。腹を、顔を、腕を、足を。死なせないように、意識を飛ばさないように限界を見極めつつ加減してとにかく蹴る。赤毛クンは涙やら血やらゲロやら小便やらをまき散らしながら必死に耐えている。でもその目にはさっきまでの威勢の良さが鳴りを潜め、痛みへの、死への、俺への恐怖を湛えている。
周りの奴らも推定主犯格以外は瞳に恐怖を宿している。時間も限られているし頃合いかな。
「喋る気になったか?ああ猿轡のせいで喋れないんだったな、外してやるから待ってな。」
必死に首を縦に振る様は滑稽だ。この程度の痛みで屈するなんて根性足りんなほんとに。
「げほっげっほ。助けてくれ、悪かった。何でも、何でも話す。頼む許してくれ。」
「初めからそうしてりゃ痛い思いしなくてよかったんだよ。
はは、でもダメだ。お前は反抗的すぎるからな。嘘つかれたらたまったもんじゃないし。
よし決めた、お前には反抗的な奴がどうなるかお手本になってもらおう。」
「やめ、やめてくれ。頼む、おねがいしがはっ」
「しっかり残りの奴らに見てもらおうな、すぐに死ぬんじゃないぞ。」
赤毛クンを椅子に座らせて、ベルトで縛りつける。必死に暴れてるんだろうけどダメージがでか過ぎるのかたいして抵抗も感じない。精々苦しんでくれ、他の奴らが恐怖で口が軽くなるように。
さすが治療院、各種拷問に使える器具も揃っている。本来の用途とは違うけど活躍してくれ。まず定番の生爪剥がし、コツは一気にはがすのではなく緩急や捻りを加えてじわじわと毟っていくこと、ソースは俺。手と足合計20本も指はあるからなかなか終わらないんだよなこれが。
自殺防止と声がうるさいんで猿轡を噛ませなおしたんだけど、んぐーんぐーとうるさい。別に俺はエスじゃないんでおっさんの苦悶の声なんて聞きたくないんだけど、まあ尋問順番待ちの彼らにはいい見せしめになってるんでよしとするか。それにしても老師が言ったとおり、見習いの曾孫ちゃんたちは怯えることもなくよく見てるわ、まるでモルモットを観察する科学者みたいだ。これならもう少しハードにしても大丈夫かな。
続きましては、指毟り。やり方は非常に簡単で、血まみれの指を握り関節とは逆方向、つまり手の甲目がけて一気に倒す、グッギャと若干気持ち悪い音と感触に目をつぶりそのまま捻じりを加えながら左右に揺する、10回も繰り返すと指の付け根がグチャグチャになるのであとは力任せに引っ張るだけ。たいした抵抗もなくミチッという音ともに毟りとれます。コツを掴むにはまず小指からやっていくことがお勧めかな。
熱心に見てくる見習いちゃんに思わずレクチャーしてしまった。普通は順番待ちの奴らみたいに吐いたり、目を逸らしてたするんだけどを…この子らハート強すぎ、むしろ『わたし、気になります』と言わんばかりの勢いで食い入るように見てくる。ほんと将来いい薬師になりそうで楽しみだ。
老師もニコニコしてるし、試しに1本ずつやらせてあげたら多少手こずったものの5分ほどかけてしっかり毟りとりました。二人ともキャッキャッと嬉しそうにしているのでなんか和んだ。肝心の赤毛クンは死んじゃいないけど反応が鈍くなってきている。そろそろ壊れそうだ.......
もう少しだけ付き合ってもらおうかな。




